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ウルトラマン知らないのにシンウルトラマンに熱狂した話(ネタバレ有)

デデーン!
\『シン・ゴジラ』/
え!?
バリーン💥
\『シンウルトラマン』/
よかった~ びっくりした~

舞台は禍威獣と呼ばれる巨大モンスターが定期的に襲ってくるようになった令和の日本、令和の世界。
高度な科学技術を持つ外星人を巡って国際的に巻き起こる駆け引きや情報戦、それをよそ目に虎視眈々と暗躍する外星人の思惑、ウルトラマンと禍特隊の友情を圧倒的な映像美で描いたSFヒーロー映画。

シン・ゴジラフェイントを仕掛けてきたあと物語冒頭でいきなり巨大不明生物ゴジラが登場。よく見たらゴメス?から続くマンモスフラワー、ペギラ、ラルゲユウスetc…
ウルトラシリーズを知らないので鑑賞後にググッて知ったんですが彼らはウルトラQに出てきた怪獣達らしいですね。

今作はまさに『ウルトラQ』や『ウルトラマン』の世界観を現代版にアップデートした感じの雰囲気。
禍威獣の対策に駆り出されるのは警察や自衛隊ではなく禍特隊なる政府の特別対策班。
物語開始時点で個性豊かな禍威獣がぞろぞろ出てくるけど禍特隊の面々もみんな禍威獣に負けず劣らぬ個性豊かな面々でしたね。
西島秀俊さんと斎藤工さんは存在感がハンパではないし、長澤まさみさんもアクセントになってて見せ場もしっかりあって面白かった。田中哲司さんも現場には出ないものの並々ならぬオーラをまとい漂わせていてかっこいい。

(一部で巻き起こっている長澤まさみさんの尻叩き描写に関しては、あれは脚本の庵野秀明氏自身が同時期にあれこれ様々なシン作品企画を抱えていてまさに尻を叩かれているような状況だったのが思わず無意識に反映されてしまったのではないかと考察してます。勝手な想像ではありますが…。) 
(シン・ゴジラのメイキング映像で庵野氏自らカメラを回した映像が男性役者陣の尻を追いかけていたので性癖の可能性も捨てきれないです。)

話を戻します。
禍特隊の科学担当の有岡大貴さんと早見あかりさんは正直若干の棒読み感というかぎこちなさが残っているのだけどキャラ設定が「オタク気質のエリート」である為か、逆にあー、居る居る!と自然体を感じる演技になっていて、気持ちが引き離されることはなくしっかりと最後まで作品に没入することが出来ました。
例えが合ってるかどうかわからないんですが一瞬だけジブリの風立ちぬの主人公(CV庵野秀明)がよぎっちゃいましたね。一周回ってハマり役。替えの効かない人材でもあります。

CGでありながら着ぐるみのシワまでばっちり盛り込まれた禍威獣とウルトラマンのバトルシーンは迫力満点。
暴れるネロンガごと山を吹き飛ばすスペシウム光線の破壊力、おっそろしい。
立て続けに現れたガボラはあれはなんですか。ミミズみたいなシッポとドリル状の頭。得体の知れない造形の生物が暴れているのをただ眺めていたら、ドリルがパカッと開いて中から顔が!!

エーッ!


ひっくり返りそうになった。
あの瞬間を二字熟語で表すとしたらまさに「衝撃」
更に口を開けてビームを発射しているではないか。
なんて素晴らしい、素晴らしいモンスターなのか。
恐らくこの時点で本作に心をギュッと掴まれていたと思います。

禍威獣バトルが終わったら今度は高度な知性と擬態能力を持つ外星人ザラブがやってきて抜け目のない駆け引きで人類を翻弄しジワジワ追い詰めていく。
YouTubeに盗撮動画いっぱい載せたりGoogle画像検索の結果一覧の画像を一瞬で消したりどういう仕掛けなんでしょうかね。Google社内に知り合いでも作っておいたのでしょうか。
ウルトラマン(偽者)が街を蹴り飛ばして破壊してる光景はなかなかショッキングなものがある。
暴れる偽ウルトラマンに対して神永がベータカプセルをかざすと地面から巨大な手が生えて神永を握り潰し、そのままグングン空に昇ってウルトラマンに。最高に熱い演出ですよね。
最初の山奥バトルから打って変わって市街地で繰り広げられる空中戦もこれまたスタイリッシュながら大迫力で、ウルトラマンと素でも普通に強いザラブの一進一退の攻防。
激闘の末なんとかザラブを撃退したかと思えば、続いて現れたのはザラブより更に賢く一筋縄ではいかない山本メフィラス耕史。
日本政府にこの上ないエサをチラつかせることで人類支配に後一歩までこぎつけていて思わずハラハラさせられたし、間一髪で禍特隊によって野望を阻止された後のバトルもまるで達人同士の武道の試合かのような緊迫感があって目を離せなかった。
お互い一歩も譲らず戦っているところに突然後ろにもう一人の色違いのウルトラマンが現れてメフィラスがなぜか退場。
この色違いのウルトラマンはゾーフィーと言うらしい。
てっきり味方かと思ってたら人類を殲滅しにきたらしい。ヤバすぎる。
なんか次から次へと恐ろしい敵が登場してきてびっくりしちゃいました。ウルトラマンが無意識に呼び寄せちゃってるんですかね。

