立ち止まる場所

最近、仕事帰りにカフェへ立ち寄るようにしている。カフェといっても、ドトールとかマックとか、その手のチェーン店である。することも別にたいそうなことじゃなくて、珈琲を飲みつつ、本を読んだり、手帳にスケジュールを記したり、こうやって文章を書いたりすることである。滞在時間は１時間弱くらいだろうか。

もう数年前の話になるが、資格勉強に勤しんでいた時期がある。その時も帰りに色々なコーヒー・チェーンに立ち寄っては、テキストを開き、参考書と淡々と向き合っていた。まあ、勉強以外にも、色々な寄り道をしたような気もするのだが……。

そんな時間を再び、自分の中に取り戻したいと思うようになった。別に資格勉強を再開するわけではない。ただ、どこかで立ち止まり、こうやって自分と向き合う時間を、心の底では求めていることに気がついたのだ。去年あたりから、あれもしよう！　これもしよう！　と心の中で思っていても、実行に移せないケースがいくつかあった。その理由は何かを考えたとき、僕は「立ち止まる」という言葉に辿り着いた。それをするための場所が、どこにでもあるコーヒー・チェーンなのである。

時間に流されるな！　と多くの人は言う。なので、まずは流されないために必要な場所を確保すべきだ。そんなことを思いながら、今日もこうやって帰り道にコーヒーを一杯飲むのである