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Gaku-yomu編集部
2023年4月10日 15:48
この詩は、『すてきな詩をどうぞ』(川崎洋/ちくま文庫)というアンソロジーに収められている。私はその古本を高校の先生から譲ってもらった。甘酸っぱい香りが漂ってきたのか、鮮やかな黄色が目に入ったのか。詩の語り手は部屋に入り、しばらくしてレモンの存在に気付く。レモンは語り手が気付く前からずっと部屋の中にあったのに。同様に、痛みがあってはじめて傷に気付く。気付くときにはすでに遅いのだ。そ