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月刊「ぶんぶくちゃいなノオト」

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中華圏の現地でどのような注目の話題があるのか。必ずしも日本とは関係のない、また日本では話題にならな… もっと詳しく
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#香港政府

240425 【ダイヤモンド・オンライン】寄稿:「香港に5億ドル投じる…」謎だらけの「ドバイ王子」、AI顔認証で100%マッチした“驚きの人物”とは?

メルマガや「ぶんぶく」ではすでにご紹介した「ドバイ王子」に関する話を、掲載文字数の関係もありちょっぴりかいつまんで書きました。でもこの話題、本当は書きたいこと、もっともっとびっくりさせられる話がたくさんあって、もったいなさすぎです。

まぁ、とにかく読んでみてください。香港人もびっくりの「ドバイ王子」話です。これで5月に延期された王子のオフィスオープニングがもし、何事もなかったように開催されれば、

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【ぶんぶくちゃいな】「歌う王族」香港政府を魅了する中東王子

3月末から4月初めの週にかけて、香港と中国はそれぞれ、前者がイースター連休(3月29日から4月1日)、後者は清明節連休(4月4日から6日)と連休続き。メディアもそれに合わせて休日配信体制に入ってしまい、ニュースチェックの感覚がちょっと狂ってしまった。

おかげで大変なニュースをうっかり見落としてしまっていた。

そのニュースとは、イースター休み明けの4月2日、香港株式取引所では3月末までに2023

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【ぶんぶくちゃいな】「不夜城香港を取り戻せ」 政府が仕掛ける次なる手とは

東アジアはまさに台風シーズンに入った。日本でもこのところ毎日のように台風情報が流れているが、同様に日本列島より南に位置する台湾域(「域」という意味では沖縄、とくに石垣あたりも含まれる)、中国東部海岸線及び香港・マカオでも続けざまに台風の影響を受けている。

今週は先月末に発生した台風11号「海葵」(「ハイクイ」と読む)が、沖縄の先島諸島沖を通過し、そのまま台湾南部に上陸して同島を横切り、東シナ海を

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【ぶんぶくちゃいな】原発処理水廃棄の反応に見る理性と本音とイデオロギー

今週の中華圏はあちこちでいろいろな話題が花開き、いったい今週は何を取り上げようかと資料を読んでいるうちに、ほぼ1時間ごとに目移りしてしまった。

そんなこんなで実はこれを書いている時点で書きかけの原稿が3つあるのだが、やはりこのタイミングを逃しては新鮮味が薄れてしまうだろう、ということで、心が決まった。

8月24日に始まった、福島第一原発の冷却処理水海洋廃棄を巡る話題だ。

前日に日本政府が廃棄

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【ぶんぶくちゃいな】「黄色経済圏を潰せ!」:日本メディアが伝えきれない香港の現実

【ぶんぶくちゃいな】「黄色経済圏を潰せ!」:日本メディアが伝えきれない香港の現実

日本のメディア各社が6月30日に合わせて「香港で『国家安全維持法』(以下、国家安全法)が制定されてから3年、香港の今は?」という特集を終えたばかりの7月初め、主権返還から26周年を迎えた香港特別行政区政府(以下、香港政府)は次々と新たな動きに出た。

まず、香港警察国家安全処が7月3日に記者会見を開き、香港の永久居住権を持ち、現在は海外に居住する8人に対し、正式に裁判所の認可を経て国家安全法違反容

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【ぶんぶくちゃいな】「圧力」が渦巻く香港、封じられた政治風刺漫画

【ぶんぶくちゃいな】「圧力」が渦巻く香港、封じられた政治風刺漫画

いつの頃からだろう、中国で一旦公開された記事などがある日突然目の前から消え去った時、関係者が「以衆所知道的理由…」(周知の理由により…)とか「由于不能抗拒的情況…」(抗しがたい事情のため…)などという、隠微な言い訳を堂々と使うようになったのは。あるいはもっと口語的に「ニィドン的」(「ニィ」は「人」偏に「尓」、「ドン」はりっしん偏に「董」/「分かるよね」という意味)という言い方が一般的になったのは。

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【ぶんぶくちゃいな】すり替えられる「一国二制度」、香港メディア王の運命は…?

