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今夏、演劇の聖地へ行こう!「演劇と自然の体験ツアーin利賀村 」

こんにちは。どらま館制作部の関口です!
みなさまはもう夏休みの予定はお決まりですか?
今年の夏はなななんと、どらま館制作部企画として利賀村のSCOTサマーシーズン2024への観劇ツアーを行います!🔥


企画概要

日時:9/6(金)-9/9(月)
場所:富山県南砺市利賀村
募集人数:10名程度
対象:現在早稲田の演劇サークルで演劇を行う方、どらま館に関心を持つ早大生、利賀村の自然、環境、村づくりに関心のある早大生
交通手段:参加人数が確定した上での相談
主なツアー内容※:演劇祭の鑑賞体験、利賀村の自然体験
※後日、参加希望者に向けてツアーの詳細をお知らせします。

SCOTとは?

劇団SCOT(Suzuki Company of Toga)が富山県南砺市利賀村に拠点を移して、すでに40年を越えました。これまで利賀は、「演劇の聖地」として、世界の多くの演劇人に親しまれてきました。

SCOT倶楽部 オフィシャルウェブサイト

公式サイトにもある通り、利賀村はSCOTの登場により徐々に「演劇の聖地」として親しまれるようになりました。鈴木忠志が構成・演出し、花火を盛大に打ち上げる演劇『世界の果てからこんにちは I・II』や4年に一度利賀にて開催されるシアター・オリンピックスなどが有名です。また、利賀演劇人コンクール(2008〜2022年)では今でも演劇界の第一線で活躍する演出家を輩出しています。

では、SCOTは利賀村に拠点を移す前、1976年まではどこで活動していたでしょうか?
それはなんと、「早稲田」です!
現在早稲田小劇場どらま館がある場所に、当時学生だった彼らはアトリエを構えて活動していたのです。そして当時の劇団の名前は「早稲田小劇場」!利賀に拠点を移してからSCOT(Suzuki Company of Toga)に名称変更したのです。より詳しいどらま館の歴史は記事下部の「どらま館ってどんな場所?」をご覧ください。

今や国際的な舞台芸術が生まれる地として一定の地位を築いている利賀村。そんな利賀村で毎年夏に行われる演劇祭こそ、SCOTサマーシーズンです。鈴木忠志演出作品はもちろん、古典戯曲を若手演出家が再解釈した上演や現代舞台芸術の未来を考えるトークイベントなど、毎年盛りだくさんなプログラムです。今年はどのような上演が見られるのでしょうか!

SCOT、演劇祭の詳細は以下の画像をクリック!

参加費用の目安

宿泊費:3日間で1,500円(布団の貸出代)
村の方のご厚意により古民家を貸していただきます。
食費、交通費:自己負担
交通費参考
新幹線+レンタカー:約30,000円~約33,000円
夜行バス+レンタカー:約15,000円~約20,000円
レンタカー:約20,000円~約25,000円
交通についてより詳しく知りたい方はこちら

演劇祭プログラムの鑑賞はフリーカンパ制です!

利賀での公演は、すべての人に開かれています
利賀の公演には入場料金はありません。
好きな舞台を自由にご覧ください。
ご支援してくださる時と金額はあなたのご自由です。これから就職する方や家庭の事情で経済的にゆとりがない状態にある方は、いずれの日にか、余裕ができた時にあらためてご支援をいただくことでも結構です。私たちにとっては、来ていただくだけでも、大きな支援です。利賀まで来られない場合に、寄付していただくこと、それもとてもありがたい支援です。応援してくださる気持ちと形は人それぞれ、どれも私たちの活動には大きな励ましとなります。

SCOT倶楽部 オフィシャルウェブサイト

レポート作成に対する謝礼金について

本ツアーにご参加いただいた方の中で、ツアー終了後にどらま館と利賀村(SCOT)についてのレポートを提出いただいた方には謝礼(金額未定)をお支払いいたします。こちらの提出は任意です。詳細は希望者に追ってお伝えいたします。

レポート内容の例

  • 利賀村を訪れた感想、SCOTサマーシーズンを鑑賞した感想

  • 早稲田小劇場どらま館と利賀村の縁を今後どのように活かせるだろうか?

  • SCOTの演劇を鑑賞し、自身の演劇活動に活かせる点はあったか?

  • 利賀村と早稲田が今後も交流を続けるにはどんな方法があるだろうか?

  • 演劇と接点のない学生が早稲田小劇場どらま館を訪れるきっかけをどのように作れば良いだろうか?

