3.11インタビュー企画第2弾!

今回は気仙沼市在住の加藤広大さんにインタビューをさせていただきました!

加藤さんは気仙沼市への移住を希望される方の総合窓口として気仙沼市移住・定住支援センターMINATOでさまざまな形での支援や、「廃漁網から100年きるジャケット」を制作するamu株式会社の経営をされています。


Q1. 東日本大震災当時どこでなにをしていましたか?

当時は中学2年生で、神奈川県内の中学校に通っていました。5時間目か6時間目の国語の授業で漢字のテストをうけていたときです。

先生が机の下に隠れなさいと指示があるくらいには揺れていました。先生が教室にあるテレビをつけたら、東北の方が震源地というのを知ってなんかすごいことになっているっていうのを当時感じましたね。


Q2. これまでの気仙沼での活動で1番印象に残っていることはなんですか?

気仙沼って基幹産業が漁業であることは間違いないのですが、漁業に連なった中小企業がすごく多いんです。船に油を積む燃料屋さんや、流通させる魚を冷やす氷屋さん、魚を運ぶための箱を取り扱う箱屋さんとかです。

中小企業が多いということはつまり経営者の方も多いんですよ。私の会社で「廃魚網を回収していきたい」って言い出した時に、経営者の方々がすごく協力してくださいました。先輩経営者の方々からサポートしてもらいながら事業を進められているという感覚は気仙沼ならではですね。


Q3. 徐々に復興が進む気仙沼を見て感じたことは?

私が初めて気仙沼に来たのが2015年の8月、大学1年生の8月に行われたワークキャンプに参加した時でした。震災から4年ちょっと経ったくらいで、その時と比べると雰囲気も日々変わっているというのが気仙沼の面白いところだと思っています。

当時地元の移住者の方から聞いて響いたのが、「今年が地方創生元年なのではないか」という言葉です。つまり、復興ってマイナスだったものを0にもどすことを意味づけしたのであれば、0をどのように1、10、100にしていくかっていうところが地方創生だということです。

気仙沼に行く前、2015年の8月にはまだ瓦礫があると思っていたんですよ。でも実際行ってみたら生々しさみたいなものはあまり感じなくて、少なくとも自分が想像していた被災地ではありませんでした。

僕が来る前も絶対的に変わっていたはずだし、来たあとも日々変わっていると思います。

例えば入ってくる移住者のタイプも全然変わってきています。震災直後だと何ができるかわからなくても力になりたくて移住する方が多かった。最近はwell-beingを実現するために入ってくる方が多いです。「自分らしくあるために気仙沼に来る」というような全然違うモチベーションのカテゴリーです。
10年以上経てばいろんなことが変わっているんです。


Q4. 大学生ボランティアにできること、やってもらいたいことはありますか?

あなたたちにしかできないことを考えに来てほしい。それはボランティアマインドというよりは、自分軸からのスタートをしてほしいっていうのを気仙沼の人はみんな思っていると感じます。

何万人ものボランティアを受け入れてきた街だからこそ2周も3周もして、気仙沼という軸とあなたの人生軸だったり、団体としての軸だったりが、どう寄り添って何をしたいのかというところに気仙沼の人たちはみんな魂を感じて応援する、みたいなカルチャーがあります。

というのが大前提でありますが、まずは気仙沼に来てもらいたい。一緒にいろいろなところに行ったり、僕が知っている限りの知り合いに会ってもらって、ご飯食べながら色々な話をしたりしてみたらいいと思います。

「気仙沼となにかしたいんです」っていう思いがあれば、お祭り好きなのもあって「じゃあこういうのはどう?」、「俺こういうの持ってるよ」、「掛け算してこういうことやらない?」といった言葉が自然と出てきます。そういうものを体感しにきてもらいたいなっていう思いはありますね。


Q5. ズバリ気仙沼の魅力は?

共同体感ですかね。漁業が盛り上がれば、それに連なってる中小企業も盛り上がる。ある企業が頑張れば、ほかの企業にも伝播する。「足並みを揃えていく」というよりは「みんなで底上げしていこう」という感覚が強いです。

そういった難しい話を取り払っても、気仙沼に入港する漁師さんが美味しい魚をみんなに流通させる中で、魚とか獲れたものについて話す気仙沼の人たちっておもしろいなって思います。

カツオが水揚げされると「今年のカツオはおいしいね」とか、「早く戻りガツオ来て欲しいね」とか、一気に気仙沼がそういう雰囲気になるんです。それが食ベースの気仙沼の人の一種の共通言語なんですよね

それがすごくチーム感、ファミリー感があって、一個の共同体の感覚が気仙沼っぽいなって思います。


Q6気仙沼の将来像

気仙沼にあるものに付加価値つけて世の中に提案していくような事業家がもっと増えていくといいなと思っています。若者、なんなら学生が「こんなものやってみました」というのも全然いいと思っていて、そういった機運がもっと高まればいいな。

今までの11年のなかでも非営利組織が移住者から多く生まれたから、営利組織としての筆頭になっていきたいという思いがあります。気仙沼で事業起こす雰囲気を盛り上げていきたいです。まず自分の企業を世間に知ってもらいたいし、「気仙沼って面白いじゃん」、広くいえば「三陸って面白いね」って思わせたいです。

今回のインタビューは以上になります!
インタビューにご協力してくださった加藤広大さん、本当にありがとうございました!

漁業の街である気仙沼特有の、人と人との繋がりがいかに重要であるか強く心に感じました。
学生の我々が気仙沼とできることはなにかについて深く考える機会となりました。

次回となる第3弾は,
早稲田大学で教員をされている方へのインタビュー記事を公開します。
ぜひお楽しみに!
最後までお読みいただきありがとうございました!


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