2022年12月30日、北京で開かれていた全国人民代表大会常務委員会会議で、香港の李家超・行政長官から要請が出ていた、「香港国家安全維持法」(以下、国家安全法)の法解釈が行われた。

法解釈とは、文章で書かれた法律を、現実の施行における具体的案件においてその条文の意味をいかに判断すべきべきかを明確化する作業のこと。国家安全法は香港で施行されている法律だが、制定したのは中国の最高議決機関である全国人

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221228 【ダイヤモンド・オンライン】寄稿:香港の親中派が越えられない中国との「壁」、政府と足並みが揃わない理由

今年最後の寄稿となります。

「香港国家安全維持法」(以下、国家安全法)の施行以降、親中派が我が世の春を謳っている香港ですが、ときどき親中派も中国政府、ひいては中国共産党のことをよく分かっていないなぁ…と思わされる場面に出くわします。

というのも、香港で育った香港人の「にわか」親中派は結局、自分が中国政府に近い(たとえば出身業界と中国との関係やビジネス往来)ため、さらに中国政府に従順になっていれ

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【ぶんぶくちゃいな】「メディア王を討て!」、司法で負けて中国政府頼みする香港政府

李家超・香港特別行政区行政長官が「世界金融サミット」で世界から集まった金融業界のトップエリートたちを前に、「最悪の時期は過ぎ去った」として「ホンコン・イズ・バック」を宣言してからちょうど1カ月。

エリートたちはこぞってそのまま次のサミット会議が開かれたシンガポールに移動し、李行政長官以下香港政府高官は続いて開かれた香港ラグビーセブンズ大会の観客席でマスクをはずし、ビールを片手に外国人観客と肩を組

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【ぶんぶくちゃいな】To Die or Not To Die? ジャンボの「命運」と香港新政府

【ぶんぶくちゃいな】To Die or Not To Die? ジャンボの「命運」と香港新政府

7月1日、香港は主権返還から25周年を迎える。

6月25日早朝には、習近平・国家主席が1日に香港の中心部にある香港コンベンション・アンド・エキシビション・センターで行われる返還記念式典に出席すると国営通信社「新華社」が伝えた。この日は返還記念式典に続いて、新行政長官らの就任式が行われ、その場で李家超・次期行政長官とその閣僚たちが国家主席に向かって就任宣誓をすることになっている。

習近平の公式な

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【ぶんぶくちゃいな】パーティ事件その後:高官処分で暴露された香港政局の「地勢図」

春節、香港では「農暦新年」と呼ばれるが、この中華圏にとって1年で最も大事な旧正月の大晦日にあたる1月31日、政府の民政局長だった徐英偉が辞表を林鄭月娥・行政長官に提出したことが明らかになった。

やっと、というべきか、さもありなん、というべきか。

徐氏は《【ぶんぶくちゃいな】 「オミクロンか、政治力か?」香港政治新生態》でお伝えしたとおり、1月3日夜に開かれた、なんと200人以上が出入りした誕生

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220128 「ダイヤモンド・オンライン」寄稿:香港政府高官がコロナ対策完全無視!大事なのは中国要人か行政トップか

なんどもなんども書いてきましたが、2021年は年初から年末まで香港市民にとって悪夢のような1年でした。

皆が社会を変えてくれると期待した民主派活動家がほぼ全員逮捕され、その後も社会的に信用されてきた弁護士や政治家が次々と逮捕され、ほとんどの人たちが口を封じられてしまった。その後起きたさまざまな出来事をずっと記録してきましたが、年末の選挙、そして最後のメディア摘発に至るまで、政府がいかに封じ込めを

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【ぶんぶくちゃいな】「オミクロンか、政治力か?」 混戦する香港政治新生態

2021年は民主的な政治制度を希求し続けてきた香港市民にとって、悪夢のような1年だった。そして年が変わって改めて振り返ってみると、実は政府は年初から年内に行われることが決まっていた立法会議員選挙に照準を合わせ、民主派潰しの「スケジュール」を組んでいたことがわかる。もちろん、市民は蚊帳の外に置かれて、目の前で起きた事態にただただきりきり舞いさせられただけだった。

その主だった出来事を以下に再録して

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【ぶんぶくちゃいな】香港国家安全法施行1年、その執行の現実は

6月4日に、2019年まで30年間続いた天安門事件犠牲者追悼集会の開催許可が下りなかったことから予想されていたとおりではあるが、やはり2003年から毎年続いてきた7月1日の主権返還記念日も開催が許されなかった。香港警察は6月には7000人の警官を投入して、例年の会場であるビクトリア公園への市民の出入りを禁止したが、7月1日にはその数を1万人へと増大して厳戒態勢を敷いた。

昨年に続き、6月の集会、

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