小学校にあがるまでに,どんな子になってほしい? NO.1
こんにちは!
わたあめせんべいです。
みなさんと一緒に,子どもの教育について学んでいくためのnoteを書いています。
今回は,子どもが小学校にあがるまでに,どんな子になってほしいか,
言い換えると “幼児期の終わりまでに育ってほしい姿” についてお伝えしようと思います。
全てを説明すると長くなってしまいますので,今回はNO.1として,今後数回にわたってお伝えしようと思います。
この ”幼児期の終わりまでに育ってほしい姿” は,幼稚園教育要領・保育所保育指針・幼保連携型認定こども園教育・保育要領(以下,幼稚園教育要領など)の2017年改訂時に示されたものです。
そこでは,“幼児期の終わりまでに育ってほしい10の姿” として記されています。
ちなみに幼稚園教育要領について少し説明した記事(主に“幼児教育について育みたい資質・能力”について)がありますので,よろしければこちらもご覧ください。
https://note.com/wataame_senbei/n/na480345b8c8e
この “幼児期の終わりまでに育ってほしい10の姿” が何かを知ることが,家庭での子育てにも役立ち,子育ての質を上げるために有効だと思います。
あなたはお子さんに,どのように育ってほしいと願いますか?
小学校までに,どんな力を育ててあげたいと思っていますか?
「友達に優しくしてあげられる子になってほしい」
「ごめんね,って言える子になってほしい」
「集中できるものを見つけてほしい」
我が子に対する願いは,尽きることなく溢れてくると思います。
そんな願いの中,幼稚園教育要領などでは,どのような育ちを提唱しているのでしょうか。
さっそく見ていきましょう!
~目次~
1.“10の姿” ってなに?
2.①健康な心と身体
3.②自立心
4.まとめ
1.“10の姿” ってなに?
まずはこの幼児期の終わりまでに育ってほしい10の姿について概要を説明します。
新幼稚園教育要領のポイント(文部科学省)より引用
上の図は文部科学省が示しているものです。
これからこの中のひとつひとつについて,詳しく見ていこうと思うのですが,1つだけ先にお伝えしておかなければならないことがあります。
それはこの10の姿は,“必ずできるようにして小学校へあがらなければならないもの” という捉え方をしていないということです。
これはあくまで保育における方向性を示すものです。
この10の姿が獲得できていなければ小学校で困ってしまいます,というようなものではありません。
ですので,あまりこの10の姿を,我が子が達成できるようにと、やっきにならなくても大丈夫です。
あくまで保育や子育てにおいて「こんなふうに育ってくれたらいいな,だからこういう保育・子育てをしよう」というように考える材料として用いるといいでしょう。
2.①健康な心と体
では1つめ,“健康な心と体” について見ていきましょう。
幼稚園教育要領には,以下のように記されています。
『幼稚園生活の中で,充実感をもって自分のやりたいことに向かって心と体を十分に働かせ,見通しをもって行動し,自ら健康で安全な生活をつくり出すようになる。』
それは具体的にどのような姿でしょうか。
走り回って遊んだり,すべり台やブランコを楽しんだり,ボールを投げたり追いかけたりして,十分に身体を動かして遊ぶ。
その中で,「上手くできて嬉しい」「失敗してくやしい」などの感情と向き合いながら,自分のしたい遊びに取り組んでいく。
たくさん遊んで楽しめば,お腹も空くはず。
食べる前には汚れた手を洗ったり,うがいをしようとする。
食事中には色々なものを食べてみようとする。
食後は歯を磨いて虫歯にならないようにする。
自ら行おうとするこのような姿は,“健康な心と体” が育っているといえるでしょう。
3.②自立心
2つめの ”自立心” について,幼稚園教育要領では,
『身近な環境に主体的に関わり様々な活動を楽しむ中で,しなければならないことを自覚し,自分の力で行うために考えたり,工夫したりしながら,諦めずにやり遂げることで達成感を味わい,自信をもって行動するようになる。』
と記されています。
具体的には,
「やってみたい」と思っている遊びを通して,自分で工夫しながら挑戦し,「上手くできた!」や「失敗した…」を経験しながら,思ったようにできたことを喜んで,自信をつけることです。
例えば製作遊び。
これは幼稚園での風景を例にあげてみます。
紙コップを逆さまにして顔を描き,頭の上(紙コップの底)にストローを立たせて,アンテナをつけようとしている子がいました。
ロボットを作っているのでしょう。
でもストローは細いので,うまく立てられずに悩んでいる様子でした。
まず,その子が持ってきたのは “でんぷんのり” です。
でんぷんのりの入った壺から指でたっぷりとすくい取ってストローの口に塗ると,紙コップの底へ押し当てました。
しかし,手を離すとストローは倒れてしまいます。
“のりをたっぷりつける“という方法では,上手くいきませんでした。
悩んだ様子のその子が次に持ってきたのはセロテープ。
セロテープを使ってストローと紙コップを張り付けようとします。
しかし,それでもストローは倒れてしまいます。(片側にしかセロテープを貼らないので,同じ方向へ倒れてしまうのです。)
セロテープで張り付ける方法も失敗でした。
「できない……」
ポロっと愚痴が聴こえます。
もう諦めるのかな,と思っていると,その子は私に近づいてきて言いました。
「ここに穴をあけたら,ストロー立つかな。先生,やって」
ナイスアイデア!と私はキリを持ってきて,その子と一緒に紙コップの底に穴をあけました。
その子は穴にストローをさしてセロテープで固定し,無事にアンテナを作り上げることができて満足そうでした。
このように,試行錯誤しながら工夫し,あきらめずに行った結果,自分の思うようにできたという達成感が,自立心を育てます。
4.まとめ
今回は幼稚園教育要領に記載されている『幼児期の終わりまでに育って欲しい“10の姿”』の①健康な心と身体,②自立心について説明しました。
まとめとして,子どもとかかわるときのポイントを付け足します。
①の健康な心と身体は,いろいろな力を獲得するための基礎・土台といえるようなものだと思います。
この姿を育むために,生活の中で子どもの「やってみたい」という気持ちを大切にしながら,「なぜそれが必要なのか」ということを,子ども自身が理解できるようにしてあげるといいですね。
②自立心については,遊びの中で試行錯誤ができるよう,時間や環境を十分に用意してあげることが有効でしょう。
やりたいことに集中して取り組む時間は,自立心の育ちはもちろんのこと,様々な力の獲得につながります。
ぜひ保障してあげたいですね。
今回はこれまでとします。
次回は “10の姿” の③協同性から説明を続けようと思います。
ここまで読んでくださってありがとうございました。
またお会いできる日を楽しみにしています。
わたあめせんべいでした!
小学校にあがるまでに,どんな子になってほしい? NO.2
https://note.com/wataame_senbei/n/n0f2e1c38c7ef
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?