見出し画像

バーチャル富山(県)製作プロジェクト(パラリアルワールド)

はじめに

富山県は本州の中ほど、持ち手のような能登半島の東側から日本海と接する富山湾をかかえ、立山黒部アルペンルートを持つ日本アルプスまでの間にある北陸地方の一県です。

江戸期には富山前田家によって統治され、隣国加賀との関係も深く、現在でも続く置薬商で名を馳せました。
その薬売りの商家が明治32年に発電電灯事業を開始したことがきっかけで、電気王国富山と言われるほど発電所が多くできた歴史を持った地域です。

そうだ、バーチャル富山(県)、つくろう!

標高3015メートルの立山山頂から深度1200メートルの富山湾を抱え、さらに豊かな山岳宗教文化に加えて、山麓里山から農耕と海(川)運で栄えた町を持つ地域。山と海に囲まれ、これほどまでにファンタジーの舞台になりそうな地域はそう多くありません。
Googleマップを眺めながら、ここを舞台にしたバーチャル空間の経済圏を作ることが今後のバーチャルエリアを作り上げていく基礎になると強く感じられました。
そんなバーチャル富山(県)のイメージがこちら。

バーチャル富山のイメージ

バーチャル空間は浮遊島のイメージが強いので、富山県はうまくまとまってくれる形をしていました。
立山には地獄極楽信仰があるので、ラスボスを攻略した後には極楽が…みたいなストーリーを考えてアトラクションを実装しても楽しそう。
そうじゃなくても、バーチャル空間で生産職を極めて、町を発展させていく一員になったり、ゲストユーザーのお土産を作ったり。

ちなみにバーチャル富山(県)の隠れたカラーは「鱒寿司」なので、地底に向かっていくと、サーモンピンクの地層が…という設定。(イラストレーターさんが考えてくれた)
この世界観を元にして、いくつかのブロックに分かれたワールドを設計・実装していくことが「バーチャル富山(県)製作計画」です。
なおプラットフォームはVketCloudを予定しています。

あくまで予定。バーチャル富山(県)のロードマップ

バーチャル富山ロードマップ

マイルストーンになるのはEXPO2025。現状先行製作・公開されているワールドがバーチャル井波。ここに加えて富山市・高岡市は県の東西のハブとなるエリアなので確実に整備しておきたい考えです。

またEXPO2025と関連するためにも、㈱HIKKYさんのパラリアルワールドプロジェクトに加えてもらいたいのですが、行政機関からのアプローチが必要になるので富山県庁の関係者さんと調整中です。

またこの先AVATECT©などのNFT(アバターの一意性担保)はアバター以外のオブジェクトにも適用されるようになると考えていますので、このあたりの仕様をプラットフォームと情報を共有する必要もありそうです。
それを踏まえたロードマップになっていますので、2027年が区切りとなっています。

先行公開ワールドは「バーチャル井波」

イメージを掴むのには「バーチャル井波」がわかりやすいです。
ワールドは完成していますので、探索してみてください。
バーチャル井波も含めてワールド活用を想定した開発をしていきます。

ワールド活用について

VketCloudは現在開発中プラットフォームです。
今後、ワールドの活用を考えていくなかでの想定を上げておきます。

  1. 2025年日本国際博覧会(略称「大阪・関西万博」) において、海外バーチャルSNSユーザーに向けた「TOYAMA JAPAN」の告知

  2. クリエイターに向けたワールドを活用した動画製作の場

  3. アニメーションの聖地再現(可能であれば)を通したバーチャル聖地巡礼とバーチャルグッズの販売、ファンイベントの開催など

  4. バーチャル大学のような学ぶ場として集まれる場所の提供

  5. 社会に出られない、なんらかの障害で移動が困難な人でも活躍できる場

  6. 地域の歴史を落とし込むことで、現実の文化財に対する価値の再構築(リブランディング)を通し、次世代へ文化財を残すきっかけの創出

バーチャルリアリティに町並みが必要か?

(一社)交通科学研究会令和元年度研究発表会「歴史的街路空間のVR化による地域愛着醸成の可能性」による研究発表資料中に以下のようなまとめがあります。

本研究では,VR街並み体験が該当地域に対する愛着を高めるコンテンツとして有効である可能性が見出された.しかしながら,CGで作られているが故に,街並みが綺麗にまとまってしまって現実感がないという意見があった.今後の課題の一つとして,3Dモデルの作成方法から見直して考えていく必要がある.VR街並み体験は本研究で対象とした地域愛着の増進のみならず,観光事業のコンテンツや,教育プログラムとしての活用も検討していきたい

(一社)交通科学研究会令和元年度研究発表会資料
「歴史的街路空間のVR化による地域愛着醸成の可能性/
松田游也(立命館大学大学院理工学研究科),
塩見康博(立命館大学理工学部環境都市工学科」,2019 」より

発表会用に短くまとめられていますが、VR内の町並みに関する地域愛醸成についての仮説検証方法、調査結果など興味深い内容が書かれています。
そして町並みがそこで暮らす人々のアイデンティティを醸成することは、さまざまな社会学研究で取り上げられ、その有効性はあらゆる方向から証明されています。
つまりバーチャル空間において単純な室内空間のみ形成するよりも、町並みを再現することでその地域に対して地域愛が醸成され、レジャー・観光・移住においても人々の行動決定・意思決定の段階で重要な要因を含むことになります。

バーチャル空間利用の需要供給分析

当面バーチャル空間を利用するユーザーは個人であり、法人・団体は少なくとも2025年以降の参入になると考えています。
2025年はいろいろなプロジェクトのマイルストーンとなっているため、様々なバーチャル空間利用について発表があり、個人ユーザーが増えていくキッカケとなる可能性が高いと思われます。
またバーチャル空間利用に関して期待する新たな団体・個人が発生することも考えられますが、期待に添える空間をいかに作り上げられるかがポイントとなりそうです。

バーチャル富山(県)をつくろうとしている人たち


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?