VOL.18 売上300%超え こんな成功方法もある
AKIHIROです。
今回はちょっといつもと違って、過去に実際にあった自分の成功体験をお話ししてみようと思います。
よく、成功をする為には経営的な戦略とか分析とか、何かそういったことがないと難しいんじゃないかと思う人もいるかと思いますが、時にはこういうことも起こるんだよということをお話しをしてみたいと思います。
自己紹介ページで書いたこと
『この店をなんとか立て直してくれ』
それはある日、突然会長(オーナー)から言い渡された辞令でした。
その後、流れとして、その店を預かった俺は全てを一からやり直すことに奮闘していくことに…。
まずはキッチンとホールスタッフの新たな募集から
幸いホールスタッフは以前にいたバイトの子が2人残っており、その後はその子たちの知り合いを呼んだり、募集をかけると早めに揃えることが出来ましたが、問題はキッチンのほうでした。
当時は27歳で経営的なことなど何も分からない俺が一般募集の料理人(職人)を使うことは難しいことを見越した会長は、助け船を出してくれ、知り合いの料理人を迅速に確保してくれることとなりました。
約半月程の期間を経てスタッフも揃い、皆に協力を仰ぐと、その後は、店がどうやったら再建して行くかを考えていきました。
まずはメニュー全体の見直しから
キッチンのリーダーと話し合いながら、それまでは余りに多彩過ぎたメニューを1/3程にまで圧縮し、まずは在庫の量を大幅に減らしていくことに徹しました。
また、当時はステーキ、ハンバーグもあればカレーもあるパスタもあるというようなメニュー構成をステーキ&ハンバーグがメインの、より専門的な店へとシフトしていきました。
テラス席まで合わせれば120席もあるようなそれなりの規模の店舗
店内にはハーレーが7台置いてあり、それだけでもざっと2000万近く。
更には店内装飾も凝りまくり、音響設備も最高レベルのものを導入、いざという時には店舗前方部分がステージのようになる造りは、会長に聞いたところによると店には1億かけた、と言っていたのも頷けるものでした。
店を預かっての2ヶ月程は、全てをイチからやり直すこととなった為に、売上自体は預かった時よりも更に酷い状態へと…。
正直、自分の中ではやります!とは引き受けたけれど、本当にこんなことを引き受けてよかったのかな…と考える日々が続きました。
【大々的に広告を出して、割引特典を付けて一気に集客をした方がいいんじゃないのか?】
キッチンのリーダーはそう言いましたが、毎月200万の赤字分を会長がこれまでずっと個人的なポケットマネーで穴埋めしてきたことを知っていた俺は、出来る限りは今はそういう大きなお金をかけたくない、、、
そういう方法は会長の求めているものとは違う…
経営に関してはど素人ながらも、どうしてもそこの部分に関しては、よしそれをやろう!とは思えませんでした。
しかし、、、
そうは言っても気持ちとは裏腹に、待てども待てども一向に上がってこない売上と客数…。
メニューも絞って専門性を出し、素材も良いものを使い、一度食べてもらえたら絶対に美味しいと言ってもらえるようなクオリティーは実現することが出来たのでは?
自分としてはそう思えるレベルになった自負があったにも関わらず、現実はなかなか厳しいものを痛感させられる日々が続いていきました。
店を預かってから半年程…
会長は一度任せると言ったらそれ以上の余計なことは言わない人で、黙って俺のやってることを見ていたとは思いますが、正直なところそれは俺自身も分かっていたこと…、
それが分かっているからこそ早急に何んとかしなくてはと、過ぎゆく日々に焦りを感じては、半ば少しばかり心も折れそうになっていた時のことでした。
毎日毎日、いつも必ずと言っていいほどにランチを食べに来てくれるお客さんがいることが目に入っていた俺は、ある時ふとそのお客さんの席へ行くと、こう尋ねました。
「いつもお店来てくれてありがとうございます。会社、お近くなんですか?」
そのお客さんはこう返してきました。
『会社はすぐ近くの◯◯◯株式会社なんですよ。
いやぁー、俺、この店の雰囲気が凄く好きでね。
店内に飾ってあるハーレーから店全体の雰囲気、お洒落なカウンターバー、あとはいつも流れている音楽もいい味出しているよね』
「そうなんですねー!?凄く嬉しいです!お名前なんて言うんですか?」
と、その日を境に俺はそのお客さん(Nさん)とは、Nさんが来店される度にいろいろな話しをするようになっていきました。
ある時のことでした。
店に突然、会長の会社の役員が数名が入ってきては、ディナーを食べた後に俺に向かってこう言いました。
『このままじゃ厳しいな。会長はこの店を手放したくないの一点張りだけど、君も収支を見れば分かるだろう?どうなんだ?君は今後この店をV字回復させることが出来ると思ってるのか?』