参加申し込み

〆切: 7/26(金)
先着順(ただし、全日程参加できる方が優先)
定員になり次第締め切ります。
定員が10名と少数のためお早めに申し込みください!

企画の内容、予約に関するお問い合わせは
waseda.dramakan.group@gmail.com までお願いいたします。

もっと詳しく

企画者紹介

中山飛祐吾
文学部4年。環境ロドリゲス、天文同好会。趣味は博物館巡り。
関口真生
文化構想学部4年。早稲田小劇場どらま館制作部、劇団くるめるシアター。
最近のマイブームは「NewJeans」と「株主優待」。

利賀村とはどんな場所?(執筆:中山)

利賀村(富山県南砺市利賀村)は富山県の南西部に位置する、人口約450人の小さな村です。古くは源平の合戦の時代、倶利伽羅峠の戦いで敗れた平家方が落ち延びた地とも言われています。利賀の名前はかつての加賀藩とその藩主前田利家の名に由来し、鉄砲には欠かせない硝煙の生産で加賀藩を支えていました。時代は下って2004年、町村合併により"富山県南砺市利賀村"という現在の名前に変わりました。

新高岡駅、富山駅から車でさらに1時間走らせた山奥に位置する。

標高1000mを越える山々に周囲を囲まれ、村の面積の約97%は森林に覆われている自然豊かな利賀村。新緑に彩られた木々、清流と満点の星空、美しい紅葉、四季の移ろいとともにその表情を変えていきますが、なかでも冬場は3m以上の積雪を記録する過酷な環境です。ですが、この厳しい自然環境の中で利賀村の人々はたくましく生き抜き、多様な伝統文化を育んできました。そして実は、鈴木忠志さんもこの利賀村の自然と伝統に魅せられた者の一人なのです。

私がはじめてこの村を訪れたのは、今から4年前(引用者注:1976年)の2月初旬であった。もっとも積雪の多い時期で、その日も、日中は猛吹雪だった。
(中略)
村の家屋は昭和20年代までほとんど合掌造りだったらしい。それが生活の近代化とともに、屋根はトタン、窓はアルミサッシといったぐあいになり、外からみるかぎりは都会の住宅とちがいがないようになって、もはや昔のままの合掌家屋は村有のその5棟をのこすだけになっていた。

みわたすかぎり白い雪原のなかに、急勾配の黒ずんだ茅葺の屋根がわずかに首をだして、降りしきる雪のなかに見え隠れしている。なるほど合掌造りとはよく名づけたもので、自然の圧倒的な力に抗して、天に向って合掌していたのである。雪のなかを四つん這いになって泳ぐように進んでいき、2階の窓から室内に下り立ってみると、今度は外界の白さとは対照的な黒く煤けた柱の林立である。それも平地の家屋の柱とはまったくちがい、太く高く、自然のままの曲線が生かされている。荒っぽいが力強い。
必要最小限の構造材によって空間をがっちりとおさえこんでいる余分のなさは、実に男性的で、はじめて日本の家屋というものに感動したのである。

私はかねがね、劇場という概念のために奉仕するようにつくられた建造物ではなく、住空間をそのまま劇場にすることはできないかと考えていたから、ここを舞台とすることに躊躇するところはなかった。



鈴木忠志・SCOTオフィシャルサイト
夏の利賀村
雪の利賀村
11月中旬ですが既に積もっています

ここで私自身のお話を少しさせていただくと、利賀との関わりは約10年前に遡ります。私の住んでいる東京都武蔵野市が利賀村と姉妹都市であることから、小学五年生の時にセカンドスクール(≒林間学校)で利賀村に行き、地元の方のお宅で一週間過ごしました。そして昨年9月、このセカンドスクールに大学生スタッフとして参加し、10年ぶりに利賀村を訪れました。その際にお世話になった地元の方のもとに定期的に行っており、せっかくなら大学ぐるみで利賀村と連携できればと考えるに至りました。

東京から新幹線と車を乗り継いで6時間と、確かにアクセスは悪いかもしれません。村にはコンビニもありません。ですがそれ以上に、利賀村には豊かな自然があります。素晴らしい山の幸があります。何より、誰に対しても気さくで優しい村の人々との出会いが待っています。
この夏利賀村で、東京では到底味わうことのできない豊かな自然を、演劇を、人々との出会いを経験しに行きましょう!

