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発達障害といじめ(小学校編①)

私は以前、スクールカウンセラーとして何校かの小学校に勤務していました。保育園や幼稚園では、”いじめ”はあまり聞きませんが、残念なことに、小学校”に入ると”いじめ”はあります。(;´Д`)

特に、発達障害がある児童がいじめの対象になることがあります。というか、”嫌われてしまうことがある”といった方が正しいかもしれません。

”いじめ”につながりやすくなるのは、AD/HD(注意欠如多動性障害)の男児です。AD/HDの特性から、授業中にじっとしているのが難しく、本人は悪気なく授業を妨害してしまったり、衝動性が高いため順番を守れないなど、他児とトラブルになることが多いです。そのため、担任から注意されることも多く、本人はとても辛い思いをします。

以前、相談をお受けしていた、自閉症スペクトラム障害の2年生の男児は、興味がない授業の参加が難しく、突然、ふらっと1階の教室から校庭にでては、ヘチマを見に行っていましたが、担任はその行為を認めていました。また、校長先生も理解がある方で、校庭にいる男児に付き合っていました。

別の2年生男児(自閉症スペクトラム障害)は、常に鉛筆や消しゴム、机などを舐めては、ツバをつけるこだわりがありました。しかし、自分の持ち物に限定していたため、担任も厳しく注意することはありませんでした。

この男児らは二人とも、嫌がらせを受けていましたが(保護者や学校は心配していました)、いじめられていることに、気がついていない様子でした。

このように、低学年の自閉傾向の児童は、他者からどの様に見られているのか(他者視線)分かりにくいため、いじめられていることに気が付きにくいです。しかし、高学年になると、授業でペアを組む相手がいないなど、あからさまな態度をされることも増え、辛い思いをしていることも少なくないと思います。

では、どの様な対応をしていけばよいのでしょう?
発達障害のお子さんに関しては、やはり『環境調整』が基本だと思います。

なぜなら、低学年の子どもの場合は、発達障害の特性からみられる問題行動を、簡単に変えることは難しいからです。また、周りの児童も幼く理解を求めにくいため、担任や学校が特性を理解し、彼らの行動をある程度認める(注意しすぎない⇒他児から嫌われにくくする)ことが必要だと思います。

そのためには・・・
■入学前
①所属している保育園や幼稚園に、”小学校への申し送り”を依頼する。
(※保護者から依頼がなくても、配慮が必要だと感じるお子さんに関しては園から小学校に提出しています)
②入学前に小学校に面談を申し込む。
(”申し送り”を依頼済でも、書面では伝えきれていないことも)
■入学後
③担任に子どもの特性を伝えていく。
④積極的に必要な配慮を求めていく(通級検討も含め)。
⑤子どもに友達がいなくても、本人が楽しそうであればあまり気にしない。⑥子どもが学校に行きたくないなら、それでもOK!と考える。
⑦子どものタイミングの成長を信じる。

不安を煽るような記事を書いてしまったかもしれませんが、学校には、お子さんに直接的に関われる応援団(担任、副校長、校長、養護教諭、スクールカウンセラー、巡回心理士、補助の先生)が沢山います。
何かあったら抱えこまずに、どんどん学校に相談していってくださね。

では、次回は、高学年の対応についてお伝えしますね。



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