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#184 余白は大切だよね

こんにちは、皆さん。今回は、僕が飲食業で培ってきた経験をもとに、店舗設計における「心理的な余白」の大切さについてお話ししたいと思います。お客様一人ひとりが心地良いと感じる空間作りには、ちょっとしたスペースや配置が、非常に重要です。具体的な事例を交えて、この視点から考えてみたいと思います。
#余白

プライバシーの確保と視覚的快適さ


まず考えたいのは、飲食店でのプライバシーの確保です。これは単にテーブルの配置に留まらず、お客様が心地良く感じる環境作りに不可欠です。多くの飲食店に於いては、テーブル間の間隔はもちろん、高さや形状にもこだわりを持っています。お客様が他のテーブルを意識せずにリラックスできるように、というのが僕たちの願いです。この細やかな配慮が、訪れた方々の心の快適さに大きく貢献しています。
#椅子の高さも計算している

次に大切なのが、視覚的快適さ。照明計画は、お客様の心理状態に大きな影響を与えます。自然光を最大限に利用し、夜には暖かい光でリラックスできる空間を作り出すことで、視覚的な快適さを提供しています。このような環境は、お客様が無意識のうちに心地良さを感じることに繋がります。
#昼と夜で照度を変えている

メニューの役割と余白


メニューの役割にも着目すると、選択肢の多さは時にお客様を迷わせることがあります。ですので僕の場合はメニューを簡潔にし、各料理にストーリーを持たせるようにしています。これにより、お客様はメニュー選びを楽しみつつ、料理人さんが表現したい料理の背後にある想いを感じ取ることができます。これもまた、心理的な余白を大切にしている一例です。
#メニューはシンプルに

僕は余白や余裕が、未来への思考を刺激すると考えています。若手時代、僕は経済的にも狭いスペースで生活していました。しかし、大人になり少しの経済的、心理的余裕が生まれた時、物理的な余裕が心にもゆとりをもたらすことを実感しました。スペースに余裕があると、心にも余白が生まれるのです。
#心のゆとり

運営の極意と盛り付けの哲学


余白は空間だけでなく、時間や人員管理にも関わります。店のシフト管理においては、適度な「たるみ」が必要です。あまりに厳しいシフトでは、ちょっとしたトラブルで全体の負担が増えてしまいます。僕たちの店では、スタッフを適度に増やし、柔軟な運営を心がけています。これにより、スタッフにも余裕が生まれ、新しいアイデアが芽生えることもあります。
#シフト

料理の盛り付けにおいても、余白の扱いは非常に重要です。「余白」「高さ」「彩り」の3点は、盛り付けの基本です。余白の量は、料理の印象を大きく左右します。例えば、ボリューム感を出したい時は余白を少なくし、上品な印象を与えたい時は余白を多めに取ります。このように、余白を上手に利用することで、料理の全体的なバランスが生まれます。
#盛り付けの基本

ブランディングと余白の重要性


最後に、余白はブランディングにも重要な役割を果たします。高級ブランド店と激安店の商品陳列を見比べると、その違いは明らかです。高級店では、商品一点一点に余白が確保され、それぞれの価値が際立っています。逆に激安店では、商品が密集して展示され、カオスな印象を与えます。これらの例からも、余白の扱いがブランドイメージを大きく左右することがわかります。
#高級レストランは余白が多い

皆さん、今回の話はいかがでしたでしょうか。飲食店の設計や運営では、これらの細かな余白に気を配ることが、お客様にとって特別な体験を創り出す秘訣になります。お店にもスタッフにもある程度の余白があることで、日々の気づきが得られるんだと思います。
#飲食店の未来

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