どらま館とはどんな場所?(執筆:関口)

「日本が、父ちゃん、お亡くなりに」劇団SCOT-早稲田小劇場どらま館のルーツ<前編>

早稲田小劇場どらま館は、来年2025年で開館10年目の節目を迎えます。1966年に「早稲田小劇場」として開館後、民間運営だった「早稲田銅鑼魔館」、その後大学の管轄になった「早稲田芸術文化プラザどらま館」と名前を変えながらも常に早稲田大学の学生の演劇活動の傍にありました。持ち手が変わりながらもどらま館が現在もあの場所にあるのは、かつての学生たちがこの場所を守ろうと戦ってきた成果です。
その原点である利賀村に、今学生である私たちが行くことはどのような意味をもたらすのでしょうか?…私は、今回の利賀村ツアーに参加する人にはどらま館という場所の歴史や早稲田演劇という長い文化に思いを馳せてほしいと思うのです。演劇・パフォーマンス系サークルに所属する人にとっては既に身近な場所かもしれませんが、そうでない人はきっと訪れる機会が少ないはず。しかし、今と同じ場所に1966年から演劇のアトリエがあったと考えると面白くないですか?
「早稲田演劇」という壮大な文化の今後のあり方を、演劇をやる人もやらない人も一緒に考えられる良い機会なのではないかと思うのです。今や早稲田に限らずどの大学でも学生演劇が盛んになっている中、「早稲田演劇」というジャンルにはどのような付加価値が残っていくのか。演劇を行う学生にとってどらま館はどのような場所であり続けるべきなのか。一緒に考えてくださると嬉しいです。最後に2015年のどらま館リニューアル開館時に鈴木忠志さんから頂いたお言葉を載せておきます。

共存への希望を与えるような演劇活動を  鈴木 忠志

早稲田大学が演劇のための小劇場を新たに建設し、その劇場の名称の一部に、かつて私が同じ場所で活動していた頃の名前が使用されるという。光栄なことである。
大学を卒業してすぐに、仲間と資金を出し合い、喫茶店の2階に軽量鉄骨、モルタル造りの小さな稽古場兼劇場をつくった。もう50年も前のことである。そこで私は10年間ほど活動した後、活動拠点を利賀村(現在の富山県南砺市)に移した。それから40年も経つが、世界の様相は大きく変わり、それにつれて、日本の社会の在り方も変化した。それぞれの国を隔てている距離も、それぞれの国民性や民族性の違いも、人々が出会い共同して行う作業の障害にはならない時代が来つつある。
演劇という文化活動も、自らが所属する国の活動としてだけではなく、世界を視野におさめた活動として存在しないかぎり、その力が発揮できにくくなっていると思う。世界中では今、争いが多発している。人々に共存への希望を与えるような、そういう演劇活動が現在の日本から出現することが待たれている。
演劇活動に多大な貢献をしてきた早稲田大学の新しい計画が、時代の要請に真摯に応えようとする若者たちの励ましになることを願っている。

早稲田小劇場どらま館HPより

早稲田大学地域連携ガク部 -結の芽-について

早稲田大学地域連携ガク部 -結の芽-は、大学内(WASEDA共創館19-2号館)の交流スペースを拠点に、地方創生や地域活性化に興味のある学生が気軽に集えるようなイベントや交流会を定期的に実施しています。このツアーは、中山さんをはじめとした早稲田大学地域連携ガク部 -結の芽-の方々の主催、全面協力によって実現しました!(ありがとうございます!)利賀村の宿泊先との調整やツアーの詳細を共同で組んでいます。

プレ企画:SCOTプチ勉強会&利賀村ツアー顔合わせ会

利賀村ツアーをより楽しむために、SCOTの演劇のプチ勉強会を行います!
鈴木忠志の関連書籍の読み合わせや、鈴木忠志の代表作『世界の果てからこんにちは I・II』についてのお喋りなどを予定しております。プチ勉強会なので特に講師はお呼びせず、学生同士でゆるやかに行います。利賀村ツアーに行く前にSCOTや鈴木忠志のことを少しでも知りたい…という方はこの機会に是非ご参加ください!
また、SCOTプチ勉強会は利賀村ツアーに来られない方でも参加可能です!

日時:7/24(水)16:30-19:00
場所:早稲田小劇場どらま館2F
申し込み:こちらから
(既に利賀村ツアーに申し込まれた方も、念のためこちらのフォームに再度ご記入いただけると幸いです)

多くの方のご参加をお待ちしております!!!


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