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敢えて聞かないことで心が穏やかになる

小学生の頃、一緒に住んでいた祖父に、
「相手のことについて質問しない、知らなくていいことは敢えて知ろうとしない。こうすれば、羨ましいと思う気持ちも起こらないし、心が乱されることはない。」
と教えられた。

母は、私が幼い頃に離婚し、養育費ももらっていなかったため、必然的にいろいろな面で我慢を強いられた。というか、子供ながらに感じ取り、買ってほしいと駄々をこねない子供だった。

友達が持っている玩具やゲーム、文房具、月刊雑誌などは、当然買ってもらえるはずもなく、習い事も選べず。口には出さないが、いつも他人を羨ましいと思っていた。

それを知ってか知らずか、祖父はそんな言葉を私に残した。

この言葉、今でも私の心の真ん中に残っている。だから、私は娘が仲良くなった友達のお母さんと話すときは、極力質問をしたくない。わきまえたお母さんは、無理にこちらに質問もしてこないので、ここち良いバランスで会話を終わらせることができる。

しかし、今住んでいる地域は、何世代も地元として住んでいる人も多く、そういった人たちは、よそ者に対してやたらと質問攻めにする人が多いように感じる。

こちらが質問しないことをいいことに、根掘り葉掘り聞いて、話さないと仲間はずれにでもするかのような雰囲気。逆にこちらが質問すると、うちは大したことないからと隠す。

祖父の言葉は、逆の意味もあったのかもしれない。質問されても馬鹿正直に答えない、あまり知られないほうが、相手の心も乱さない。

最近娘が仲良くしている1年下の友達と初めて遊ぶ機会があり、お母さんとも話ができた。愛情深い娘に対して、愛情深く懐いてくれるお子さんだった。保育園時代は特に、愛情深いところを利用されてきた娘にとって、しっくりくる友達のように感じた。

お母さんと会話していても、やたらと踏み込んで来ない感じがとても心地よかった。娘の友達のお母さんに対して、初めて私から、ライン交換しませんか。と言うことができた。

家に帰り、夫から、「今日の収穫を聞かせてください。」と言われ、唖然とした。なんていい方をするんだ!そして、こんな身近に、根掘り葉掘り聞きたがる人間がいたとは。

夫は自分を全てさらけ出す代わりに、根掘り葉掘り聞いてしまう人間だった。それもそれで潔いかもしれないが。今回相手のことはあまり聞いていないし、私も話していない事を伝え、他人にあれこれ聞くのは控えるよう注意した。

夫の母親が正に根掘り葉掘りタイプで、相当私の母に嫌な思いをさせたことを思い出した。これは、血筋なので治らないなと思った。

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