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AMPK酵素がオンになるとどうなるか? 病気を治して健康寿命を延ばすために必要な、あらゆることが起こる

運動によって筋肉や臓器のエネルギーを枯渇させると、AMPKが活性化され、インスリン感受性が向上する。その結果、mTOR(※哺乳類/機械的ラパマイシン標的タンパク質)が阻害され、オートファジーと細胞の浄化が起こる(中略)AMPK酵素がオンになるとどうなるか? 病気を治して健康寿命を延ばすために必要な、あらゆることが起こる(中略)メトホルミンは、非常に人気があり広く処方されている安価な2型糖尿病治療薬で、その効果の一部はAMPKを活性化する(中略)AMPKと長寿経路を活性化する方法はたくさんあり、それらには食事時間制限、ファスティング、運動、温熱療法、ファイトケミカルの摂取など(中略)ビンロウの実、サフラン、メギという植物に含まれるベルベリン、アロエ、レスベラトロール、朝鮮人参、霊芝、トウガラシ、ヨモギ、ブラッククミンシード、ゴーヤ、ミカン、コーヒーに含まれるクロロゲン酸、トウガラシのカプサイシンなどはその例だ(中略)ミトコンドリアを大切にしない人、あるいはミトコンドリアの数が少ない人は虚弱になりやすく、死亡する可能性も50%高くなる(中略)古くなったミトコンドリアをきれいにし、若返らせる最善の方法は、低デンプン・低糖質の自然食品、良質な脂肪、マイクロバイオームを支えるポリフェノール豊富な食生活を送り、間欠的ファスティングやカロリー制限、コールドプランジ[冷水浴]や水シャワー ※引用者加筆.

AMPKが脳下垂体で働くと先ほども登場したマロニルCoAが減って、その結果食欲が湧くのである。エネルギーが足りないのをAMPKが教えてくれるので、私たちは食べたいと思うのだ(中略)活性酸素は、インスリンの命令を邪魔して、いくらグルコースがあっても骨格筋にグルコースを取り込めなくしてしまう。そこで、骨格筋は次第にグルコースを取り込めなくなり、さらに、都合の悪いことに一度インスリンの命令が遮断されると、インスリンがあってもインスリンの命令はその後も伝わらなくなってしまう(中略)エネルギーの消費と貯蔵をスイッチングさせる酵素、AMPK(中略)通常、体内でエネルギーが使われるときはATPからADP(アデノシン二リン酸)への変換となるが、どうしてもエネルギーが足りないとき、リン酸をふたつ次々と爆発させる反応が促進してくる。このとき生じるのはAMP(アデノシン一リン酸、Adenosine 5'-mono-phosphate)(中略)AMPがたくさんできているということは、つまりエネルギー的に逼迫した状況だということで、生命にとっては危険信号(中略)エネルギーの枯渇を感知して、命令を出す司令塔の役割を果たしているのがAMPKという酵素(中略)増えてきたAMPは近くのAMPKと結合(中略)リン酸がくっつくことでAMPKタンパク質は構造が変化し、働けるようになるのだ。これを「リン酸化による活性化」という(中略)AMPKによってリン酸化されるタンパク質のひとつは、活性を失って(スイッチをオフにして)脂肪酸合成の原料をつくる作用を失い、原料を減らすことになる。その原料とはマロニルCoA(中略)このマロニルCoAはミトコンドリアの中に脂肪酸が入ってくるのを防ぐ役割も果たしているので、これが減少すればミトコンドリアの口が開き、脂肪がミトコンドリアの中に流れ込んでくる。そうすれば脂肪の燃焼が始まってエネルギーがつくられる(中略)もし周囲にATPが多い場合は、ATPが邪魔をするのでAMPとAMPKがくっつくことはない。つまり活性化の反応が起こらない(中略)活性化したAMPKは、エネルギーが足りないという情報をPGC-1αというタンパクに伝え、活性化(中略)(PGC-1αは)脂肪細胞の分化に深く関係しているばかりか、細胞内でミトコンドリアを増やす装置(中略)ミトコンドリアは身体が冷えたときやカロリーが少なくなったときにも増加する。PGC-1αは寒さのシグナルを受け取って、ATPが少なくなったときと同じように指令を発し、ミトコンドリアの建築を促す。

「ミトコンドリアを増やせ」という指令は、寒さを感じたときばかりではなく、サーキットトレーニングの最中のほか、断食をしてエネルギーが足りなくなったときなどにも出ます。そして、その指令はすべて、PGC-1αと呼ばれるタンパク質が司令塔となって出されている(中略)断食をしてエネルギーが足りなくなったら、PGC-1αから酢酸基を取り除く酵素が現れて、このタンパク質から酢酸基を奪ってくれます。酢酸基はこのタンパク質のはたらきを抑えていたので、奪われることで活性化して指令が出され、やはりミトコンドリアが増える

