この街の向こうのその向こう【9の話】行き詰まりのなかで
あたしは
傷だらけだった。心も身体も。
中学3年になる頃、初めて売りをした。
それは別にどうということもなく私は相変わらず何も感じなかった。
むしろ、丁寧にあたしの身体を扱って、その後にお金をくれるおじさんたち…おじさんと呼んでいいいのか迷うくらい若い男もたまにいたけど、は私を傷つけようとしているわけではなかったので、かえって息抜きな時間だった。
一回で5万くれる人もいて、割のいいバイトだと思えば何てことなかった。売りで稼いだお金は貯めていた。一日も早く家を出られるように。この街を出られるように。
その頃はもう学校には全く行ってなかった。
本を読むのはキラいじゃなかったし、ネットを開けばだいたいの情報も手に入る。
今は、学校に行かない子も増えているから、あたしひとりが学校へ行こうが行くまいが、どうでもいいことだった。
物は次々に溢れているし、毎日色んな情報がSNSを飛び交っているのに、どうして人はこんなにくだらないのだろう。
そんなことを思いながら、気がつくとリスカをしている日もあった。
そうでもしてなければ、毎日が息苦しくてどうかしてしまいそうだった。
※この物語はフィクションです。
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