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急増する不登校。文科省が対応策を発表。「無気力、不安」…背景にある”要因”分析へ

文部科学省が11月7日、先月末に発表した不登校児童生徒に関する最新調査(※)の結果を踏まえて、具体的な対応策を公表しました。

(※「令和3年度 児童生徒の問題行動・不登校生徒指導上の諸課題に関する調査結果」。note記事はこちら

「1000人当たり50人」が中学校に行かず

この調査結果によれば、小中学校における不登校児童生徒の数は24万4940人
9年連続で増えており、引き続き過去最多です。
しかも今回は、前年度比約25%増と大幅に増え、過去最大の増加率となりました。

また、児童生徒1000人当たりの当該児童生徒数は25.7人(前年度は20.5人)。
特に中学校では1000人当たり50.0人(前年度は40.9人)に上り、20人に1人が該当する計算です。

WG立ち上げ、要因分析を本格化

不登校の要因として、調査結果では「無気力、不安」と答えた児童生徒が49.7%と突出していました。
その回答自体が曖昧であり、かつ背景には様々な本質的要因が複雑に絡み合っていると推察されることから、文科省では「要因を明らかにすることは非常に難しい」(同)としています。

そのため文科省は今後の対応として、要因分析を本格化させる考えです。
2015年に発足した、専門家などで構成する『不登校に関する調査研究協力者会議』において、新たにワーキンググループを立ち上げ検討する方針を明らかにしました。

具体的には、調査結果で明らかになった「学校内外の機関等で相談・指導を受けていない」児童生徒の割合が36.3%に上ることを踏まえ、こうした【支援が行き届いていない子どもたち】に焦点を当てます。

その上で

  • 不登校特例校の全国展開の推進

  • 来春設置予定のこども家庭庁による居場所づくり(NPOや子ども食堂等)との連携

  • ICT等を活用した学習活動の充実

  • 教育支援センターのアウトリーチ型支援(家庭訪問等)

…などの施策に取り組んでいくようです。

こうした文科省の対応策に対して、分科会では各委員から様々な意見が出されました。
追って発信したいと思います。

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個人的には、まず不登校を「問題行動」「課題」のカテゴリーに位置づけているところからつっこみたいのですが、それは置いておいて…
各メディアがセンセーショナルな報じ方をしたことが影響したのだろうと思いますが、先般の調査結果から1週間足らずで文科省が対策の概要を打ち出したことは、前向きに受け止めてよいのではないかと考えます。

ただ、”不登校=問題"という前提認識のもとで、さらにその解消策を子どもの側にだけ求めている印象を私は持ってしまいました。
視点を少しだけずらし、”社会の側に解消の鍵がある”との視座に経った対策が生まれることを期待したいです。

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