見出し画像

噂/荻原浩/新潮文庫

※注意※
この記事は私の感想なので口調や言葉遣い、あまり気を使いません。
文章も考えて打ちません。読みにくいでしょう。
そして見ている貴方の、好きなものを否定するかもしれません。
私は私のためにこれを書いているので、ごめんなさい。
それでもよろしければお暇つぶしに眺めてください


まだ読了していないが、なんだか最近落ち着いて長文を書く事が出来なくなってきたのでちょこちょこ書く事とする。
自分の文章を読み返して思ったけど、
最近支離滅裂を極めてきた気がする。エグい。
ちょこちょこDMなり連絡をしないとならないことが増えたんだけど、
普段はだいぶ頑張って日本語を生成していると思う。それでも下手だけど。
わし偉い。


前の二冊ほどが結構つまらない本だったので、
今回はものすごく当たり。
まずめちゃくちゃに読みやすい。

エンタメ的な意味で読みやすいってことではあまりない。
映像化しても面白いものだと思うけどね。
人物の書き方が、想像しやすい。
頭の中で半映像として動いてくれるので、とても楽しい。


エンタメ小説はここは映像じゃなくてもいい、
という部分まで映像として頭の中を再生される。
情報や主人公の感情がなんだか臭いものが多いような気がする。
私はこれが嫌い。もう映像で作ってしまえよ、と。

なので嫌いなんだけど、この人の本は本として成立している気がする。
綺麗な読み物、って感じだ。














▲あらすじ


シングルファーザーとして生活している、コグレ。
警視庁刑事課に勤め、高校生の娘ナツミと二人暮らしをしている。
妻は交通事故で亡くしてしまった。


それまでは、刑事として出世街道を突っ走っていたが、
連日の徹夜仕事では思春期のナツミとの溝が空いてしまう。なにより、母を亡くして心を痛めたナツミにもう寂しい思いはあまりしてほしくない。

コグレは亡き妻にもう徹夜はしない、と心に誓い今は一線を退いている。
刑事としての勘はいいが、冴えないオッサン刑事だ。



そんな一線を退いているコグレの勤める目黒署に、一報が入った。

「所轄内で変死体発見。
ガイシャは10代と思われる少女、足首がありません」

平和な所轄で、どうして…?
かつてはヤクザ絡みの事件も扱っていたコグレだが、今は平和なものだった。一報が誤りであってくれ…と思うコグレだったが、現実は一報の通りだった。


それどころかその一報には妙な噂がついてきた。

"ミリエルの香水を付けてないと足首を取られて殺されちゃうって、本当だったんだね。
やっぱりレインマンって本当にいるんだ…"


ホラー映画でもない、ホラー小説でもない。
どこからも聞いたことないその"レインマン"の存在を、少女たちは囁き合っている。

レインマンって、なんだ?ミリエルの香水って、なんだ。









という猟奇殺人を追う話。
刑事ものになるとは思うんだけど、
出てくる主要人物の視点がころころ変わるから飽きない。
書くのが上手な人だと思うから、
場面転換をしてもなんでここで変えるの!とかこれはどうなったの??があまりないような気がする。

あとこれは感覚の話だけど、
刑事ものってドラマっぽさがあるような気がするけどこの本はちゃんと文章って感じだった。どこがと言われると難しいのだけど、考えるパートや生活するパートが丁寧に書いてると文章を読んでいる、という気持ちになる。脳内で映像補完しなくて済むから、文章を読んでいるという感じだ。
なんだか説明が下手だね。






この本の好きなところは、
登場人物がこの物語に合わせて生まれてきた感じでないところだ。
これもまた説明が難しいのだけど、
映像っぽい、エンタメっぽい、臭い物語というのは主人公や登場人物がこの物語のために生まれてきたキャラクターのような感じなのだ。


声優が声をあてて、俳優がその役をやる、みたいなイメージが先にできちゃう。
それが臭い。だと私は思ってる。



ちょこちょこ書いてるような気がするけども。
作家の書く異性の表現が好き嫌いみたいな話しをしたような気がするんだけど、
異性を書くのが下手な人もそれにあたる。
なんだかキャラクターっぽい。自然じゃない、ラノベっぽい。
ラノベを馬鹿にしているというわけではなく、事実キャラっぽさはあるし悲しいけど"ラノベっぽい"という言葉で伝わるだろうからそう書く。
もちろんその人の思い思いの異性像というものがあると思うんだけど、うーむ。
いるかいないか微妙なラインの像、どこにでもはいなさそうな像を書かれるとこの人の理想なのかしら、って思ってしまう。
なのでキャラ感を覚えてしまう。




