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続けることに、気がつくこと

的場文男騎手が地方競馬通算7152勝目! 佐々木竹見元騎手を超えついに記録更新

12日の大井競馬第5R(ダ1200m・12頭)は、先手を取った的場文男騎手騎乗の1番人気シルヴェーヌ(牝3、大井・櫻木英喜厩舎)が、直線で後続を突き放し、最後は2着のヤマショウバトル(牡3、大井・堀千亜樹厩舎)に3.1/2馬身差をつけ圧勝。勝ちタイムは1:15.6(稍重)。同馬はこれが初出走だった。同騎手はこれにより地方競馬通算7152勝目となり、ついに“鉄人”佐々木竹見元騎手の記録が更新された。

さて、この記録が如何に偉大か? というお話である。
1973年(!)にデビューした的場騎手が、遂に7152もの勝利を積み重ね、日本で一番勝利を積み重ねた騎手となった。1年あたり約160勝のペース。騎乗数は年間約1,000というのを考えると、アベレージはまあまあ良い。一概に比較はできないが、昨年度における武豊の勝率は.136だった。

さらに「凄さ」を掘り下げてみよう。個人的に注目したい点が2つある。まず、61歳で騎手をやっていることが凄い。若ければ20代で、どんなトップジョッキーも40代後半に到達するとなると、引退という言葉が頭をよぎる。そういう職業だ。そんな中で、還暦を超えてもなお騎手であるという事実。その過程では落馬による負傷離脱(骨折どころか内臓破裂まで!)も沢山あったからこそ、重みがある。

もう一つ凄いところを挙げるのならば、勝利数が安定している/低迷しないということである。
年表を見てみると、実は年間リーディングを獲ったのは2回しかない。大先輩の佐々木竹見、同年代の石崎隆之、大井からJRAへと羽ばたいた内田博幸、戸崎圭太、そして昨今では御神本訓史や森泰斗……。数々のライバルが的場騎手に立ちはだかった。
誤解を恐れずに言えば、的場騎手は【上の中】【上の下】クラスの勝ち星に留まっている。が、それを30年続けているのだ。この継続力こそが、的場文男というアスリートの本質ではないだろうか。

記録達成により、改めて的場騎手の凄さにも光が当たった。でも、本来讃えるべきことは、記録達成という「点」ではなく、そこに至るまでの「線」である。そのプロセスに気がつけるよう、自分自身も心がけていきたい(つまり、レースの当たった、外れたに一喜一憂しないこと…)

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