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自由席の「自由」

スポーツ観戦で発生しがちなトラブルのひとつに、「座席」に関するものがある。
例えば、獲っていた座席を乗っ取られた、座席を詰めない、ここで見たいと思ったら座席にモノが置いてあって占領されていた(そして、試合が始まっても占領されていた座席に誰も来ない腹立たしさよ!)など。また、良席を奪うために待機するための列が長くなり、周辺住民とのトラブルも発生してしまうケースもある。

これを避けるために、最近は指定席に注力するスポーツチームも増えてきた。あるプロ野球球団は全席指定席にしたくらいだ。
指定席のデメリットというのは少ない。事前に席が抑えられている幸せ。試合開始数時間前から会場入りする必要なんてない。試合中も席が自分のものとなっているからこそ、ゆっくりお買い物ができる。こっそり他人に席を盗まれることなんてないんだから…。

ある日、ヒマな時間がぽっかり生じた僕は、六大学野球を観に神宮へ行った。穏やかな午後の外野自由席、お値段800円。バックネット裏や応援席はともかく、ここに集うのは僕と同じように、時間を持て余した人々ばかりである。
最初はヤクルトを応援するときと同じく、ライト側で見ていた。でも、この風景も飽きたなあ。そうだ、レフト側にも行ってみよう。
普段と違う視点でモノを見るのは楽しいものだ。なるほど、アウェー側の視点はこういう感じか。
再び飽きたので、今度は外野席の最上段まで行ってみた。ここからの眺めも良いなあ。野球は俯瞰でみると面白いスポーツだと思っているのだが、外野側からの俯瞰は新鮮だ…。

そこでハッと気がついた。
自由席における最大の魅力。それは「席を移動する自由」だと。
どこからでも、どの視点からでもスポーツを楽しめる。それは一つの場所に固まった指定席では難しい。でも自由席ならば、容易にできるのだ。

故に、自由席を奪い合おうとする人たちに対しては、こう呼びかけてみるのはどうだろうか。ひとつの席に固執していないで、もっとぶらぶらのんびりと、「移動の自由」を楽しみませんか? と

どうもです。このサポートの力を僕の馬券術でウン倍にしてやるぜ(してやるとは言っていない)