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車を走らせていたサーフィン好きの化学者キャリー・マリスに、あるアイデアがひらめいた

ローレンス・ゴンザレスによれば、生命の危機に直面したとき、九〇パーセントの人間は硬直して立ちすくみ(フリーズ)、パニックに陥ってしまうが、残りの一〇パーセントはクールで精神を統一し、あくまでもサバイバルへの希望を棄てないという。ここでいうクールとは、著者の父が言うように「自分から無駄な死を招くことは、クールではない」という意味の「クール」である(中略)運は日々の暮らしの積み重ねである。

情報分析官

運転は、毎日同じことが繰り返される映画「恋はデジャ・ブ」のように、学習経験を積み重ねて

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活躍する経験豊かなアウトドアのベテランの男から、かつて聞いた話だが、彼はできるだけ四輪駆動にせずに走ることにしているという。常時四輪駆動にしてると、いつか流砂にはまりこんだとき、脱出できなくなる。というのも、そのときはすでに安全マージンを使いはたしてしまっているからだ。「四駆はトラブルから脱出するのに使う。トラブルにはまりこむために使いはしない」と彼はいう。

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雪の中で運転するコツについて思い出してほしい。車がスリップしたときは、滑っている方向にハンドルを切るということだ。ふつうは滑っているのとは逆にハンドルを切ろうとするのが自然な反応だ。これは反射的なもので、抵抗するのは難しい。そのためその衝動を抑えるには、多大な努力と自制心が必要になる。

スキッドパッドでの目標は、脳が何をすべきかわかるまで横滑りを体験すること(中略)脳と同様に、車は驚嘆すべきマシーンで、ドライバーがその動かし方を知っていれば、融通がきき適応性がある

ドライブという語感は日本語ではクルマの運転、などという意味にも取れるし、何者かに駆り立てられる、という意味でも使われる。

車を走らせていたサーフィン好きの化学者キャリー・マリスに、あるアイデアがひらめいた。のちに彼がノーベル賞を取ることになったアイデアだ。

PCRは、バイオテック企業の化学者だったキャリー・マリスが一九八三年に発明した。マリスはある晩、ドライブ中にそれを思いついた。PCRでは、まず二本鎖DNAを加熱して一本ずつ分離する。次に、それを鋳型にして冷却しながら酵素によって元の二本鎖を複製する。この二段階を繰り返して、DNAを倍々に増やしていく。「PCRは、たった一個のDNA分子から始めて、ほんの半日で同様の分子を一〇〇〇億個生成できる」と、マリスは記している。

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Taqポリメラーゼは、トーマス・ブロックがイエローストーン国立公園の高熱の温泉で発見したサーマス・アクアティカスから抽出された。この超好熱性細は20年以上、研究室の片隅で衰弱していたが、アメリカの生化学者ケアリー・マリスはこの細菌を利用してDNAを簡単に複製する方法を考案した。優秀だがかなり個性的なマリスは、仰々しい演説と型破りの講義(自分のガールフレンドがきわどいポーズでサーフィンしているスライドで、しばしば中断された)で学界を憤慨させていた。それでも、PCR法に関する業績を認められて一九九三年にノーベル化学賞を共同受賞(中略)Taqポリメラーゼは、極限微生物から抽出された酵素

ヒトゲノムプロジェクトがスタートしたのが1984年(中略)この時にキャリー・マリスが発表したポリメラーゼ連鎖反応(PCR)が、ネアンデルタール人のゲノム解読を大いに加速させる(中略)PCRはバクテリアを用いるめんどうなクローニングに取って代わる、まさにブレークスルーと呼ぶべき発明(中略)PCR法は1983年に一匹狼の科学者キャリー・マリスによって開発されたシンプルかつ洗練された技術で、この上なくパワフルだ。原理的には、40回繰り返せば、たったひとつのDNA断片から約1兆個の複製を得ることができる。この技術があればこそ、私たちの研究は実現したのだ(中略)ネアンデルタール人のゲノムとの比較により、デニソワ人少女のゲノムは、ネアンデルタール人やデニソワ人より前に人類の系統から分岐したホミニンのDNAを受け継いでいることが明らかにされた。また、デニソワ人がネアンデルタール人と交配したことや、彼らがメラネシアの人々だけでなく、現在アジア大陸に住む人々にも、わずかながらDNAを与えたことがわかった(中略)「Neanderthal(ネアンデルタール人)」は、ドイツのネアンデル谷にちなんで命名された種小名で、「Thal」は「渓谷」を意味する古いドイツ語(中略)ネアンデルタール人が絶滅したのは、ホモ・サピエンスが虐殺したからだと推測する人もいるぐらいだ。しかし実は、両者が争ったことを示す明確な証拠は今のところない(中略)ふたつの集団が出会うと、遺伝子は等しく双方向に流動すると考えられがちだが、実際には、そのようなことはまれだ(中略)2008年、わたしたちのグループが発表するデータに常に関心を寄せてくれていたスイスの集団遺伝学者、ロラン・エクスコフィエが、ふたつの集団間の遺伝子流動に関する論文を発表した。それは遺伝子流動が起きた後に一方の集団が拡大し、もう一方がそのままか、縮小したらどうなるかを報告するものだった。そのような場合、変換された遺伝的要素は、拡大していく集団に保存される可能性が高い。そして変異を含む集団が「波頭(ウェーブフロント)」(波の盛りあがり)のごとく数を増やせば、その変異(対立遺伝子)も数が増え、頻度がきわめて高くなる。エクス・コフィエはこの現象に「対立遺伝子サーフィン」(allelic surfing)というふさわしい名をつけた。集団の波頭に入った対立遺伝子は、波の勢いに乗って一気に数を増やすという意味だ。

