ウォーキング療法士

歩行を科学、実践し、社会で活躍できる療法士です。 人間が生きるための基礎となる「歩行」…

ウォーキング療法士

歩行を科学、実践し、社会で活躍できる療法士です。 人間が生きるための基礎となる「歩行」をベースに、リハビリの現場だけでなく、一般の方々のニーズを意識した健康プログラムを提供します。

最近の記事

介護予防で意識したい数字と項目

健康長寿を達成するためには、要介護状態を未然に防止することが課題となっています。特に75歳以上では、主な要介護の要因はフレイル関連であり、フレイルの予防と悪化防止が最重要でとされてます。 では、事前にフレイルを予防するためにはどのような特徴を知っておきべきでしょうか? 本日は年代別にみた特徴について整理しました。 65歳未満の特徴と予防のポイント 今回紹介する 年齢階層別の要介護状態予防–主にフレイルに着目して− では と報告されています。 つまり、65歳未満ではバラン

    • 座りすぎに注意!根拠を持って伝えましょう

      高齢者が要介護状態に至る主な原因として、運動器の機能低下や認知機能低下等が挙げられ、それら生活機能の低下をもたらす問題の1つとして「長時間の座位行動(座り過ぎ)」が注目されています。 これからウォーキングを始める高齢者に生活で『座り過ぎに注意しましょう』とお伝えします。では、具体的に座り過ぎにより健康にどのような影響があるのでしょうか? 本日は座り過ぎによる健康被害について調べてみました。 高齢者の実態 今回紹介する 高齢者における座り過ぎ ―その実態と健康影響および座り

      • 慢性炎症に対する運動効果

        慢性炎症とは、本来一過性で治まるはずの炎症反応が低レベルではあるものの、長期間持続して慢性化した状態を指します。炎症が収束せずに慢性化すると、炎症性物質が必要以上に作られ、免疫システムが過度に活性化してしまい、正常な細胞まで傷つけるようになり、やがて重篤な病気を引き起こすとされています。現在慢性炎症により 動脈硬化、糖尿病、高血圧、がん、認知症などが発症率をあげていることが確認されています。 では、この慢性炎症に対して、ウォーキングで対応することは可能でしょうか? 本日は慢性

        • ウォーキング初心者にはこれを伝えよう

          ウォーキングは気軽に始められる運動であり、多くの人が取り組んでいます。しかし、ウォーキング療法士が対象としている人の中には運動習慣が少ないため心肺機能が低い人もいます。その様な人たちの場合、ウォーキングを始めても、『少し歩くだけできつい』と話される方もいます。 この場合『短い時間でも良いので運動を続けましょう』とアドバイスをすることがあります。では、その短い時間というのはどのような根拠があるのでしょうか? 本日はウォーキング初心者をご指導する際に知っておきたいポイントを整理し

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          ウォーキング指導時のポイント

          ウォーキングは気軽に始められる運動であり、効果としてメンタルヘルス、高血圧予防、血糖値コントロール、コレステロール値の改善など様々あります。この効果を感じるためには、早歩きをすることがポイントとなります。その早歩きはポイントを知ることで習得ができ、ウォーキング療法士はそのポイントをお伝えします。 ポイントをより早く習得してもらうためにはどのような配慮が必要でしょうか?本日はウォーキング指導時に知っておきたい指導のポイントについて調べてみました。 指導のポイント 今回紹介す

          ウォーキング指導時のポイント

          運動強度の根拠

          ウォーキングで血圧や血糖値、コレステロール値などに効果を出すためには歩数だけなく、”少しきつい”くらいの早歩きがポイントです。 実際、ある研究ではいつもの歩行速度で1日10,000歩歩いた人と、歩いていない人では違いがなかったというデータもあります。 では、その早歩きの基準である、”少しきつい”くらいはどのような根拠があるのでしょう? 本日は早歩きをする際、負荷量の根拠を調べてみました。 歩行速度は自覚的運動強度が大切 今回紹介する RPE による運動強度の選択について

          大股歩きはウォーキングのポイント!

          ウォーキングは歩数だけを気にしても効果は感じにくくなります。重要なのはウォーキングをした時にどのように歩いたか?です。ポイントとなるが、歩行速度と歩幅です。この速度と歩幅は相関関係にあり、歩行速度をあげるためには歩幅を広げる必要があり、歩幅を広げれば歩行速度が向上します。 では、実際に歩幅を広げたことによる効果はどうなっているのでしょうか? ウォーキングは大股で歩くことがポイント 今回紹介する Brisk walkingの歩幅の違いがエネルギー代謝へ及ぼす影響 では と

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          簡単にできる認知症予防

          「日本における認知症の高齢者人口の将来推計に関する研究」の推計では、2020年の65歳以上の高齢者の認知症有病率は16.7%、約602万人となっており、6人に1人程度が認知症有病者と言えます。 認知症を予防するためにはウォーキングが効果的であることを講習会ではお話ししています。 では、そのほかに注目するべきことはあるのでしょうか? 本日は簡単にできる認知症予防について調べてみました。 認知症予防にはウォーキング+〇〇 今回紹介する 高齢者の足部骨格計測システムの開発と歩行

          簡単にできる認知症予防

          歩いて体幹を鍛えよう!

