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「誰が悪い」という難しい問題 ~ラグビー・日本代表対オーストラリア代表の個人的雑感~

「予想より出来てるな」と「もっと出来るはずなんだけどな」という相反する思い。これはこのオーストラリア戦においても、継続されたままだった。

ラグビー日本代表、秋のテストマッチシリーズ第2戦。世界ランク3位のオーストラリアを横浜国際競技場で迎え撃つという、今年最大のビッグマッチである。4万3000人という観客数は、日本代表関連試合では最も多い数となった。

大観衆に良いところをみせたいが、前半は厳しい試合展開となる。ディフェンスはダブルタックルと素早い集散で粘っていたが、自陣22メートルラインを越えると一気に脆くなってしまった。ラインが高いが故に、裏を突かれると即ちピンチとなる。特に、相手CTBのケレヴィとクリンドラニの突破は止められなかった。オフロードパスへの対応も中途半端だった。
さらに試合を厳しくさせたのが、日本側のミスである。堀江のハイタックルで与えたペナルティ、田中のキック中途半端なボックスキック…。後述するが、この2つのミスから与えたトライは、今の日本代表の問題を内包している感がある。
前半は3ー35と、良いところなく折り返した。

後半に入り、ようやく日本代表のギアも上がり始める。特にモール、スクラムが安定し始めたのは大きかった。オーストラリアとはいえ、力負けせずトライを奪いきれたのは頼もしいの一言だ。また、初スタメンの姫野と、途中出場のファンデルヴァルトが及第点以上の活躍を見せたのも印象に残る。日本代表の2列目の後継者は、この1試合で明るい答えを得られたかもしれない。
とはいえ、28ー29とスコアは1点差だったが、日本の大味なミスは相次いだ。松田の判断ミスと、テアウパの落球がなければ、スコアはもう少し引き締まっていたのだから。
ロスタイムに姫野が強烈な突破から1トライ奪い、30ー63で試合終了。会場のボルテージは高まったが、やはりモヤモヤした感情は消えなかった。

6月のアイルランド戦で「日本代表はまだ生焼けである」と評したが、このオーストラリア戦でもその気持ちは変わらない。
しかし、僕は「生焼け」の対象を間違えていたかもしれない。上手くいかないのは、新しく代表に合流した面々ではなく、これまで代表を支えていた面々だったのではないか…ということである。
致命的な反則を犯す堀江、判断力の悪い田中、存在感が薄い立川…。サンウルヴスで、そして代表を支えるベテラン勢が、どうもピリッとしない。
その一方で、先に挙げたロック陣だけでなく、途中出場の流といった、キャップ数の少ない若手選手が躍動。この傾向が意味することは、キャリアの多い少ないではなく、ピッチ上で意図するラグビーを遂行できるか否かということではないだろうか?

ラグビー日本代表は残念ながら、秋も生焼けの状態なのかもしれない。ただ、思わぬかたちで地殻変動は進んでいくかもしれない。
トンガ戦、そしてフランス戦の注目はセンターライン、そしてバックスの再編が有るか、否かだと考える。JJジャパンはいかなる用兵に出るのか。決断の行方に、ますます注目していきたいところだ

どうもです。このサポートの力を僕の馬券術でウン倍にしてやるぜ(してやるとは言っていない)