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月刊「読んでみましたアジア本」

日本で出版されたアジア関連書籍の感想。時には映画などの書籍以外の表現方法を取り上げます。わたし自身の中華圏での経験も折り込んでご紹介。2018年までメルマガ「ぶんぶくちゃいな」(…
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2022年7月の記事一覧

【読んでみましたアジア本】巨匠が語る観察眼、表現するということ/侯孝賢(著)・卓伯棠(編)・秋山珠子(訳)『侯孝賢の映画講義』(みすず書房)

ここ数日、「生命力」について考えている。「生命」ではなく「生命力」。

きっかけはたぶん、7月1日の香港主権返還25周年だった。わずか数ヵ月前にわたしが現地で実際に見聞きし、帰ってきてからも伝わってくる現地の生々しい感情や人々の思い、そういったものがばっさりと抜け落ちた日本メディアの返還25周年報道の数々。もちろん、その記事はそれを伝えているつもりだろうが、どちらかというと、記者たちが現地入りする

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