情報分析官

酢酸がAMPK(アデノシン1リン酸活性化タンパク質キナーゼ)およびGLUT4(グルコース輸送担体4型)を増やす(中略)加えて、酢は血管拡張(血管を拡張させ血圧を下げる)

情報分析官

高圧・高酸素状態が長寿経路を活性化させることがあるように、低圧・低酸素状態も同じ作用をもたらす(中略)低酸素のストレスは、100以上の遺伝子を制御する低酸素誘導因子と呼ばれる転写因子(遺伝子のオン・オフを制御するもの)の産生を誘発する(中略)低酸素状態も、すべてのストレスと同じように、サーチュイン、AMPK(※AMP活性化プロテインキナーゼの略、エネルギー量に応じてオンまたはオフになる栄養感知システム)、mTORの機能変化を引き起こすことによってその影響を及ぼす。また、炎症を抑え、インスリン感受性も改善させる。低酸素状態はまた、幹細胞の産生を増やし、新しい血管の形成を促進して、身体がより多くの酸素を得られるようにする(中略)このような断続的な低酸素・高酸素状態は、血糖値のコントロールの改善や認知症患者における認知機能の向上、ミトコンドリアの総合的な健康状態の向上など、多くの有益な作用を引き起こす(中略)低酸素状態は、古くなったミトコンドリアを死滅させて、新しく健康なミトコンドリアの生成を促す(中略)そうした装置の1つにセルジム(Cellgym)と呼ばれるものがある。ぴったりとしたフェイスマスクを装着したうえで、酸素濃度12%の低酸素状態を5分間、次に酸素濃度33%の高酸素状態を3分間というサイクルを4回繰り返すものだ(中略)スキューバダイバーたちにお馴染みの減圧室は、高圧酸素室とも呼ばれ、急浮上した場合に生じる減圧症を防ぐため身体を再加圧するのに使用されている。アスリートは怪我を治し、回復を早めるために高圧酸素療法(HBOT)を利用する。医療用途としては、創傷治癒、治療抵抗性感染症の治療(病原菌は酸素を好まないのだ)、そして最近ではとみに、難聴の治療や脳卒中、外傷性脳損傷、慢性疲労(中略)さらには、幹細胞活性を高め、サーチュインを活性化させることにより、栄養感知を向上させる(中略)この治療法は、酸素100%の環境下で、海面下1気圧以上に相当するところまで「潜る」ことからなる(中略)海面下10メートル(1気圧)から20メートル(2気圧)以上に相当するところに身を置くことは、身体にホルミシスのストレスを加えることになる。純粋な酸素は高容量で長時間投与すると毒性を示すが、加圧下で適切な量を適切な期間投与した場合には、システムが治療モードに入り、寿命が延びるのだ(中略)2気圧という「用量」を使うには医療グレードのチェンバーが必要だ ※引用者加筆.

情報分析官

ヒマラヤ韃靼ソバ(中略)このソバには、ケルセチン、ルテオリン、そしてホバミン(2-ヒドロキシベンジルアミン、別名2-HOBA)と呼ばれる、自然界では今のところ他の食物では発見されていない、年齢を逆転させる稀なファイトケミカルが多量に含まれている(中略)フィセチン、1日500〜1000ミリグラム。イチゴ、リンゴ、柿由来のフィセチンは最も強力な老化細胞除去作用を持つフラボノイドであるとともに、オートファジーを刺激し、サーチュイン(※炎症と酸化ストレスを低下させ、代謝と細胞エネルギー産生を改善するシグナル伝達タンパク質の一群)とAMPKを活性化する(※これはケルセチンとダサチニブ(がんの化学治療薬)を組み合わせたものより効果が高い可能性)(中略)プテロスチルベン、100ミリグラムを1日1回または2回摂取。これはサーチュインを活性化させることにおいて、レスベラトロールより効果がある(中略)ミトコンドリアが老いていたとしても改善は可能だ。その手段には次のようなものがある。カロリー制限。食事時間制限食。ファスティング。運動。NAD+療法。ラパマイシン。メトホルミン。レスベラトロール、フィセチン、ケルセチンなどのさまざまなファイトケミカルの摂取。寒冷療法。赤色光療法。高気圧酸素。オゾン。低酸素状態など(中略)ナイアシン(ビタミンB3)に由来するNAD+は、ミトコンドリアにおけるエネルギー(ATP)産生システムの重要な一部(中略)NAD+およびNAD+の前駆体であるNR(※ニコチンアミドリボシド)とNMN(※ニコチンアミドモノヌクレオチド)を補給すれば、若い頃のNAD+のレベルを取り戻し、加齢に伴う病理を逆転させ、寿命を延ばせる ※引用者加筆.

