【森見登美彦『太陽の塔』】太陽の塔を見にゆきたい
2023年6月23日
森見登美彦(2003)『太陽の塔』を読んだ。
これだけは言える。
森見さんの本、全部欲しい。
太陽の塔の説明がとても印象的。
「…「あれは一度見てみるべきだよ」なんぞと暢気に言っているようでは、全然からっきし、足りない。もう一度、もう二度、もう三度、太陽の塔のもとへ立ち帰りたまえ。(p.116)」
私は、まだ2回しか行ったことないのに、わかった気でいた。
これから先、何度も訪れて、何度も圧倒されたいって思った!
異様なオーラに圧倒
「一度見れば、人々はその異様な大きさと形に圧倒される。あまりに滑らかに湾曲する体格、にゅっと両側に突き出す溶けたような腕、天頂に輝く金色の顔、ことごとく我々の神経を掻き乱さぬものはない。何よりも、常軌を逸した呆れるばかりの大きさである。(p. 116)」
太陽の塔はなんと恐ろしい存在なのだろう!
常軌を逸したその姿に、人々はいつの時代も圧倒されてきたのだ。
水尾さんは、とっても魅力的だ。
「「凄いです。これは宇宙遺産に指定されるべきです」と語った。(p.118)」
こんなに太陽の塔に感動する人と一緒に見に行ったら、絶対楽しい!
この水尾さんが、『四畳半神話大系』や『四畳半タイムマシンブルース』に登場した「明石さん」にしか思えない、魅力的な女性だ。
一人でにやついていたり、主人公の「私」と付き合うくらいの人物。
「私」は水尾さんと円満に別れたと言うが、
別れた理由がとても気になるところだ。
「私」は別れたことに未練はないと言っているくせに、
やっぱり彼女を忘れられない。
彼女という人の研究や、彼女と過ごした日常を何度も
思い返している。
彼にとっては、なんとも忘れらない恋だったのだなと思う。
そんなところが人間らしくて、俗っぽいところがたまらなく好き。
愛おしいと思う。
個人的に面白すぎた場面
クリスマスを破滅させようと、主人公の「私」と友人の飾磨がイブに「ええじゃないか騒動」を企て、実行したところ。河原町がええじゃないかという人で溢れかえるシーンは意味不明で奇々怪々過ぎる!
まだまだ読むぞ、森見さんの小説
森見さんの世界観、なんとも素晴らしすぎる。
これまで4冊に魅了されてきた。
『四畳半神話大系』、『四畳半タイムマシンブルース』
『夜は短し歩けよ乙女』、『太陽の塔』。
まだまだ読み続けたい。なんなら部屋に揃えたい。
こんなに本を読んで笑ったの、初めてかもしれない。
ここまで読んでくださってありがとうございました!
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