Takehiro Nagata
アドラー心理学についての記事。学びや考えたこと等。
体癖についての記事をまとめています。
ホテル ホテルはモダンな外観と内装で、部屋はシンプルな作りだった。日本のように冷蔵庫や電気ポットはない。テレビは設置されていたが、一度も電源を入れることはなかった。バスタブはなくシャワー室のみ。トイレは便座が高い位置にあり、かかとが床につかなかった。とはいえホテルではほぼ寝るだけの日々だったので、快適だった。 滞在中、水にはやや苦労した。水道水は飲まないようにしたが、飛行機で支給される水をはじめ硬水が多く、また一般的にはガス入りが主流のようだった。自動販売機は店内・街中含
2024年7月3~7日まで、ドイツのケルンにて国際アドラー心理学会による『29th International Congress of Individual Psychology 2024』が開催された。 今回、カウンセリングのケースについて発表してきたので、備忘録として記録しておく。 学会発表までの準備 国際アドラー心理学会は3年毎に開催されていて、会場は毎回異なる。前回はコロナ禍のためハイブリッドでの実施(ウクライナの会場とオンライン)だったが、今回は対面のみだった。
心理士の資格を取得してすぐに、非常勤として精神科クリニックで勤務することになった。 精神科クリニックでの仕事 仕事はカウンセリングと心理検査を担当することで、1日のうちで心理検査の時間帯とカウンセリングの時間帯が決まっていた。カウンセリングは30分枠の予約制だった。 心理検査の選択は患者さんによって異なるが、そのクリニックは成人の方が多かったため、主にWAIS、ロールシャッハ・テスト、描画テストという組み合わせで、必要に応じていずれかを別の検査と入れ替えた。当時のご時世
とある公的機関で、ペアレント・トレーニングのプログラムを担当していた。ペアトレは最近それほど話題に上らなくなったような気がするが、当時は割と各地域で活発だったように思う。 その教育センターでは、来所した数組の親子が親と子に分かれ、別々の部屋で親はペアレント・トレーニング、子どもはSSTを並行して実施するというプログラムで(今はもう実施されていないかもしれない)、その前者を担当していた。 ペアレント・トレーニング ペアトレは10回程度の大筋が決まっている養育支援プログラム
2種体癖の診断は、特に首の長さとひょろっと細長いシルエットを主に判断の手がかりにしている。これまで出会った人を思い返すと、比較的背が高めの印象がある。 2種体癖は情報の正確さへのこだわりが極端に強い。知識としての情報についてもそうだし、例えば何年も前にケガをしたことについて「何日の何時にこういうことがあった」という詳細なデータをしっかり記憶していたりもする。そして、2種にとっては情報の正確性を担保するメモがとても重要になる。 以前とある職場で、2種の係長が課長と立ち話を始
一言に適応指導教室と言っても、その内容や環境はおそらく地域ごと、施設ごとに異なると思うが、私が携わったのは廃校の校舎を再利用したところだった。 そこは地域の学校にうまく通えなくなった子どもが、コミュニケーションや学習の支援を受けながら学校生活への復帰を目指す場所で、適応指導教室に来室することで出席にもカウントされる。 適応指導教室での仕事 勤務していたのは大学院生の頃から院修了後心理士資格を取るまでの間だった。資格を持たない私の主な担当は、先輩心理士の管理のもと、子ども
臨床心理士の仕事は常勤職がまだまだ少ない。心理士の資格を取ってからこの10年間ほどで複数の非常勤を掛け持ちしつつ、常勤として働いたのは2箇所程度だった。そして常勤として働きつつも複数の掛け持ちは継続していた(どちらも契約社員としての常勤だったので問題なかった)。 振り返ってみれば、これまで1年以上働いたものだけでも20箇所弱になる。半ば意図的に、経験を積むためになるべくたくさんの仕事をするようにしてきた結果だが、せっかくなので、備忘録もかねてそれらの仕事について書いておきた
公は「おおやけ」と読み、元々「大宅」すなわち”大きな家”を指す。 どうやら「大きな宮殿」とか、そういう支配階級の人々が住む場所が語源のようだ。 アドラー心理学の野田先生は、共同体感覚のことを「おおやけ心」と訳していたことがあった。 パブリック、公共というと「みんなのもの」という感じがあり、逆説的に「私のもの」と明確に区別しているように思える。 しかし日本人の感性としては、「おおやけ」=「大宅」すなわち「私たち」という仲間意識の方に重点があるのではないかと感じる。だからこ