登場人物の書き方がうまいと、その人への感情移入がしやすい。
男性女性関係なく、私は感情移入する。
おっさんだって感情移入するし、生活パートの書き方がうまいとこういう生活をしているのかなとか、こういう過去があるのかななんて本を読みながら妄想する。

物語に合わせてだけ生まれてきたキャラはバックボーンが想像しにくいし、想像しなくても物語に支障がないところがつまらない。
完璧すぎるって言うのだろうか…?それもおそらく違うな。
言動がキャラクターくさいから想像してもって思ってしまうのだろうか?わからん。




また支離滅裂な文章になってしまった!









この本の中で一番好きなのは杖村さや。
悲しいことに映像化するなら誰かなって想像したとき、
沢尻エリカしか名前がでてこんかった。
ヘルタースケルターみたせいかもしれんけども。


きっとみっともない女性、っていう像なのだろう。
象徴みたいなものが。
作者はどうしてあんな人物を産めたんだろう??
素直にすごいと思う。


富山っていう、決して都会ではない場所で生まれて、
国を動かす人間を手玉に取るまで登って、
海外を見てきて会社の社長にまでなったのに最後はあんな悲しい終わりって。
杖村は自分の事は恨んでなかった。
後悔はしていたけど泥水啜って生きてきた道を否定していなかった。かっこいいと思う。


好きになった相手にたまたま奥さんと子供がいた、
というのは本当に倫理的にはアウトなのだけど、
どうしてそれで杖村に嫌悪感を抱けなかったのだろう?
私自身、他人が不倫をしようがしまいが他人事なのでそこまで興味がないからだろうか?

嫌悪感を持つ持たないはその人によりけりなのだけど、どうして杖村には嫌悪感を持たなかったのだろう。
彼女が流されるままに不倫をしているってわけでなくて、不倫という倫理がそもそも抜け落ちていたからだろうか?
流されて行動する人は嫌い。


杖村の死に方は美しかったと思う。
私は人の死ぬ小説ばっかり読んでいるけど、この本の死ぬ間際の書き方はとても好き。

妄想の中では娘に許されてよかったねって。
憎まれていないと妄想できてよかったねって、なんだか悲しくなりつつも死ねてよかったねと思ってしまった。
うむ。




この本のどこかに書いてあった気がするけど
死ぬ、そうなる人は直前にそういう顔をするみたいなことが書いてあった気がする。
死を迎えるような顔、その持論みたいなものもとても好きだった。
すごくわからんでもない。杖村の、生きる力はあったのにそちらへ行ったところが好きだったということなのかしら。
杖村も西崎も、決して苦しんで死んでいないというところがとても魅力的な本だった。うん。








西崎の生き方も、好きだった。
端的に考えるとすごく吉良吉影だった。私は四部の吉良吉影をもの凄く応援していたので四部とても悲しかった。ええやん色いろな性癖があるんだからなんて思っていた。


西崎のそれはもっとリアルにした感じだった。
集めた彼女と一緒に生活をしていたところがものすごく狂気で、普通にだまされた。
一緒に住んでいた分、サキの事をちゃんと知って、愛情を持っていた分死んだところは悲しかった。あぁ…みたいな。
西崎は自分が死んだことはサキのせいだと思っているし、自分の自業自得のあるべき未来だったとも思っていそう。
でもあれだな、西崎の方が周りに対して杖村より理不尽な怒りを持っていたような気がする。そこだけはあんまり好きじゃない。人間としてね。作られた像としてじゃなくて。






うむ。
やはり本の中の人物が私の中でリアルで、想像しやすくて、
悲しい人だととても面白い本だと感じてしまう。
暗い話が好き。あまり立ち向かって行ったりしなくていい。かといって面白い話であってほしいから中々難しいね。




感想文って感じでノートを書いているけど、多分過去の中と比べても一番支離滅裂な文章だった気がする笑
衝動で書くとこうなるよね。文章内で矛盾したりするし。

今読んでるのは昔は好きだった作家さんの本なのだけど、
前は読めたんだけどキャラ感が今は受け付けられなくなって読み終えるのが若干心配。
面白いかなあ。うーむ。



ついった

この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?