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【読書記録】新装版 殺戮にいたる病(我孫子武丸)

通っている整骨院の先生とよく読んでる本について情報交換するんだけど、その先生におすすめされた本。先生若くて明るい感じなのに、暗い本ばかりおすすめしてくるので笑う。

【あらすじ】

永遠の愛をつかみたいと男は願った―。東京の繁華街で次々と猟奇的殺人を重ねるサイコ・キラーが出現した。犯人の名前は、蒲生稔!くり返される凌辱の果ての惨殺。冒頭から身も凍るラストシーンまで恐るべき殺人者の行動と魂の軌跡をたどり、とらえようのない時代の悪夢と闇を鮮烈無比に抉る衝撃のホラー。
永遠の愛をつかみたいと男は願った―。東京の繁華街で次々と猟奇的殺人を重ねるサイコ・キラーが出現した。犯人の名前は、蒲生稔!くり返される凌辱の果ての惨殺。冒頭から身も凍るラストシーンまで恐るべき殺人者の行動と魂の軌跡をたどり、とらえようのない時代の悪夢と闇を鮮烈無比に抉る衝撃のホラー。叙述ミステリの極致!
(アマゾンの本の概要より)

【感想(ネタバレあり)】

騙された!その一言に限る!

前情報一切なしで読んだので叙述ミステリと知らずに読んだんだけど、最後のページで大混乱して、なにがおきたかよくわからなくて、2度読み返して理解して、冒頭にあったエピローグ読み直して、そのあと蒲生稔と雅子のパートだけパラパラ見直しちゃった。

まじで稔は雅子の大学生の息子だと勘違いして読んだし最後まで騙され続けたーーだってまさか稔が大学の助教授と思わないじゃん。「母」の気配もほとんどなかったしさーーでも確かに作中で雅子は、息子=稔と断定できるような呼び方はしてないんだよね。見事。

読み返して気づいてもよかったポイント
・最初の被害者、大学生の江藤佐智子は、稔のことをニーチェの“権威”と含みを持たせて言っている→学生じゃなく先生の立ち場だったのでそういう言い方をしていた。
・最初の殺人後、稔は大学を休み「母」に、「一回くらい、休講してもかまわないさ」と言う。→普通に言うなら休むと言うはず。教授だから休講と言った。
・2人目の犠牲者は稔を「オジン」と言う。→若い女の子からしたら大学生はおじさんだから疑問に思ってなかったけど、本当におじさんだった。
・3人目の被害者と話すとき、稔は30代の被害者と年を近づけるため大学院生であると嘘をつく→大学生なのに年上に見せかけたのではなく、年上なのに年下に見せかけるための嘘だった。
・稔の「母」は若いときに着物を着ていた。雅子は、若いときに着物を着るような年代ではない。

グロいシーンもあるけど、久々にこんなに綺麗に騙されたので、まだ読んでない人にもこの気持ちを味わってほしい。

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