役員たちは俺がやってる努力の部分には触れることはなく、ただ数字のことだけを取り上げては、ダメだダメだと言いたい放題に言って帰って行きました。
その日は相当に落ち込み、流石に会長にその件についてを連絡しました。
会長は、あいつらのことは気にするなと。
これは俺の店だから、俺がお前に任せた以上は絶対に邪魔はさせない
と、最後の最後まで俺をかばうと同時に、大丈夫だ、お前なら絶対やれるからと言ってくれました。
翌日のことでした。
いつからかもうお客さんというよりも、半分友達のような感覚になっていたNさんに、俺は昨日に起こったことを正直に伝えました。
本来はいくら友達のような感じになっていたとしても、あくまでもNさんはお客さんであって、店の実情などは話すべきじゃない相手
それは分かってはいたけれど、その時の俺にはもうそこらへんの区切りもわからないような感じで、これまでの経緯の全てを彼に話してしまいました。
俺の話しを真剣な表情で、うんうんと頷きながら聴いていたNさんは、お会計の札を取ると同時に最後にニコッと笑顔を見せてこう言いました。
『俺、この店も店長のこともどちらも好きだよ。分かったよ、俺がこれから出来ることは協力する。俺、この店がずっとココにあって欲しいからさ』
翌日のことでした。
「いらっしゃいませ!」
スタッフの子たちが一斉に玄関から入ってくるお客さんに声掛けをすると、そこにはNさんを筆頭に4人の同じ制服を着た人たちの姿がありました。
Nさんが連れて来たお客さんたちはランチを食べ終えると、会社の近くにこんなに美味しくていい店があったなんて知らなかったよ、と。
ハイチェアーのカウンターバーもあるってことは夜はお酒も飲めるんだね?
店内も凝っているしめちゃくちゃいいお店だねと、全員が大絶賛をしてくれました。
そこからのこと、、、
このようにして来店し始めたお客さんは、その後は数珠繋ぎのように広がっていき、気がつけばそこからは1ヶ月もかからない内にランチはいつも満席、
時には2回転する日もあるという程の大盛況へとなっていきました。
更にはそのうちにランチで店を知ったお客さんたちの一部が、仕事帰りは必ず寄って一杯飲んで帰る場所として定着してくると、その後はディナータイムの時間帯も満席が出てくる程の流れとなっていきました。
そして、その後はその店が更に超繁栄店となっていった理由があるのですが、それは何人かの常連客たちの要望で、この店でジャズなんか聞けたら最高だろうなという声があったのでそれを会長に相談すると、俺、知り合いにそういう関係の奴いくらでもいるぞと直ぐに手配をしてくれることに。
そこからは会長が声をかけたジャズバンドメンバーを交えたイベント(毎週金曜日の夜はフライデージャズナイト)は大反響を呼び、ジャズ好きな人たちからは熱狂的な支持を受けていきました。
いつ行ってもランチは満席、
夜のディナータイムも連日ほぼ満席、
土日は超の付くほどの混みようで、2回転することは当たり前、
おまけに毎週金曜日はジャズナイトで、予約をしなければ入店出来ない程に大賑わい、
このようにして、いつからか大繁盛店となったその店の売上は、店を預かってから約2年半で当初(預かった時は月商300万程)の300%超え、900万を超える程となりました。
そう、ただ…、
今回お話ししたこのような成功物語りですが、、、
実はその起点となったのは、ある時に話しかけて仲良くなったNさんという人物、その人が居なくては起こり得なかった話し。
Nさんのことは後で知りましたが、そのレストランの裏手にあった◯◯◯株式会社(東証一部上場企業)の部長で、尚且つ部下たちからも人気があり、人望的にもとても慕われていた人。
その人が、その時は本気になって俺のことを応援してあげたいと、自分が好きな店の何かの力になりたいと思ってくれたことから始まった奇跡のV字回復物語りは、普通の一般的な経営的な戦略とか、やり方とは全く異なる方法で成し遂げられたもの…。
一時は本当にもうどうしたらいいのだろう…と。
会長が俺に賭けてくれたにも関わらず、成果を出せないことで会長の大好きな店を守れないことは何よりも避けたいという思いがある中で、
結果としては、その時はこのような方法で乗り越えることが出来たこと、また、それまでには思ってもいなかった方法で、思ってもいなかった以上の成果を出すことが出来たことは、俺にとってもとても大きな学びだったと今でも思っています。
いかがだったでしょうか。
世の中にはいろいろな経営のやり方、考え方もあるかと思いますが、時にはこのようなやり方でも成功を手にすることもあるんだよ、ということを今回は少しでもお伝え出来たらいいなぁと思ってこの記事を綴りました。
出来るだけ簡単に書いたつもりだったけど、また4000文字を超えるものとなりました。
最後までご拝読ありがとうございました。
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