北朝鮮の終わりの始まり

■第二回米朝首脳会談
 第二回米朝首脳会談は合意に至らず。だがこれは北朝鮮の終わりの始まりを意味する。北朝鮮としては非核化を武器に時間稼ぎに成功。戦術的には北朝鮮外交の勝利だが戦略的には敗北。何故ならトランプ大統領の軍事的圧力を高める方向にした。

■制限戦争
 トランプ大統領はキッシンジャーが主張する制限戦争を採用している。だから敵軍撃破ではなく軍事的圧力を段階的に下げている。

制限戦争論:キッシンジャー(アメリカ)
「交渉と戦闘は段階的に推進すべき。戦略の目的は敵政治意志の譲歩であって敵軍の撃破ではない」

制限戦争は軍事的圧力で相手国の政治的譲歩を求める策。これまでの米朝関係を見ると段階的軍事的圧力が下げられている。これは北朝鮮が政治的に譲歩したので、アメリカも圧力を下げている。

■制限戦争と流れ
 これまでの米朝関係は北朝鮮の政治的譲歩に左右されている。アメリカの軍事的圧力で北朝鮮が譲歩すれば、アメリカの軍事的圧力は1段階下げた。これを何度も繰り返している。

 その結果沈静化して第二回米朝首脳会談を行ったが合意には至らず。つまり北朝鮮としては、これ以上譲歩できないことを意味する。そうなればトランプ大統領は経済制裁や軍事的圧力を1段階上げることになる。

 北朝鮮が譲歩すれば経済制裁・軍事的圧力は1段階下げるが、北朝鮮が譲歩しなければ1段階上げるだけ。つまり北朝鮮が譲歩しなければ、アメリカの軍事的圧力は段階的に上がる。軍事的圧力の限界は、おそらくトランプ大統領の任期が切れる時期だろう。

■北朝鮮と臨時政府
 金正男の子息を救出した組織が臨時政府を発足させた。これは北朝鮮にとっては迷惑な話。何故ならアメリカは臨時政府を交渉相手とすることが可能。さらに水面下で臨時政府を支援することも可能。

 戦争は軍隊同士が直接交戦するだけではなく、水面下で間接的に行われるものもある。日米共同で臨時政府を支援することも可能。これは間接的な戦争になる。だから国際社会では黙認される。

 日米が北朝鮮ではなく臨時政府と交渉すれば、今の北朝鮮政権への圧力になる。つまり日米と交渉に応じなければ、北朝鮮政権は抹殺されることを意味する。だからトランプ大統領には北朝鮮用の圧力の選択肢が増えたのだ。

■日本は臨時政府を支援すべき
 日本はアメリカと共同して臨時政府を支援すべき。表に出すか水面下の支援にするかはアメリカと協議することになる。最初は水面下の支援にし、状況の変化に合わせて表に出す支援にすることも可能。

 段階的に行うなら最初は水面下の支援にする方が有利。何故なら選択肢が増えるからだ。外交的にも選択肢が増える方が有利だ。それにトランプ大統領が採用する制限戦争に適合する。

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