マガジンのカバー画像

墓場珈琲店。

15
現代社会における『死』をテーマとした、フィクションの短編集です。抵抗のある方はご遠慮ください。
運営しているクリエイター

#閲覧注意

墓場珈琲店11。

墓場珈琲店11。

全身が、冷たい痛みに覆われていた。
腹痛のように『波』のある痛みではなく、常に一定の痛みだった。なおかつ普通の痛みではなく、明らかな恐怖を覚えさせる痛みである。

おそらく、この痛みを経験したことのある者はいないだろう。

そう思いながら、私は目を開いた。
私は、明るい部屋にいた。水色のカーテン、真っ白な照明、埃一つない床。純白の布団は温かく、指先には透明なチューブが繋がっていた。

ここは、病棟

もっとみる