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耳障りの良い知識は、体験を伴わなければ経験にならないことを、娘から学んだ 2022年お正月の話

2022年1月2日

地元茨城の帰省から、ラッシュを避けて一足先に東京へ戻とうとしたその日
娘から「海のゴミ拾いがしたい」という申し出を受けた。

え?なぜ突然?
しかも、なぜに正月?

意味なんてなかったのかもしれない。ただ年末に買った子供向けSDGsの本を読んだり、昨今のテレビなどの影響で自分もやってみたいという衝動からの提案だったのだとおもう。

こんなことを娘に言われて、
「いや、今は寒いし、正月じゃなくてもいいんじゃない?」
なんて言えませんでした。
まして、自分は今自社の「サステナブル推進室」に席を置き、自事業の持続可能性について本気で考えなければならない立場。

よし、やってみよう。

ということで、茨城から東京へ戻る道中のホームセンターでゴミ袋とトングを購入して鹿島灘の海水浴場へ行ってきた。

鹿島・下津海水浴場 2022.01.02

普段、仕事柄SDGsに関する情報は積極的に取りに行くようにしている。
そのため、最低限の「知識」は持っているつもりでした。
だから、娘とゴミ拾いしながら質問されても答えられる、つもりでした。

でも「知っている」と「やってみる」は当然似て非なるもの。
やってみることでいくつか気づきがあったので、まとめてみる。

  • ビーチのゴミは多種多様

  • プラスチックごみは想像以上に小さい状態で砂浜に打ち上げられる。手で拾いきることは不可能

  • 拾ったゴミ持って帰って捨てるのが結構たいへん。分別しないとまた埋立になってしまう。

わさびのキャップと、鳥の足跡

上の写真は実際の海岸で撮影したもの。
鳥の足跡とプラスチックが共存する、いわゆる「よく見かける感じ」の絵。手前にあるのは「わさびチューブ」のキャップかな。

落ちているものを拾って一箇所に集めていると、プラスチック、発泡系素材、塩ビ、ポリプロピレンなど・・あまりに多種多様なゴミがあることに気づいた。

ちょっとやっただけで、これだけ見つかる

もう一つ気づいたことは、プラスチックは波に揉まれてかなり微細化されており、もはや手で拾えないサイズのものが砂浜に大量に打ち上げられていたこと。

波に揉まれたせいか、多少なりとも角は丸くなっているが、それでも素足で踏んだら痛いし、刺さる。

サイズにして2〜3ミリ程度のカラフルなプラスチックが、砂の中に大量に落ちていて、もはやトングはもちろんのこと、素手でも拾えないサイズだった。

マイクロプラスチック
知識では知っていたけど、これを拾い集めるのは難しい。というか無理だ。

結局、手で拾えるプラスチックというテーマにしぼり、可能な限り目につくゴミをひろって拾って集めたのがこれ。

コカ・コーラのケースの破片

大体1時間くらいの活動で、30㍑の袋一杯分拾って帰ってくることができた。

しかし、これがまた持って帰ったあとも大変。
そのまま捨ててしまうと、分別回収してもらえないから、一旦広げて
分別して捨てなければならない。しかも、よくわからないものも含まれるので燃えないごみとして出さなければならないものもいくつか。

燃えないごみは、本当に燃やせないものや、マテリアルリサイクルにならないものは埋立として処理されると最近学んだ。
ということは、このまま捨てても、また結局別の場所の地面に戻るだけなのだろうか?

団体活動として、ビーチクリーンをやっている人たちは当然こういうことまで学んだ上で実践しているのだろうけど、今回のように自主的にやってみようとするとディテールでわからない事だらけになるのも、今回やってみたことで得られた学びだった。

帰路

慣れないことをやって疲れたのだろう、助手席で爆睡する娘を横目に運転しながらぼんやりと考えていた。

「知っている」ことは「やってみる体験」を経て「経験」になる
こんな当たり前のことを、忘れてはいなかっただろうか?
昨今情報は目まぐるしく更新され、それを取りに行くだけでもかなり体力を要する。でもそれを取りに行くだけでは、何も変わらないんだと思う。

耳障りの良い、口当たりの良い情報ばかりを取り入れて、何も行動しない。
これは肥満をおこす要因と同じことなのかもしれない。

きちんと情報を取り入れて、体を動かして体験し、経験に変える。

体験とはその循環サイクルの中にある重要なピース。
ここ数年、自分は摂取だけの「情報肥満」だったのかもしれない。

改めて、この機会を提案してくれて、
大きな学びの機会をくれた娘には感謝。

今回購入した「ゴミ拾いグッツ」が車のトランクに常備されることになったので、また出かけた際にはゴミ拾いをしようと思う。

今年、42歳を迎えます。
昨年の本厄を終えて今年は後厄、色々と体を動かし行動をしていこう。

こっちは阿字ヶ浦


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