ゾーフィーによって連れてこられていよいよラスボスとして登場したゼットン、あれは凄い。凄まじい。
手のひらサイズの球体が宇宙空間で膨らみ何が何だかよくわからないまま展開していき、紐にどんどん円盤がはめ込まれていくと気付けばゼットン。
ロボットアニメぽくてかっこよかったし熱かった。
でもまさかのウルトラマン敗北で人類に流れる諦めお通夜ムード。
このまま地球が滅亡してしまうのか?人類は何もできないまま死んでいくのか?と思ったら、
なんと禍特隊だけが諦めず奔走し続け、なんと人類の力でゼットン打倒への道を切り拓く。なんと熱い展開。
地球を守ってくれていたウルトラマンが倒れたなら、今度は自分達がウルトラマンを頑張って支え、立ち上がらせ、宇宙に再び送り出す。
ウルトラマンと人類、共に1+1で地球を守っていくのだと。そしてその可能性は2だけではなく20にも200にもなりうるのだと。
本当に熱い作品。マグマくらい熱い。
最後は「おかえりなさい!」でエンドロールに入り、米津玄師さんの主題歌『M八七』が流れて映画が刻一刻と終わりを迎えていく。
歌詞もこれまた良い歌詞なんですがJASRACさんに許可を貰わないといけないので書けません。残念。
ぜひ歌詞サイトで検索を掛けるかパンフレットの36ページを開いてみてください。

パンフレット内のインタビューで監督の樋口氏が「間口を広げたい」「ウルトラマンを知らない人達にも自分達が初代ウルトラマンを観たときの衝撃と感動を伝えたい」と言っていたのがとても印象的で、
自分は少年期は主にスーパー戦隊や後期メタルヒーローで育っていて、初代ウルトラマンどころかウルトラマンシリーズとの思い出が全然と言っていいほど存在しないんですよね。
なのに、この作品の鑑賞後よくわからない頭痛に襲われてしまいました。2時間くらいの重厚な洋画を劇場で立て続けに2~3本観たときと同じような感じの頭痛に。
鑑賞中と鑑賞直後には正直なところポカーンとした感覚でそのまま真っ直ぐ家に帰宅していて、
家に帰ったあとツイッター等で有識者(初代マニアの方々)(現行ウルトラシリーズも追われている方々)の熱意たっぷりのレビューを黙々と読み漁っているうちに、徐々に言語化しきれない感情が沸々と胸の奥底から沸き上がってきたのだろうと思います。
ありきたりな言葉を無理やり当てはめるとしたら、恐らく、魂が震えているような。
きっと未知の銀色の宇宙人が画面から飛び出して、自分の胸の中に入り込んで波紋を起こしたのだろう。波紋が心臓からどんどん全身に拡がっていきそして脳に到達したのだろうと。

その後、録り溜まった深夜アニメを観ていても頭に入ってこないしシンゴジラのBlu-rayを引っ張り出しておさらいしてみても、どこかあのウルトラマンの姿が脳裏にチラつく。上の空とはよく言ったもので。
昔、初代ウルトラマンに初めて触れた人達もきっとこんな感覚だったんだろうなぁ…。
スタッフもキャストもみんなウルトラマンが大好きで、ウルトラマンに育てられて、そして令和の世に新たなウルトラマンを生み出した。
原点にウルトラマンを持つ人達が初代をリメイクし、再び誰かの原点となるような作品を作る。
『シンウルトラマン』は徹頭徹尾「夢」と「浪漫」と「愛」に包み込まれた暖かい作品ですね。

初代の衝撃を現代に届けたい作り手の皆さんの情熱、ここにもしっかりと届きましたよ!
時間ができ次第2回目を観に行こうと思います。
ソフトも早く出ないかなぁ〜。
余韻がなかなか鎮まらないので今とりあえずウルトラマンZ観てるんですが本作の登場怪獣が出てきて楽しいです。
ありがとうございました。

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