見出し画像

SDGs時代、これから何食べる? 私が、昔ながらの和食にハマった理由



食事とは、周りの環境を食べること

コロナ禍で私がもっとも時間を費やしたのは、「健康的で、しかも地球にやさしい食事ってなんだろう?」という、食に関する疑問でした。

世界に目を向ければ、畜産による気候変動や環境破壊が問題視され、片や日本では、これを食べれば健康になる、美容にいいといった、食に関する情報が氾濫しています。

外出自粛で時間があるのをいいことに、ヴィーガニズムや日本の食の歴史など、さまざまな角度から学びを深めてたどりついたのは、

”食事とは、周りの環境を食べることだ”、というひとつの悟り。

自分が住んでいる風土にあった食事、日本でいえばお米や野菜、たまに魚介類を食べること。つまり昔ながらの和食こそが、地球にとって無理がなく、体にとっても自然なことだと思ったからなんです。

不自然な食事は、環境や健康にシワ寄せが


「無理がない」、とはどういうことなのか。例えば、朝食にバナナが食べたい!と思ったとします。でも、バナナって南国の果物ですし、実際日本では99.9%がフィリピンなど海外からの輸入物です。

それを食べるとなると、フィリピンから日本への輸送が必要になり、脱炭素を目指す現代では、無駄なエネルギーといわざるをえません。さらに長期間の移動中に腐らないよう、防腐剤や防カビ剤など、いわゆる”ポストハーベスト”と呼ばれる、体によくない添加物を大量に加える必要があります。

でもそれって、ちっとも自然ではないですよね。本来なら、収穫したそのままのバナナを食べたいのに、地球環境や人体に有害なものを加えないと、日本では南国のバナナを食べることはできないのです。

お肉も同じです。とくに牛肉って、まず放牧できる広い土地が必要ですし、あのサイズまで育てようと思ったら、大量のエサが必要になります。

国土の約73%が山地を占める日本では、牛を育てる土地も限られるし、飼料となる大豆やとうもろこしを育てる農地もありません。

そんなことができるのは、広大な平地があり、機械化が進んだ大規模農場を経営する、アメリカのような国だけ。

だから文明開化まで、牛肉って日本ではほとんどたべられていなかったんです。日本の風土にあっていなかったから。

日本の牛肉は65%が輸入。しかも国産牛35%といっても、そのエサとなる飼料の大半は、外国からの輸入に頼っているのが現状です。

結果、輸送に無駄なエネルギーを使うことになり、さらに悪いことに、世界的にみると牛のエサとなる大豆やとうもろこしが足りていません。

ではどうするか?というと、第三世界、いわゆる発展途上国の畑を奪い、熱帯森林を破壊し、無理やり牛のためのエサを育てるという略奪のようなことが起きているわけです。しかも熱帯雨林の破壊によって、地球温暖化まで加速するというおまけつき…。

これって、SDGsの「人や国の不平等をなくそう」、「気候変動に具体的な対策を」といった目標にも、めちゃくちゃ違反しています。

日本の環境にないものを食べたい!と思った結果、無理をして調達することになり、そのシワ寄せが、地球環境や発展途上国へと向かっているのです。

これからの地球のこと、人類全体の未来のことを考えたら、そんなことしたくないじゃないですか。

目指すは、”おばあちゃん家のご飯” プラスα


だから、日本の風土にあった食事に原点回帰してみませんか?

目指すのは昭和の時代、おばあちゃん家のような、昔ながらの和食ごはん。

炊きたてのごはんに、熱々のお味噌汁、滋味深い野菜のおかずやお漬物、たまに魚介が登場するといった、古き良き日本の伝統食です。

そんな、食品が輸入頼みの不自然なものになる前の食事。昔の日本人がみんな食べていた、ごくごくあたり前の食事こそ私たちの体にあっているし、材料の調達に無理がなく、地球環境への負荷も少ない。

地球温暖化まったなし、世界の飢餓人口が8億人にのぼるという現代において、これこそが、地球も体も喜ぶ、究極のサステナブル・フードだと思ったのです。

未来にむけて、サステナブルな和食の魅力を再発見!


とはいえ、この飽食の時代にいきなり「昔ながらの菜食ご飯に戻ろう」と言われても、抵抗があるかもしれません。

じゃあどうすれば満足度をアップできるのか? ”おばあちゃん家のご飯” プラスαとは? それは、贅沢な食材を使うことではなく、


・時間と手間をかけること

・新鮮な旬の食材を食べること

・本物の調味料を使うこと

・器や盛り付けを楽しむこと


これが、何でも、”楽ちん”、”時短”と、効率化を求める今の時代にとって、究極に贅沢で、暮らしのクオリティがアップする食事なんじゃないか、と思うに至りました。

しかも実際にはじめてみたら、和食の奥深さ、四季折々の行事、器の魅力など、どんどん日本文化への興味が湧いてきて、楽しみがつきません。つくづく日本人で良かったと、自尊心までくすぐられる始末です(笑)。

ひとりでも多くの人が”昔ながらの和食ごはん”の魅力に気づき、サステナブルな和食にふたたびスポットがあたることを祈って、このnoteを続けていこうと思います。

ぜひ、応援していただけると嬉しいです。よろしくお願いします。





この記事が参加している募集

#新生活をたのしく

47,926件

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?