          体幹の役割は姿勢の維持、内臓や神経の保護などがあります。加齢に伴い、体幹は筋量の減少や脊椎の後彎変形するなどの報告があります。つまり、加齢に伴い、立つ、座るといった姿勢をつくる大黒柱としての役割が担えなくなってきてしまうことが考えられます。 では、歩くことでその体幹の筋力低下は予防できるのでしょうか? 本日は体幹と歩行について整理してみました。 ポイントは歩行速度 今回紹介する 地域在住中高年者の最大歩行速度には体幹筋量が関係する では と報告されています。 体幹筋量の

          歩いて体幹を鍛えよう!

          水中歩行の効果

          ウォーキング教室で登壇していると、時折質問されるのがプールなどでのウォーキングの是非についてです。ウォーキング療法士として、しっかりと根拠をお伝えするためにも水中ウォークの効果を知って必要があります。 本日は水中ウォークの効果について整理してみました。 水中ウォークは呼吸筋を鍛えるのに有効!? 今回紹介する 高齢者の呼吸筋力に対する水中歩行の持続効果 では プールなどで歩くことで、呼吸筋は向上することが確認されています。関節に負荷を少なく呼吸筋を改善するために水中ウォー

          夜間頻尿の悩みは歩いて解決!?

          夜間頻尿は若者では10~30%に、高齢者では40~80%に認められ、加齢とともに排尿回数が増えることが報告されています。 夜間頻尿は睡眠の量・質の低下につながり最終的に”生活の質”に影響を及ぼします。 その夜間頻尿に対して、どのような対策をするべきでしょうか? 本日は夜間頻尿に対してのウォーキングの効果について調べてみました。 ウォーキング後の疲労回復に必要なこと 今回紹介する 高齢者夜間頻尿に対する運動療法の効果 では と報告されています。 つまり、ウォーキングにて夜

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          腰痛ならこれをしろ!

          日本の腰痛人口は2800万人で、40代から60代に特に多く、2人に1人は腰痛もちです。さらに、日本人の8割以上が生涯において腰痛を経験すると言われています。 腰痛になると、『安静にする』と考えれられていますが、本当にそうでしょうか? 本日は腰痛に対しての運動について整理していきましょう。 腰痛だから動きましょう! 今回紹介する 腰痛に対する運動療法のニューコンセプト では と報告されています。 つまり、慢性腰痛の場合は安静ではなく、運動することが推奨されています。 腰

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          高血圧を改善したいなら歩きましょう!

          日本高血圧学会高血圧治療ガイドライン作成委員会の調査によると、高血圧の人は4,300万人いるといわれていますが、そのうちの3,100万人(73%)は血圧を適正なレベルにコントロールできていないと発表されています。さらに、高血圧の人のうち、「高血圧と知っているが治療を受けていない人たち」は450万人(11%)、「そもそも自分が高血圧であることにすら気付いていない人たち」は1,400万人(33%)もいます。 高血圧になると血管に常に負担がかかるため、血管壁が傷ついたり、血管の柔軟

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          ウォーキングは早く歩け!!

          ウォーキング教室では早く歩くことの重要性を常にお伝えしています。現在ウォーキング人口は4,000万人いると言われていますが、効果を実感している人も少ないのも現実です。なぜ、効果を感じられないのか?それは早く歩くことの重要性を知らないからです。 今回は早く歩くことの効果をもう一度整理していきましょう。 ウォーキングは早く歩くことがポイント 今回紹介する ファストウォーキングの生理学的・力学的特性-同一速度でのランニングと比較して- では と報告されています。 つまり、ダイ

          ウォーキングは早く歩け!!

          国が推奨するウォーキング方法

          昨年、厚生労働省から健康に関する新しい運動指針が発表されました。 その中にもしっかりと中強度以上の運動(3Mets以上)が推奨されるようになりました。 根拠を基にしたウォーキングをお伝えしているウォーキング療法士としてもこの指針を一度チェックしておきましょう。 国が推奨する運動基準 今回紹介する 健康づくりのための身体活動・運動ガイド 2023 では が推奨されました。 歩数だけでなく、中強度の運動をしっかりと明記するようになりました。さらに、高齢者と成人を分けたため、

          国が推奨するウォーキング方法

          ウォーキングで尿漏れ対策!?

          デリケートで意外に身近にある悩みが尿失禁です。ある調査では40歳以上の女性の4 割以上が経験している徴候である、と報告されており、尿失禁は,生活機能やQOL を低下させる要因です。その尿失禁の悩みに対してウォーキングで貢献することは可能なのでしょうか? 本日は尿漏れに対するウォーキングの効果について調べてみました。 尿漏れにウォーキングは効果的? 今回紹介する 地域在住尿失禁中高年女性を対象とした非対面での歩行・筋力トレーニングの効果について:無作為比較試験による検討 で

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