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▍成長は螺旋階段

すぐに結果が出ないと焦る皆さんへ。

今回は、スティーブン・R・コヴィーの名著『7つの習慣』から「成長は螺旋階段」というテーマについてお話ししようと思います。

この概念は、自己成長のための継続的な努力と実行責任の重要性を深く理解するための鍵となります。


■成長は螺旋階段



コヴィー著『7つの習慣』で触れられている考え方から引用しています。

” 再新再生は、成長と変化を繰り返しながら、螺旋階段を登るようにして自分自身を継続的に高めていく原則である。”

スティーブン・R・コヴィー『7つの習慣』

螺旋階段のように、一歩一歩進むごとに視点が少しずつ変わり、
過去に学んだことを再確認しながら新たな高さに到達していくプロセスこそが「成長」です。

そしてこの螺旋階段を登っていくには「スキル」や「知識」などの学びだけでは物足りず、それらを得る過程で襲い来る困難に立ち向かうことを決意し、実行・挑戦することで少しずつ前に進んでいくことが必要不可欠です。

これまでに血の滲むような努力をしてきた人であれば、
この考え方はしっくりくる、あるいは体験知として理解していることもあるでしょう。

とはいえ、社会人になって間もない若手社員の多くは、この感覚をまだ持っていないのではないでしょうか。

これは頭では理解していても、なかなか腹落ちするのが難しい考え方であるかと思います。

本来人間は数年スパンでゆっくりと成長していくもので、数ヶ月単位で変わりゆくスピード感のあるベンチャー企業だと、やっていることの変化量と自身の成長量がずれる感覚が生まれやすいのではないかと思っています。

■継続的な努力により螺旋を登っていく


強調して伝えたいことは、
成長は一夜にして達成されるものではないと言うことです。。
一夜どころか、たかだか1~2年で成されるものでもありません。

私のようにベンチャー企業をファーストキャリアで選択した人の中には、
短いスパンでの成長や昇進、ポジションチェンジを望んでいる人も多いでしょう。

ただ、生き急いで良いことはあまりないのです。
ポストが手に入れば人はそのロールに寄せた行動をします。

若くして責任ある立場を手にすると、
自分の至らなさとポストのギャップに苦しみ、空虚な根拠のない自信で身を固めたり、不出来な側面を隠すような力学が働きます。

短期間で劇的な変化を求めることは、往々にして挫折感を生みます。
『7つの習慣』(を含むコヴィー氏の教え)は、長期的な視点を持ち、日々の小さな努力を積み重ねることの重要性を教えてくれます。

調べればすぐに「答え」らしきものにアクセスできる現代において、
数年スパンでの努力ができない人や、結果を急ぐ人が増えたことは言うまでもありません。

ただ、本質的な成長は、継続的な努力と挑戦の先にこそあるということは、
何かに本気で向き合っている人には、ご理解いただけるのではないでしょうか。

■挑戦と実行責任によってのみ学びは成就する

前述の通り、「成長」には「学び」だけでなく、決意と実行が重要です。
言い換えれば、困難に対する挑戦です。

常に新しく難しい挑戦を選択し、実行に移す責任を持つことが不可欠です。新しいプロジェクトに取り組む、難しいタスクに挑戦するなど、自らのコンフォートゾーンを超えることで初めて成長が促進されます。

そうしてコンフォートゾーンから飛び出しながら螺旋階段を登っていくと、
いつの間にか、挑戦している自分の姿こそがコンフォートゾーンになっていくのです。

世の中で大きな成果を出している経営者やカリスマたちの無尽蔵の活力や向上心はどこから来るのかと、学生時代は不思議に思っていましたが、
彼らは紛れもなくこのらせんを登り続けてきた過程で、頑張らないことこそが不快な状態になっているのだろうと推測します。

挑戦することに対して恐れを感じることは自然なことですが、
その恐れを克服するためには、まずは覚悟をきめて一歩を踏み出すしかありません。

そこで得た小さな成功体験を積み重ね、小さな成功が自信を育み、さらなる挑戦を後押しします。そして、その過程での失敗や困難もまた、成長の重要な要素となるのです。

■たかだか数年で「天井」はこない

若くして活躍している人のうち、割と才能や運やセンスなどに助けられ、
それほど苦労せずに良い思いをしている人もいるでしょう。

そして若い会社であれば、若手が活躍するのが構造上当たり前の世界だったりします。

ここにある落とし穴が、「成長の踊り場」を「天井」と誤認して歩みを止めてしまうことです。誰しも初学者を抜けた先に成長の鈍化があります。ただ、この螺旋階段を登っていく感覚を持っていない人にとって、この踊り場は苦しいものとなります。

私の部下にも、1年目に営業としてぐんぐんと成長して非常に素晴らしい成果を出したあと、2年目でリーダー職になった途端に成長曲線がゆるやかになり、そのまま転職してリモートでゆったりと働いている部下がいました。

1年目あんなにも熱量を持って働いていたのに、と私は不思議に思っていましたが、もしかするとその部下も「成長の天井」を錯覚してしまっていたのかも知れません。

自己成長は螺旋階段を登るようなプロセスです。
ぐるぐる回っているかのような日々の小さな努力と挑戦を続けることで、長期的な成長と幸福を手に入れることができるのであって、多少スキルや数字が積み重なったからといってそれは成長とは言いません。

実行責任を背負って動く人は、ぐるぐる回っているように見えても、着々と上へと成長しています。

ぜひこの緩やかな成長を楽しめるビジネスパーソンが増えることを願っています。

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