情報分析官

NAD+は少量ですが、私たちの生体内においてトリプトファン(アミノ酸)やビタミンB3(ナイアシン)を元にも作られています(中略)NAD+もビタミンB3の一種の酵素なのです。NMNを摂取することで速やかに作られたNAD+は、生体内で糖からエネルギーを生み出すのに重要なのです。ところで、NAD+の「+」の意味は、単に正の電荷を帯びているということを表しています(中略)NMN(Nicotinamide Mononucleotide : ニコチンアミドモノヌクレオチド)という物質に注目が集まっています。このNMNは、水溶性ビタミンB群の一種であるビタミンB3(ナイアシン)から合成される物質です。NMNは、体内でさらにNAD+(nicotinamide adenine dinucleotide:ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド )という物質に変換されます(中略)NMNが体内に吸収されると、NAD+(ビタミンB3の一種)という重要な補酵素に変わります(中略)NAD+は、直接摂取しても吸収が悪く、NAD+の前の段階のNMNで摂取して、体内でNAD+に変換される方が、効率がよいのです(中略)NMNを補うことで、NAD+が増え、細胞の活動に必要なエネルギーを作り出すミトコンドリアを活性化し、老化に伴う身体機能を改善(中略)さらにまた、NMNは、老化を抑える役割を持つ「サーチュイン遺伝子(長寿遺伝子)」を活性化する(中略)このサーチュイン遺伝子ですが、哺乳類では7種類見つかっています。この遺伝子と酵素が活性化することで、老化に伴う代謝や脳が活性化されて、この本の目的である「目の機能の低下が改善」されることもわかってきました(中略)断食治療は、このサーチュイン遺伝子を活動させるという意味では合理性があります(中略)NADは、7種類ある全てのサーチュイン遺伝子を活性化させる(中略)この7種類あるサーチュイン遺伝子の1つには、「糖や脂肪の代謝を司る」機能があります。抗老化効果が現れるのは、この機能が活性化するためです(中略)老化について簡単にまとめれば、DNAを巻き付けて遺伝子のオンとオフスイッチの役割を担うヒストンタンパク質やアセチル基が老化の鍵を握っているということです。この鍵を適切に使うことで、老化を逆行させて若返らせる(中略)NMN以外に、NADを生み出す方法として、NR(ニコチンアミドリボシド、ナイアシン)というビタミンB3を摂取する方法もありますが、現在のところ、NMN摂取と比べると、その効率性ははるかに及ばないのです。しかしながら、私は患者に、緑内障治療のために視神経への血流をよくする方法として、ナイアシン(ビタミンB3)の大量摂取を推奨しています。量を多く摂ることで、最終的なNADも増えると見込まれています。

情報分析官

がん細胞は鉄を多く取り込んでいるので、その鉄と反応してフリーラジカルを産生してがん細胞を死滅させるという作用機序が提唱されています。つまり鉄介在性の細胞死です。がん細胞で活性が亢進している転写因子の低酸素誘導因子 - 1はトランスフェリンレセプターの発現を高めます。鉄は細胞増殖に必要なため、がん細胞はトランスフェリンレセプターを多く発現して鉄を多く取り込んでいます。細胞分裂の早いがん細胞ほど鉄を多く取り込んでいると言われています。したがって、がん細胞内の鉄と反応してフリーラジカルを発生するアルテスネイトは、正常細胞を傷つけずにがん細胞に選択的に障害を与える(中略)がん細胞の酸化ストレスを高めるアルテスネイト(中略)アルテスネイト(Artesnate)は中国で古くからマラリアなどの感染症の治療に使われていた青蒿(Artemisia annua)というキク科の薬草から分離された成分で、現在ではマラリアの治療薬(中略)テスネイトによってがんや肉腫が縮小(中略)高濃度ビタミンC点滴は酸化ストレスを高めてがん細胞を死滅させる(中略)がん細胞に多く存在する鉄イオンとビタミンCが反応して過酸化水素が発生するという作用機序が提唱されています。過酸化水素がDNAにダメージを与えると、ポリDPリボース合成酵素が活性化されNADが枯渇し、解糖系もTCA回路も進まなくなります。活性酸素はミトコンドリアにもダメージを与えます。これらの作用で、エネルギーが枯渇して細胞が死滅する(中略)高濃度ビタミンCと同様の作用機序でがん細胞のATP産生を阻害する方法として(※アルカロイドやフラボノイドを含み抗菌効果のあるシソ科の植物)半枝蓮という薬草を煎じて服用する漢方治療も有効(中略)(※半枝蓮)は抗菌作用を示し、さらに肺がんや胃がんなどの種々のがんに対してある程度の効果(中略)半枝蓮には、がん細胞の増殖抑制作用、アポトーシス誘導作用、抗炎症作用、発がん過程を抑制する抗プロモーター作用などが報告されています。さらに、がん細胞の解糖系と酸化的リン酸化を阻害してエネルギー産生を低下させ、がん細胞を死滅させる作用が報告されています。すなわち、半枝蓮はミトコンドリアでの活性酸素の産生を増やし、DNAの酸化障害からポリADPリボース合成酵素が活性化され、NDAを枯渇して解糖系を阻害してATPの産生を低下させるという機序です。解糖系と酸化的リン酸化を阻害してがん細胞のATPを枯渇させ、同時に酸化ストレスを高めてがん細胞を死滅させます(中略)がん細胞の酸化ストレスを徹底的に高める方法 がん細胞に酸化ストレスを高めて死滅させる治療を行うためには、複数のメカニズムを組み合わせることが重要 ※引用者加筆.

