見出し画像

体内の螺旋階段ひかりだす今、わたし、どこ、誰、いつ、なにを

こんばんは~
かさねぎリストバンドのダムでの演奏、ダムも含めてひとつの生き物というか、生命体のようでめちゃ良いですね。巨大な生物の体の内部の音の一部みたいな、、

この前の雨のあらかわ遊園で観覧車に乗った時間から、短歌とテキストができました。🎡

***

観覧車の窓にとまりて雨粒の天へと昇る音のなき音

10月の夕方、雨音を聞きながらこれを書いている。
雨音って、小さい頃はなんとなく降っている雨そのものから鳴っている音かと思っていたけれど、降っている雨そのものからはほとんど音はせず、空から落下してきた雨が樹々の枝葉や屋根や傘やそして地面などの、雨以外のものに触れる瞬間に鳴る音らしいということを知ってから、わたしの中で雨音は、雨が雨でなくなる瞬間の音となった。
雨は雨以外のものに触れた瞬間に弾けてくずれて、雨という名前を失くし、かたちを変容させつつ知らない場所に流れて、雫、とか、水溜まり、とか、その名前を次々と変えながら、やがてどこかの川や海やみずうみへと辿り着いたりする。
空で生まれ、落下しているあいだのあの静かな水を雨と呼ぶのなら、雨のいのちはとても短い。

その日も雨だった。
久しぶりに観覧車に乗った。街中にある小さな遊園地の小さな観覧車は約9分で空を一周する。
透明な車体は地面をゆっくりと離れ、灰色の口をだらだらとひろげるようにのびてゆく川や、川沿いを歩く一人と二匹、上から見ると八の字を描いていたことがわかる小さなコースターの黄色い線路、いつの間にか指先でつまめるドロップのようになってゆく家々の屋根の鮮やかさなんかを眺めながら、からだはもこもこと膨らみつづけ、やがて街の景色を丸飲みしているような心地がした。(この日の夜に部屋でひとり踊っていると、観覧車からの景色もろとも踊っているようで楽しかった)
ふと、観覧車の車体の窓ガラスについた雨粒たちに目が止まった。
雨は、地面に落下してゆくことを拒んで、身をちぎり、雨粒となって、なんとかそのかたちを保ちながら、窓ガラスに留まっているのだろうと、そんなことを思った。透明な車体はわたしたちのからだを乗せて、たくさんの雨粒ごと、ゆっくりと上昇をつづける。

***


体内の螺旋階段ひかりだす


2023.10.11 涌田悠


--

遅くなりました!
動物ふれあい広場の子ヤギのことを思い出してる日々です。かわいかったな〜〜
—-
今日の出来事をかきます。

仕事関連の取材?で、足立区梅島に行ってました。
成和信用金庫梅島店の前あたりで、本当に道に迷って(自分がどこにいるのかわからなくなって)弱っているおばあさんに出会いました。
少し離れたところにある「人工関節センター病院」へ行きたくて、電車やバスに乗らないといけない場所なんだけど歩いていけると思っているようでした。
私たちより前に他の人にも尋ねてメモを書いてもらったようだけど、それもうまく理解できていない感じでした。
ちょっと、台本的に書き起こしてみようかな。
—---
(☆の言葉は同時に発語、★の言葉は前の言葉を食って発語)
おばあちゃん あの、すいません、
わたし はい
まい ☆はい?
おばあちゃん あのね、この、苑田会人工関節センター病院っていうところにね、行きたいんだけど、どこにあるかわかります?
わたし え〜〜〜〜っと、
まい ★んーー
わたし (スマホを取り出し、検索する)
おばあ あのね、石田先生っていう人に会うんだけど、石田先生だから…
まい ★ええ、ええ、今調べてくれてるから、ちょっと待ってくださいね
わたし 竹ノ塚?
おばあ ずっと行ったり来たりしちゃって、辿り着けなかったんです、困っちゃって
まい そうなんですねぇ(スマホを取り出し、検索する)
わたし これ電車に乗らなきゃダメかも。バスは?
まい ★ん、違うか?
わたし 竹ノ塚からバス?
まい ★そこのバス停は・・・違うんか
わたし あの、ここからまっすぐ行って渡ったところにね、梅島駅があるんです。そこから電車にちょっと乗って、竹ノ塚っていう駅に行って、そこからバスに乗りますよ
おばあ あのね、ずっと行ったり来たりしちゃって、さっきこれ、教えてもらったんですけど、私、苑田会人工関節センター病院っていうところにいかなくちゃいけないから。

差し出したメモには、竹ノ塚駅 ▲▲車庫行き ××前下車と書かれている。

おばあ 車庫に行きたいんじゃないのよ。困っちゃって。
わたし あ、大丈夫ですよ!!このバスに乗ったら、ちゃんと病院に着きますから!
あってますあってます!駅から車庫までの間に病院があるんですよ!
まい うん、あります、あります
わたし ★安心してくださいね?
おばあ …そうですか?すいません。
わたし とりあえず、一緒に駅まで行きましょうか?
まい うん、いこう(目を合わせる)
わたし ねー
おばあ はい、すいません。足もね、腰も痛くて。
わたし そうなんですねぇ
まい つらいねぇ
おばあ 手術もしたんだから、、これ、身体障害者手帳
わたし そしたら遠い病院行くの大変ですね、辛いですよねー
おばあ そうなの、もう、生まれた時からね、脱臼してたっていうんだから
わたし あらー、それは大変でしたね
おばあ あのね、これ、私、苑田会人工関節センター病院っていうところにいかなくちゃいけないんです。車庫じゃないんですよ。
わたし ね、そうですよね。でも、メモの通りに行ったらちゃんと病院に着けますから大丈夫ですよ
おばあ 10月18日にも診察の約束してたんだけど、今日は11月でしょ?
まい 今日だ!あってますよ
わたし あってます、バッチリです、今日ですよ
おばあ そう?今日なの?
まい はい、あってます。時間は・・・
わたし 大丈夫!今日着けばなんとかなる!
まい だよね!
わたし ちょっと駅員さんに声かけてくる
まい うん

===


体内の螺旋階段ひかりだす

今、わたし、どこ、誰、いつ、なにを


2023.10.18 石原朋香


►►►

涌田悠企画 新作公演
《じっくりとみんなでつくる短歌deダンス》vol.2
短歌を詠むダンサー・振付家 涌田悠×ヴォーカリスト 田上碧×俳優 石原朋香
『ヤッホー、跳べば着く星』
2024.3/22(金)‐3/24(日)@水性(東京都・中野)
公演詳細はこちら🕊️

『ヤッホー、跳べば着く星』〈衛星連歌日記〉記事一覧はこちらのマガジンページから🛸🌠📙

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?