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アルケミスト

 

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 最近、ひとりで行けるお店を新規開拓している。

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 本棚にはいりきらない本がカウンターまではみだして、軽くひと席分は占領していた。ただでさえ、席数のすくない小さなお店なのに、こういうところに店主の人柄とか、お店の本質ってみえる気がする。

こんなにたくさんの本、全部読んだのかな、すごい。と思いながら眺めていたら、数冊は付箋がめちゃめちゃ貼ってある。

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 ずいぶん読み込まれたアルケミストを手に取って、付箋を頼りに飛ばし読みする。中には、鉛筆で線が引いてあったり、ページの角が折ってあったり。

 私が店に入って、サンドイッチとコーヒーのセットを注文したらすぐ、4組もお客さんがあとに続いてしまった。ひとりでお店を切り盛りする若い店主の人柄は、話しかけずとも、カラフルな付箋を追いかけていたら少し知ることができるような気がした。

 宝物を探して旅に出る少年の話。そして私はこのタイミングで、この店にきて、昔読んだこの本を再び手に取った。好きを極めて日々コーヒーを淹れる店主の想いと共に。



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