情報分析官

ブドウ糖とビタミンCは分子構造がとてもよく似ているため、がん細胞はビタミンCを間違えて取り込みます。ビタミンCはがん細胞の中に入ると、カタラーゼがないために過酸化水素として、がん細胞を破壊(中略)食事で糖質を抑えることでがん細胞は大好きな糖質(ブドウ糖)をとれず、ブドウ糖に似たビタミンCをいつもより多くとり込もうと必死になってくれます。つまり、糖質を抑えれば、ビタミンC摂取の飛躍的な効果

血管から取り込まれたビタミンCから過酸化水素などの活性酸素種(ROS)が発生すると、がん細胞の多くはそれを中和できず、アポトーシスが誘導

情報分析官

がん細胞を想像するのに役立つのは、植物の繁殖を想像することである。植物は、動物、昆虫、バクテリア(細菌)、ウイルスと共生的あるいは敵対的な関係にある。同様に、人体内でも共生的であったり敵対的であったりする関係性がある。ガンダムに例えて癌を説明すると、ガン幹細胞と呼ばれる強力なモビルスーツがサイコ・ザクである。サイコザクのパイロットは奇形種ミトコンドリアである。奇形種のミトコンドリアは、劣化した細胞と様々な補強材を集め、がん幹細胞を形成する。サイコザクのパイロットである奇形種ミトコンドリアや劣化した細胞は、通常の軍隊のミトコンドリアや細胞よりも酸化ストレスに弱いが、AGEsのレセプター(受容体)を持つガン細胞は、自らを守るために抗酸化物質を作り出すこともできる。奇形や劣化というよりも、進化したニュータイプと言えるかもしれない。がん幹細胞をいかに倒すかも重要だが、その前に放射性物質を理解しなければならない。理由は簡単で、抗がん剤やさまざまな薬は福島原発事故を想定して作られておらず、2011年以前と同じ治療法が現在も行われているからだ(糖尿病治療薬が糖尿病の原因である糖を除去しないように、癌関連の治療薬も放射性物質を除去しない。シロアリを駆除せずに家の柱を修理するようなものだ)。上記の引用の注意点は、ファイトケミカルが強い抗酸化作用でがん幹細胞を守ってしまうため、ビタミンとの相乗効果を理解すること。また、鉄分は正規軍に必要なので、酸化ストレスを癌幹細胞に与えながら摂取する必要がある。抗がん剤でがん細胞を鍛えると、癌は一酸化炭素を放出できるがん細胞へとさらに強化されるため、がん細胞を鍛えて強くするのではなく、その前の形態でトドメを刺すことが肝要のようだ。最後に、現在の超一流らの健康観の主流は、抗生物質はおろか、不必要なサプリメントの摂取でさえ尿毒症を引き起こし、腎機能への負担を増大させることから、一般的なサプリメントの摂取であっても深く考える必要があるとのこと。まとめると、余分なものを摂るくらいなら、お酒や甘いもの、好きなものを食べた方が精神的(脳)に良いという見解である。これには食べない楽しみも含まれる。

関連リンク↓

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https://note.com/wandering_1234/n/n363feac720a3

https://note.com/wandering_1234/n/n5e0744352591

https://note.com/wandering_1234/n/nee475da230d3

https://note.com/wandering_1234/n/n0a49e28839c6


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