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<国際アドラー心理学会2024>参加記(1)

2024年7月3~7日まで、ドイツのケルンにて国際アドラー心理学会による『29th International Congress of Individual Psychology 2024』が開催された。
今回、カウンセリングのケースについて発表してきたので、備忘録として記録しておく。

学会発表までの準備

国際アドラー心理学会は3年毎に開催されていて、会場は毎回異なる。前回はコロナ禍のためハイブリッドでの実施(ウクライナの会場とオンライン)だったが、今回は対面のみだった。
発表のための概要を記したアブストラクトを学会に提出したのが2023年10月で、その後内容が委員会で検討され、Acceptの連絡を受けたのが12月。これらを合わせると、発表までほぼ1年がかりで準備したことになる。
とはいえ、発表内容や落とし所をどうしようかと悩むことも多く、足踏みしていた時間も少なからずあった。特に英語の資料作りは苦労したが、この間、友人や先生に支えていただいたのはありがたかった。また、ChatGPTや翻訳ツールのありがたさを存分に感じた。

引用・参考文献については、北米アドラー心理学会に入会していたので、最近の『The Journal of Individual Psychology』をオンラインで読めたことは大きかった。

発表が了承された際、パラレルセッション(3人で90分のプログラム)の一人として25分の時間が与えられることが判明したので、これに合わせてスライドと台本を作り込んでいった。結局台本は出発直前までかかってしまい(学会中も修正していた)、行きの飛行機の中で音読の練習をした。

出発

日本アドラー心理学会からは、5名の発表者が出席した。そのうちのヨーロッパ在住経験のある方に宿をグループで予約していただき、航空券のみ自分で取得した(航空券を取る際に姓名を誤って取得してしまい、てんやわんやとなったが、なんとか事なきを得た。ANAのスタッフさんには感謝しかない)。宿を1週間連泊で、しかも学会会場の目の前に取っていただいたので本当にありがたかった。

羽田空港。早速遅延が発生。

伊丹空港から羽田、ミュンヘン、ケルンへと飛ぶ、合計19時間ほどの行程となっていた。日本人グループとは羽田で集合し、そこからミュンヘンへと飛んだが、それからがトラブルに見舞われて大変な思いをした。

まず、行程表を見ると、ミュンヘンに到着してからケルン出発の便までが50分しかなかった。これを目にした時は「そういうものか」とそれほど不思議にも思わなかったが、いざミュンヘンに到着してみると保安検査場が長蛇の列で、並んで待っている時点で飛行機の出発予定時刻を過ぎてしまった。電光掲示板には出発時刻の「遅延」の赤い文字が出ていたので、「さすがにこれは待ってくれるだろう。他にも同じケルン行きの飛行機に乗るはずの人がいるようだし」と高をくくっていた。

保安検査場を通過し、ターミナルを移動する電車に乗り、到着してからさらに出発口まで走ったが(かなり距離があった。周囲には同じように走る人が何人かいた)、もう既に飛行機は出発した後だった。日本人グループのうち、1組だけがその飛行機に乗ることができたが、残りのメンバーは乗り遅れてしまった。

ルフトハンザ空港のスタッフに「飛行機が行ってしまったんだけど…」と尋ねると、「サービスセンターに行ってください」と言われ、そちらへ向かった。サービスセンターでは、これまた乗り遅れたであろう乗客が長い列を作っていた。

変更後の便。スマホのアプリに通知が届く。

自分たちの番を待ち(1時間近くかかった)、カウンターで事情を話すと、航空会社の責任ということですぐに次の便を取ってくれたものの、出発時刻が現地時間の夜23時頃になっていた。サービスで10ユーロちょっとのお買い物券(不要になった航空券に手書きで書いてもらう)をいただき、パニーニを食べながら出発を待った(ドイツのパンは美味い)。

夜9時のミュンヘン空港。まだ明るい。

到着

ケルン行きの便には、日付が変わろうかという時刻にもかかわらずたくさんの人が乗り込んでいた。「添乗員さんも大変だな」と思いつつ、1時間弱の短いフライトで真っ暗なケルン空港に着陸した。行程表の予定到着時刻は19時頃だったが、実際は24時になってしまった。「この時間にタクシーなんかあるのか」と不安になりながら移動すると、待ってましたと言わんばかりの大量のタクシーが待機していたため、すぐに乗り込むことができた。

結局、ホテルに到着したのは夜中の1時となったが、フロントのスタッフは笑顔で迎え入れてくれた。

ところで、飛行機を降りるなり日本と同じように何の手続きもせずスマホの電波がつながり、いつも通り使えるのは本当にありがたかった。ahamoすごい。

(参加記2に続く)


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