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友よ、君はなぜ、法務からCSになったのか⁉(how編)

皆さんこんにちは。

MNTSQ(モンテスキュー)株式会社でカスタマーサクセス(CS)をしている佐藤でございます。

さて本日は、「法務経験者がリーガルテックでCSとして働くといいことがあるのはわかったけど、じゃあどうやってなるのよ?」というテーマでお話しします。

「信頼チケット」を活用

法務経験者CSといったって、別に初めからいきなりCSで採用されたりするばかりがルートではありません。

それが、僕が「信頼チケット」と呼ぶやり方です。
リーガルテックも当然社内の法務業務(導入企業やサービス連携している企業との契約、採用関係の業務委託契約…etc)はあります。

そのため、
①最初法務担当として仕事をはじめ、会社のカルチャーに順応しつつ契約書審査や関連業務を巻き取っていって一定のアウトプットを出し、社内の信頼関係を構築する

②発展的な業務に取り組む

③最終的にはそれを足掛かりにして、別の社内業務に踏み出す

という流れを作りやすい、という感じです。

企業では、とかく「法務は専門職」と見られやすい面があると思います(というかコーポレート系全般はおおむねそうかもしれません)。

特に私みたいなロースクール修了生などは大学院で数年法律を専門的に勉強してかつ司法試験まで受けて、法律業界に深くコミットしているはず、みたいな暗黙の前提があり、それがおおむね合っていますので。

異動や転職に関して、総合職のジョブローテーションがある会社でもない限り、無邪気に顧客と直接接点のあるポジションに行きたいですと申し出ても「顧客とのコミュニケーション(商談)ができるのか能力が未知数。むしろ専門性を生かしたほうが活躍しやすいでしょ」と判断されがちなんじゃないでしょうか。

ただリーガルテック企業、そしてMNTSQとなるとちょっと毛色が違います。

エンジニアやセールス・CSなど各部署が法務や契約関連業務に関する課題感を理解して業務に取り組む必要があるため、社内各所に法務実務のセンスを持った人やそのセンスを周りに注入してくれる人を置いて、解像度を格段に上げていかなければなりません。

一部の法務経験者や弁護士だけがプロダクトの価値仮説の議論をリードして、ほかの部門はそれをひたすら機能開発やセールスにつなげるという分業ではなく、法務実務のセンスを会社全体で底上げしていくことの方が正解に近づくというアプローチですね。

なので、契約法務を熟知している人が別分野へ踏み出し活躍していく絵を描きやすい環境にあると思います。

特にMNTSQは。

たとえば私が現状業務の主戦場にしているカスタマーサクセスチームは、本職のCS以外に、コンサル出身者の多いBizdevが相乗りしている混成部隊で成り立っているのですが、対面能力のあるLegalも混じっており法務的なバックグラウンドや強みを生かして業務に取り組んでいます。

また、先日のエントリで記載したようにLegalの今泉はRubyを書いて開発系の業務に携わっているほか、川上という検索行動の分析を通じてプロダクトの改善にエンジニアと取り組むLegalもいます(後者は現在育休中ですが)

理解・分解・再構築

入社エントリではあまり触れなかった私自身のキャリア形成というところでいうと、前職(フィンテック企業の財務経理へのキャリアチェンジ)で色々あって躓いてしまった面があり、MNTSQへの入社は作り直し・再構築のためのチャレンジという意味合いがありました。

転職を決意した時点で、うまくいかなかったから普通の法務に戻るか、というとそれはあまり考えていませんでした。

最初に勤めていた飲食系の会社では創業社長が口癖のように、「ロケットは飛行機の延長線上で作られたのではありません。最初から月に行くために作られたのです。あなたの”月”はなんですか?」と従業員に問いかけていて、退職後もずっとその言葉が頭の中に残っていました。

粋がった言い方をすれば、MNTSQへの転職直前の僕にとって普通の法務はまだまだ成長余地があるとしても「それなりにできること」でした。
その「それなりにできること」で仕事をしていくのはどこまで行ってもその「それなりにできること」の延長線上の範疇にしか収まらない気がしました。

非線形な成長をして僕だけのキャリアを築くためには、法務経験をベースにしつつ「ピボット」をしていくこと(「チェンジ」じゃなく)がよいのでは、という発想だったわけですね。

そういう意味で、この会社では上記の信頼チケットを活かすパターンにうまく乗ることができたと思っています。

①最初法務担当として仕事をはじめ、会社のカルチャーに順応しつつ契約書審査や関連業務を巻き取っていって一定のアウトプットを出し、社内の信頼関係を構築する

  • 契約審査や法務勉強会を積極的にやりました。

  • 特に「至高の法務部思考Talk」などというウルトラかっちょいい名前の法務勉強会は、2週間に1回程度の頻度で継続し社内でも大好評(当社調べ)でした。多分。この法務勉強会について詳しくはまた別の機会で。

  • これで「佐藤はやたらしゃべりのスキルがあるやつだし、キャラ的にも法務っぽくない」みたいな第一印象の形成に成功。

②発展的な業務に取り組む

  • 「生きた契約書」を実際に作っていたので、その経験を生かして顧客向けのプロダクトデモ用の契約書データセットを作成。

  • このあたりで、「佐藤は法務実務経験がありデータのこともわかっているからデモ当日の説明担当をできそう」という信頼が積みあがっていく。

  • 当然自分としても対面行きたい、とアピールしておき、デモを重ねる。

③最終的にはそれを足掛かりにして、別の社内業務に踏み出す

  • 「佐藤さんデモやってて顧客対面業務持てそうなイメージあるし、導入とか運用でCSやってみる?」と声がかかる

  • 満を持して「チケット」を切り、CS業務を持つようになる


これはあくまで私の例でしかありませんが、一つのケースとして参考にしていただけるのではないかと思います。

と、偉そうに色々書いているものの、土地勘のなかった仕事だけに実際はプロダクトの仕様を把握したりチーム内の議論についていくので必死だったりして、華麗に活躍しているというわけでもなかったりします。

ただそれも自分で選んだ道ですし、できなかったことができるようになっていくのは楽しいことですので、法務のド新人だったころに味わっていた産みの苦しみを再度経験しているのだと思うことにしています。

Come join us!!!!!!1!!!!

というわけでお約束の結びですが、MNTSQではカスタマーサクセスの仲間を大募集しています。
たとえば法務部門で転職を考えているが、このまま法務のスペシャリストを目指そうかそれとも別の道を選ぼうか、と思いつつもどうしたらいいかよくわからない、という方にはお話しできることも多いのではないかと思います。
ぜひカジュアル面談でお話しできればと思っています。
もちろん法務以外の、コンサルタントやセールス・CSの経験者で興味がある、という方も。
お待ちしております!


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