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小学校にあがるまでに,どんな子になってほしい?NO.2


こんにちは!
わたあめせんべいです。

みなさんと一緒に,子どもの教育について学んでいくためのnoteを書いています。

今回は,子どもが小学校にあがるまでに,どんな子になってほしいか,
言い換えると “幼児期の終わりまでに育ってほしい姿” についてお伝えしていく2回目の記事です。

この “幼児期の終わりまでに育ってほしい姿” は,幼稚園教育要領・保育所保育指針・幼保連携型認定こども園教育・保育要領(以下,幼稚園教育要領など)の2017年改訂時に示されたものです。

そこでは,“幼児期の終わりまでに育ってほしい10の姿” として記されています。


今回の内容をよりご理解いただくために,よろしければ
『小学校にあがるまでに,どんな子になってほしい?NO.1』 からご覧ください。
https://note.com/wataame_senbei/n/n4084fb63487a


『小学校にあがるまでに,どんな子になってほしい?no.1』では,
  “幼児期の終わりまでに育ってほしい10の姿”

①健康な心と身体
②自立心


についてお話ししました。


今回は,その続きをお伝えします。


幼稚園教育要領などでは,どのような姿を育てようとしているのでしょうか。

さっそく見ていきましょう!



~目次~

1.③協同性
2.④道徳性・規範意識の芽生え
3.⑤社会生活との関わり
4.まとめ



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新幼稚園教育要領のポイント(文部科学省)より引用


1.③協同性

では “幼児期の終わりまでに育ってほしい10の姿” の3つめ,
“協同性” についてみていきましょう。

幼稚園教育要領には,以下のように記されています。

『友達と関わる中で,互いの思いや考えなどを共有し,共通の目的の実現に向けて,考えたり,工夫したり,協力したりし,充実感をもってやり遂げるようになる。』

これだけ読むと,大人の自分でもこの “協同性” をしっかりと獲得できているのか,不安になります(笑)

『小学校にあがるまでに,どんな子になってほしい?NO.1』でもお伝えしたように,この “10の姿” は,到達目標ではありません

「このような姿が育つように保育を行おう」という方向性を示すものです。

教育基本法の第一条でも示されているように,
教育は “人格の完成を目指す” という目的のもとに行われるものです。

そのために幼児期ではどのような教育を行うべきなのか,それを抽象化したものが,この “10の姿” として示されているわけです。

しかし幼稚園教育要領の説明文だけでは,実際の子どもはどのように “協同性” が育まれていくのか,イメージしにくいですよね。

ですので,具体的な子どもの姿から示していきます。


前提として "協同性" については,家庭で育もうとするのは少し難しいかもしれません。

それはこの姿を育むためには,他者の存在が必要だからです。

さらにつけ加えると,対等にやりとりのできる同年代の子ども 
“友達” の存在が望まれます。

親や兄弟とかかわることでも協同性を育むことはできると思いますが,やはり異なる価値観をもつ友達とかかわることで,大きく育まれていく力だと思います。

ですので家庭内で育むというよりは,やはり集団生活である幼稚園などの施設や公園など,友達と遊んでいる場面において育つ力といえるでしょう。

それを踏まえて,どのような場面において ”協同性” が育まれていると捉えられるのでしょうか。


例えば “ごっこ遊び” は "協同性" が育まれる遊びの1つとしてあげられます。

ままごとや戦いごっこなど,役割が明確なこれらの遊びは,子ども同士がある程度テーマを共有していなければ成り立ちません。

よく,「お母さん役を誰がやるか」ということで子どもたちはもめます。

それは,“家にお母さんは1人” という家族の形を再現しようとすることで起こります。

“家族ごっこ” というテーマを共有しているからこそ起こるトラブルと捉えられるでしょう。

もしそれぞれの子どもがやりたいように,
「わたしお母さん」「わたしもお母さん」と,お母さんが何人も存在している家族ごっこだったら,それは一緒に家族ごっこをしているというより,同じ場にはいるけれど実際は “1人でお母さんになりきって遊んでいる“ のかもしれません。

子どもたちが相談の上で,“複数人お母さんが存在している家族“という共通の認識をもって行っているともあるので,一概にはいえませんけどね。

その場合は,『共通の目的の実現に向けて,考えたり,工夫したり,協力したり』していると捉えられるでしょう。


このように,友達と一緒に共通の目的をもって遊ぶ経験が,後に "協同性" を獲得することにつながっていくのです。




2.④道徳性・規範意識の芽生え


次は4つめ,“道徳性・規範意識の芽生え” について,みていきましょう。

幼稚園教育要領には,

『友達と様々な体験を重ねる中で,してよいことや悪いことが分かり,自分の行動を振り返ったり,友達の気持ちに共感したりし,相手の立場に立って行動するようになる。また,きまりを守る必要性が分かり,自分の気持ちを調整し,友達と折り合いを付けながら,きまりをつくったり,守ったりするようになる。』

と記されています。

ここでのポイントは, “様々な体験を重ねる中で” という部分です。

我が子に対して,道徳性や規範意識を身に付けて欲しいと思う時,どのように伝えていますか?