サーフィンがどのように遺伝子の発生に関係してくるのかというと、こういうことだ。人間にはスケッグそのものはないが、遺伝子の奥底にコードされた類似構造が発生に不可欠な役割を果たし、正しい遺伝子が正しいときに発現するような環境を築く。とはいっても、大方の読者にとって、この構造はおそらく初めて聞く名前に違いない。それは、胚発生時期(あなたがお母さんの子宮内で潰れたガムみたいな形をしていたとき)に現れる「ノード繊毛(せんもう)」と呼ばれるものだ。ノード繊毛は、その極めて重要な時期に、のちにあなたの頭になる部分から、小さなタンパク質の触覚のように突き出している。そしてちょうど、水の上でサーフボードの舵を切って、そこそこの波を刻むサーファーをスケッグが助けるように、ノード繊毛も発生中の胚の周囲で体液(羊水)を動かして(ある状況では体液を感知して)、必要とされている化学物質の濃度勾配を空間の中に作り出す(中略)つまり、体液を特定の方向に動かして、胚の周囲に渦巻きのような流れを作り出す。これを受けて、浮遊しているタンパク質の量が正しい順序で変化し、それが遺伝子発現を通して、適切な時期に身体部位の発生を導く(中略)ノード繊毛が遺伝子変異によって正常に機能しないと、身体の発生のバランスは完全にひっくりかえってしまう。沖合の岩礁や予期せぬ潮のうねりなどでスケッグが折れてしまったサーファーのように、動作のおかしくなった繊毛は、胚に押し寄せるタンパク質の量に不均衡を生じさせる場合がある。

「運をつかみたい」と言う人は、ムダなことをすればいいのです。運はムダなことから生まれます。「そんなことからこんなことが起こるとは思わなかった」というのが「運」です。効率からは、運は生まれません(中略)すぐに役に立つことばかりしていると、支配階級にだまされます

娘が泣きながら駆け寄ってきて、真っ赤に腫れた足首を指差す。クラゲに刺されたのだ。さいわい、こんなこともあろうかと、友人がミートテンダライザー〔肉を柔らかくするパパイン酵素の粉末〕の小瓶を持参していた。テンダライザーを水と混ぜてペースト状にし、刺されたところにすり込むと、たちまち娘の足の痛みが消える(本当に効くのでお試しあれ)。

ダイヤモンド・プリンセス号のコロナ騒動の寄港時、私の元スタッフは船内に船員として従事していた。持てる者を富ませ、持たざる者から搾取するために世界インフレを起こすという資本家の共同謀議に過ぎないとすぐに理解した。というのも、重病人のほとんどは運動をしておらず、大量に飲酒していた。対応した船員たちは10時間近く一緒にいたにもかかわらず感染者は一人もいなかったからだ。私の予想が正しかったかどうかを知る日はすぐにやってきた。深酒をした翌日(2020年4月)に初感染。実家で酸素カプセルに入ったが治らず、自宅に戻り飲み忘れていたL-カルニチンとヘム鉄のサプリメントを飲み、自宅の酸素カプセルに入った。その後、サプリメント2種類と酸素カプセルで治ったことで慢心した私は7ヶ月も運動せず再び深酒し感染。二度目の感染は重症で、味覚障害から始まった。その日は11月の六甲山スキー場のオープン初日だったためスキーをし、免疫細胞を増やそうとした。しかし治らなかった。味覚障害を起こすほど重症だったため、耳抜きができず、酸素カプセルが正しく使えなかったからだ。私は焦りながら酸素カプセルの圧力を内側から調整し、耳が痛くならない0.5気圧で足の回復と免疫細胞の誕生を待った。感染から5日目、最後の力を振り絞り金剛山(1000m)に登った。下山と同時に、何かが体から抜けたようにコロナウイルスが死滅し、味覚が戻った(2020年11月。5日間の食事は麻婆豆腐のみ1日2食の軟性食断食)。当時の情報では、SARS1に感染していてもPCRは陽性となるため、PCRも抗原検査も役に立たないというものだった。また、ファイザーの公式ガイダンスでは、ワクチンは感染の拡大を防ぐ効果はまったくないということだった。三度目の感染では、運動はしていたものの、飲酒量が多く、感染してしまった。地方だったのでサプリメントや酸素カプセルはなかったが、似たような成分と炭酸効果に賭けモンスターエナジー瓶を飲用。30秒もしないうちに喉の痛みは治まり、完治を実感した。コロナウイルスは私たちの健康を監督する指南役のようだ。個人差はあると思いますが、がん患者さんのお役に立てれば幸いでございます。私自身、個別にお返事する時間がないのですが、「ギックリ腰チャンネル スペース 調べたいワード」でnote内検索していただければ、詳しく検証した記事が見つかると思います。


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