心理士を目指す前はウェブデザインの仕事をしていました(今でも少しだけしています)。心理士になった今もその経験は随所に役立っており、やってて本当に良かったと思っています。 元々PC9801というWindowsが登場する前のパソコン(記録メディアがフロッピーディスク)が家にあって、『倉庫番』のような簡単なゲームで遊んだことがコンピュータに触れるきっかけでした。 Windows95が出て、ISDNの回線が整備され、インターネットと共にホームページが普及し始めたのが高校生くらいで
先日、中島弘徳先生による事例検討会についての研修会が開催され、その内容が非常に面白かった。実は日本各地でアドレリアンによる事例検討会が複数開催されていますが、ほとんどが口コミで知るしかなく、表には出てきません。 というより、他の学派やグループでも事例検討会は開催されていますが、基本的には紹介や関係者間のつながりをきっかけに参加する場合がほとんどなので、アドラー心理学特有のものではありません。 一方で、アドラー心理学の事例検討会に参加するようになってから他との違いも色々と感
アドラー心理学では『レポートではなくエピソードを扱う』ことで、具体的に問題を取り上げて検討します。今のところの私の理解している範囲で書いてみたいと思います。 私自身、カウンセリングの中でこのエピソードとレポートを分けるという意識を持ってから随分、起きている事実を整理したり、ネガティブな感情が生まれた前後の様子をより細かく見ていったりしやすくなったと感じます。 ◎ エピソード ある日、ある時、ある場所で起きた1回限りのこと。 例) 昨日の夕方、長男に「勉強しなさい」と行った
4種体癖は、10種の体癖の中でも最も分かりにくく、つかみどころがない(ように感じる)。感情表現が希薄であるため、「本当はどう感じているか」が分かりにくい。というより「本当に感じていること」がない。その人がどうしたいかが見えない分、対人関係がやや深まりにくいように思う。 以前一緒に仕事をしていた4種の方は、笑顔が素敵で周囲の信頼も厚く、とても頼りがいのある人だった。ルールを遵守し、危ない橋は渡らず、周囲に気を配りながら仕事をこなす、スタッフのお手本のようだったが、「普段何を考
クリエイター名を「ねこぐす」から本名であるTakehiro Nagataに変更しました。 Twitter(@undercoverofd)は本名にしていますが、これは何年も前に(辺境ラジオだったかな?)師匠が「Twitterは匿名で書くと内容に責任が持てなくなるので本名でするべき」といった話をしていて、そうしました(本名でないアカウントも作っていますが)。 このnoteについては、もしかしたら自分のクライエントさんが読むことになるかもしれないので、影響が少ないようにペンネー
7種体癖は泌尿器系のねじれ体癖で、『勝ち負け』が快の感覚と強く結びつくため、大なり小なり「戦い」を常に求める傾向がある。 これまで7種の人と接する際に感じてきたのは、対決の覚悟を迫られるようなものだったように思う。例えば、7種体癖の偉い先生に意見を述べたら「なんでそう思うの?」、「それはこうじゃないの?」等となぜかケンカ腰になってしまったことがある。一見「自分に敵意が向けられているのではないか?」、「自分のことが嫌いなのかな?」と思ってしまうくらい、力のこもった言葉を浴びせ
先日、アドラー心理学の研修会に参加して、改めてアドラー心理学から見たアセスメントや事例の考え方について学んだ。 その内容についてもまとめていけたらと思っているが、懇親会で聴いた「カウンセリング中に3回は笑いを取らなければ不合格」という野田俊作先生の言葉について少し忘れないように書いておきたい。 この言葉についてはおそらくは本気半分・冗談半分なのだろうけれど、アドラー心理学の持つ大切な特徴はここに現れているようにも思う。 カウンセリングは深刻になると決まって失敗する。それ
かなり前になるが、名越康文先生の相愛大学公開講座にて、体癖を見る際の注目する点について話が出た際のメモが出てきたので備忘録的に書いておく。 体癖を見る際に注意を向ける部分は人によって濃淡が異なるとは思うが、自分は大体次のような順番になっている気がする。 骨格(シルエット) 頭部の形、パーツ 首の太さ・長さ 肌 背中の丸み 声の質、話すスピード、内容 一連の行動の様子 このあたりで概ね2,3くらいに絞って、1種なら1種の特徴と照合して、根拠を探していく。同時に