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バーチャル富山を作る理由

距離が関係ない世界だからこそ気軽に来られる環境を作ることができ、また気軽に来られる雰囲気を演出することで、地域愛が醸成されるのです。

綺麗な言葉を並べるとこんな感じですが、ぶっちゃけ地方で暮らしていくのに仕事がなきゃ暮らしていけません。
では都市圏並みの多様な仕事があるのかと…、北陸では若干偏っていると言わざる得ない状況です。
富山県の場合、第二次産業が全国平均より多いことがわかっています。

富山県 企業立地 ガイド「日本海側屈指の工業集積 」より引用

ちなみに石川県も似た感じです。

第2章 金沢市の地域特性より引用

こうした特性のおかげか工場勤務の求人は比較的多く目立つのですが、クリエイティブ関係の業種はぐっと少なくなります。
おかげでリモートワークを行う事業所も少なかった印象です。

事業所の首都圏脱出。

一方で東京都内から地方へ事業所を移す動きも増加しています。

電気料金などインフラコストが上昇する傾向にある昨今、首都圏だけでなく東京電力管内からの移転も考えられる昨今です。
こうして身軽に事業所を移すことができる業種は限られていますが、少なくとも第三次産業は動きやすいと考えられます。
そうした事業所に対して、地方に馴染みを持ってもらうきっかけを作っておく手段として、バーチャル空間は最も有効だと考えていますし、なにより新しいことに挑戦しなきゃ面白くないですし。(投機的視点ですが)

バーチャルに住む(棲む)

もう一つ考えられることが「バーチャルの住人」です。
すでにVRChatやClusterに集まるグループも出てきていますが、もう少しライトな感じで集まる仕組みができてくると思われます。
テキストベースのSNSに変わるアバターベースのSNSと考えればイメージしやすいかもしれません。
テキストベースのSNSとの大きな違いは待ち合わせ場所が必要なこと。
名古屋なら名古屋駅の金時計前みたいなスポットのことです。
こうしたスポットを先行オフィシャルとして作っておくことで、後発に同様のバーチャル空間はつくられにくくなると考えられます。

そして待ち合わせ場所からはグループでバーチャルショッピングエリアへ移動するという行動が習慣化することで、バーチャル空間にパーソナルスペースを持つことも当たり前になる可能性が大きく感じられます。
MyVketがその片鱗を実現し始めています。

またそうしたパーソナルスペースでECが可能になった暁には、バーチャル上での仕事が成立する業種も発生します。

こうしたパーソナルスペースと地域のパブリックスペースをつなぐことが必要と考え、バーチャル富山という形として現れてきました。

なお富山(県)になったのは、たまたま富山県内でバーチャル空間を作ることができる人と出会ったからです。
まだまだ空間設計から実装ができる人は稀。出会いはまさに時の運です。

友達とのショッピング体験

オンラインショッピングは一人で買う行動しかとれません。故に購入するものが決まっていればとても楽にショッピングが楽しめます。
一方バーチャル内では友達とショッピング体験ができます。
この体験が従来のECでは叶わなかったことで、いくらSNSでシェアしても、その場で盛り上がる雰囲気で購入する行動にはなかなか移れませんでした。
バーチャル空間では店員さんと話したり、友達と話したりしながら、リアルなショッピングとは違う視点での体験が期待されています。

バーチャル富山内では、富山のおみやげとコラボレーションしたいと思っています。(すでに軽く話が飛んでいる頃でしょうが…)

VRとARとデジタルツイン

リアルで注目されているのがARと呼ばれる技術です。
観光行政の方はこちらの技術に注目されがちなのですが、ARの欠点は現地に行かなければならないこと。
ところがZ世代は「時間」をとても大切にします。現地へ行って「なーんだ」ですめばまだマシで、「がっかり‥」になったときの憎悪と言うかマイナス感情は計り知れません。
「坊主憎けりゃ袈裟まで憎い」のごとく、地域名を聞いただけでもマイナスの感情に動くこともしばしば。
そうしたブランディングに関わるリスクをあらかじめ緩和できる緩衝材としてバーチャル空間は存在します。

ARに関しては成功例が紹介されますが、その裏側には数多くの失敗例が存在することも忘れてはいけません…。

ちなみにARのプログラミング、いろいろできるけどむつかしいんですよ。
対応端末をどうするとかもあるし。

決済システムの変化とバーチャル経済圏

AVATECT©という凸版印刷が実証実験(2022年)をしているアバターの一意性を、Web3によるトークン技術で担保するようなしくみが増えてきた場合、アバターに限らずデジタルデータのコピーが意味をなさなくなり、バーチャルの中に新しい価値観が生まれる可能性が見えています。

現時点でもバーチャルマーケットなどを通して3Dデータは流通し始めているため、この先デジタルデータ+リアル製品といった組み合わせのものが出てくることを考えると、ふるさと納税制度などと組み合わせた地方のバーチャル経済圏は成立する可能性が高いと思います。

3Dモデリング(データアセット)市場

バーチャル空間用データの販売市場ができあがりつつあります。

現状はUnityアセットストアBOOTHなどで入手可能ですが、バーチャル空間上でのECによる販売も遠い未来ではありません。
地域性の強いデジタルアセットを販売することでも、新しい市場が開くと思いませんか?

サイネージ市場

スポーンポイント(初期出現位置)や空間内の建物の壁など、風景に溶け込んだサイネージ市場ができあがると考えられます。

バーチャル富山では、スポーンポイント広告や町中のサイネージを考えています。こういうところで地元感が思いっきり出てくるので、非常に重要なポイントだと考えています。

バーチャル富山では、製薬会社・鱒寿司販売店などが地域性を盛り上げる要素となると考えています。

まずはベースがないと始まらない

いろいろな要素が考えられますが、まずは目に見える形がないと話が進みません。しかしバーチャル空間の製作には時間も手間もかかるので、協力者を集めながら少しずつ形にしていく計画を練っています。

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