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【ラグビーW杯】痛快! 19.09.28 日本対アイルランド

4年前とは違う感慨を抱いている。
あの南アフリカ戦はまさか! という「驚愕」と、勝てなかった過去を想った「涙」が、心を覆っていた。

でも、今日の試合は違う。大男2人が血相を変えて福岡を追いかける姿を見た瞬間、僕は思わず笑ってしまった。おいおい、こんなことがあるのかよ、と。
それくらい、この試合のジャパンの出来栄えは素晴らしかった。

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23日のアイルランド対スコットランドを観たとき、アイルランドの強さにはとにかく驚いた。そして、素人なりに「どうすれば良い試合になるのか?」を考えた。

単純に勝ち点を取るのであれば、撃ち合いをして4トライを奪うことが今の日本代表のイメージにも合う。ただ、アイルランドもそれは上等な話である。日本代表の方が傷口が広いことも大いに有りうる。
一方、しっかりと勝ちにいくのであれば、我慢の守備を繰り返し、失点を28点(※4トライ)以内に抑えるのが鉄則であろう。そのためには、スコットランドの心を折ったフォワード陣とがっぷり組み合わなければならない。気力・体力がどれだけ持つかの勝負になる。スクラムやラインアウトでもミスは許されない……。

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ガチガチの開幕戦と比べれば、日本代表は落ち着いた試合の入りをしていた。全員がよく走り、よく守る。前半18分のスクラムは日本のペナルティとなったが、大きな破綻では無かった。
とは言え、敵陣に入ればアイルランドはお手の物。スタンドオフ・カーティーの華麗なキックパスから2本のトライが産まれ、ビハインドの展開で進む。

潮目が変わったのは前半30分を過ぎてからだった。マフィの負傷により、リーチ マイケルが投入される。スタメンを外れた「日本代表主将」は燃えていた。「実力不足でスタメンを外れる」というのは、リーチにとっては久々だった。チームの勝利とレギュラー奪取を睨みながら、執拗に相手に絡み、好タックルを連発する。

前半35分、ここでビックプレーが誕生する。日本陣のアイルランドボールスクラム。なんと、崩れたのはアイルランドのスクラムだった! 最大の強みが封じ込まれ、アイルランドの選手たちは青ざめていた。9-12の日本が3点ビハインドで試合を折り返す。

前半の出来で自信をつけた日本代表は、後半もエリアをしっかり回復し、細かいパス回しで相手のディフェンスを交代させる。なかなかターンオーバーできないが故に、アイルランドのイライラも溜まる。
後半10分、日本は福岡堅樹を投入。本来はベンチ外だったが、トゥポウが直前で負傷しベンチ入り。これが怪我の功名と言うべきなのか……。
後半18分、スクラムをキープし、田中の球出しから中村やレメキがクラッシュを重ね、ゲインを繰り返す。センター付近から素早く、フラットなパスをつなぎ、最後は大外にいた福岡がトライ。メインスタンドよりの隅にトライを決めたあたりに、なぜか4年前のあの試合を思い出した。

だが、あの時と違うのは残り20分あること。アイルランドもなりふり構わず選手交代を行い、彼らにボールを預けていく。
しかし、後半28分のチャンスは姫野のターンオーバーでふいにし、同36分の攻撃も中村の好タックルから福岡にインターセプトを許し、万事休す。アイルランド自陣5メートルからのラストプレーはなんと、「勝ち点1を獲るため」に外へと蹴りだしてしまった。19-12でノーサイド。再び日本ラグビーは、世界を驚かせたのであった。

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「フォワードが疲れなければ」というのが事前の読みだった。だが、正直「上回る」とは想定していなかった。前半35分にスクラムで組み勝ったシーンが今日のハイライトだが、いたるところでアイルランドのプレーを上回れたことが、進化を感じさせる喜び、そして胸をすくような「痛快さ」がこみ上げてくる。

とは言え、予選リーグは折り返し。日本代表のゴールはココでは無いだろう。見えない景色を見る戦いは続くが、それに近づいていることに、僕の胸は高鳴っている

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