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世界の警察を辞めたトランプ大統領

■ベネズエラに軍事介入しない
 アメリカは強国として世界の警察を自称した。そして世界各地に軍隊を派遣し介入した。表向きは世界の平和。中身はアメリカのための平和だった。アメリカに都合が良ければ黙認し、都合が悪ければ介入する。これが世界の警察。

 トランプ大統領になると世界の警察を辞めた。アメリカ第一主義を掲げるトランプ大統領は、世界各地の地域紛争に介入することを止めている。

■世界の警察は覇権獲得
 世界の警察として軍事介入することは覇権拡大と維持が目的。国益優先の覇権拡大と維持を隠す目的で世界の警察を行ってきた。トランプ大統領は、これが不経済だと認識。本音と建前が国際社会なのだが、トランプ大統領は本音しか使わない。

 建前は理想で本音は国益優先。世界の警察は世界平和を理想とした。本音はアメリカのための国益優先で、軍隊覇権はアメリカのための平和を押し付けることが目的。これもアメリカ第一主義なのだが、トランプ大統領の考え方とは異なる。

■統治方式
 トランプ大統領はアメリカの同盟国がいるのだから、現地の同盟国に任せる間接統治が経済的だと考えている。

直接統治:世界の警察
間接統治:現地の同盟国に任せる

 直接統治する世界の警察は、アメリカが使う戦略的基地獲得が目的。戦時に基地を建設することは困難。何故なら基地建設と基地ネットワークの構築に時間が必要だから。だから平時に基地と基地ネットワークを構築する。世界の警察は基地ネットワークの構築が目的だった。

 トランプ大統領は基地の維持費と基地ネットワークの維持費を無駄だと考えた。国防はコストで考えないのが基本だが、トランプ大統領はコスト優先。だから直接統治から間接統治に切り替えた。

■ベネズエラ
  アメリカが世界の警察をしているならベネズエラに軍事介入する。だがトランプ大統領は軍事介入しないので、世界の警察を辞めたのは明らか。今ベネズエラに軍事介入すれば、北朝鮮と中国への威嚇になる。さらに南アメリカでの覇権を拡大できるので、反米国への威嚇になる。

 軍隊を置くことは覇権を置くことと同じ。政治では干渉戦略しか使えないが、軍隊を置くと関与戦略が使える。これは外交の基本。

■干渉と関与
 干渉は言葉による指導しかできない。だが関与は軍隊を派遣するから、相手国を占領することが可能。電話で相手を脅しても、言葉だけなら脅しは効果が無い。だが直接相手の所へ行き、相手を殴りながら脅迫すれば効果が出る。

 無視すると「次も殴り込んでくる」と思わせる。だから干渉と関与戦略が使える。軍隊派遣と基地を置くことは、相手国にこの様な効果を与える。

■関与が使えない
 干渉戦略だけで覇権を置くことは可能。これには現地の同盟国が信用できて、しかも軍事力を使うことが条件となる。この条件が成立する地域では成立するが、成立しなければ覇権を置けない。

 だから地域によっては、アメリカが直接軍事介入しなければならないのが現実。だがトランプ大統領は、大半の地域で現地任せにしている。これは危険なことで、中国の南シナ海とインド洋の覇権が拡大する原因でもある。

■日本の立場
 トランプ大統領は日本にアジアのバランサーを任せているのは事実。だが今の日本の自衛隊総兵力では不可能。戦力だけではなく装備も不足。ならば「日本はアメリカから武器を買え」になる。

 トランプ大統領としては日本にバランサーを任せ、しかもアメリカ製兵器を売れて一石二鳥と考えている。アメリカの軍事費負担も軽減できるし、しかもアメリカに金が入る。これはトランプ大統領の任期中は続くだろう。

 だが日本が直ぐにアジアのバランサーになれるわけではない。自衛隊総兵力が今の23万人から50万人規模になるまで実行できない。これが日本の現実。

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