もしかしたら自分の経験からルールの必要性を伝えていませんか?


どういうことかというと,
例えば誰もが知っているルールのひとつに,“ろうかは走らない” というものがあります。

これ,どうしてこのようなルールが設けられているのか,大人は理解できますよね。

「せまいろうかで走ったら人とぶつかる」
「雨が滑るとろうかが滑りやすくなって転ぶ危険がある」など,
大人は自分の体験からそれらのことが予想できるため,ルールの存在意義が理解でき,必要性を感じることができます。

ですので,そのルールを子どもに説明して伝え,守らせようとするのですが,
子どもからしたら,体験自体が少ないため,大人の言う言葉は理解できたとしても,必要性を感じられず,結局ルールを守るに至らない,ということが起きます。

その結果「どうしてルールを守らないの!」「約束したでしょ!」という注意になるのです。


そもそも,自分が体験していないことを理解することは,大人にとっても難しいことです。

ですので,子どもに道徳性や規範意識を育てようと思う時には,子ども自身がまずは体験をすることが必要です。

そしてその中で,失敗したり上手くいかなかったりして,子ども自身がルールの必要性に気づくことが,この力を育むためには必要です。


くり返しになりますが,幼稚園教育要領の言葉を引用すると,遊びの中で『様々な体験を重ねる』ことが必要であり,その中で『きまりを守る必要性が分かり』自分で『きまりをつくったり,守ったりする』ようになることが,この力を育てることになります。


“ルールがあるから守る“のではなく,”必要があるから自分でルールをつくる“という経験を子どもができるようにしたいですね。



3.⑤社会生活との関わり


5つめは “社会生活との関わり” です。

幼稚園教育要領では,やけに難しく説明されています(笑)

『家族を大切にしようとする気持ちをもつとともに,地域の身近な人と触れ合う中で,人との様々な関わり方に気付き,相手の気持ちを考えて関わり,自分が役に立つ喜びを感じ,地域に親しみをもつようになる。また,幼稚園内外の様々な環境に関わる中で,遊びや生活に必要な情報を取り入れ,情報に基づき判断したり,情報を伝え合ったり,活用したりするなど,情報を役立てながら活動するようになるとともに,公共の施設を大切に利用するなどして,社会とのつながりなどを意識するようになる。』

これ幼児じゃなくて,そのまま大人に対しても求められることじゃないですかね?

もちろん,幼児期には基盤となるものを育てていきましょう,というイメージです。

『地域に親しみをもつ』って具体的にイメージしにくいですが,
要はいろいろな人に関わって,自分と他人の違いを知り,自分は社会(幼稚園や習い事,よく出かける遊び場など,自分に関係のあるコミュニティ)の一員であることに気づくこと。
そして,その中で助けたり助けられたりしながら,仲間と一緒に過ごすことに喜びを感じること,ですね。

後半部分は,『情報』という言葉がちょっと幼児向けの表現ではない気がしますが,言い換えると

自分で気付いたことや知っていること,また誰かに尋ねて得た知識を使って遊ぶことを通して,社会とのつながりを意識する

といった具合でしょうか。

例えば色水遊びを通して,花びらから色水が作れることに気づく。
どんな花からどんな色水が作れるんだろうと興味をもつ。
そこからどうやって花が咲くのか,どうやって花を育てるのかを絵本や図鑑で調べたり,花屋さんや農業センターへ出かけて専門家に尋ねたりしてみる。
そのようにして得た知識(情報)を遊びに生かす。

このようなかかわりは,地域とのつながりを感じられるものでしょう。




4.まとめ


今回は “幼児期の終わりまでに育ってほしい10の姿” のうち,

③協同性
④道徳性・規範意識の芽生え
⑤社会生活との関わり

の3つについてお話ししました。

少し理解しにくい部分もありましたが,お分かりいただけましたでしょうか。


また “10の姿” といいつつ,なかなか10までたどり着きそうにありません(笑)が,気長に少しずつ読んでいただけると嬉しいです。

次回は “10の姿” ⑥思考力の芽生えから説明を続けようと思います。


ここまで読んでくださってありがとうございました。
またお会いできる日を楽しみにしています。

わたあめせんべいでした!


小学校にあがるまでに,どんな子になってほしい?NO.3
https://note.com/wataame_senbei/n/n44092dfaa625

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