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プラン_ゾーニング

コンセプトとリフォームの方向性を踏まえながら、プランニングを進める。
我が家の家族構成は小学校低学年の娘と妻の3人。購入した民家は3人だけにとっては充分過ぎる面積があり、先にも書いた通り蚕室造りのシンプルなラーメン構造であるため、既存の構造を残しながらも自由に平面レイアウトができる。コストを抑えるために水回りの場所はそのままにし、家の中心となるリビングを居心地のいい空間にすることを一番に考えプランを組み立てた。

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結果的にリビング・ダイニングは41.5㎡(約25畳、赤色部分)を占める大空間となった。この大きなスペースは、高い気密断熱性能と約1/4の面積を占める大きな吹抜けによって快適さが担保されている。気密断熱性能が空気のコントロールを可能にし、大きな吹き抜け開口を設けることでリビングと各個室間の、人や空気、光、視線の通り道を確保した。つまり、吹抜けがリビングに視覚的な広がりを作り出し、1・2階の南面の窓からは吹抜けを介してリビングに光が差し込む。このことでリビングの低い天井高の問題が解決される。そして、冬はリビング中央に設ける予定の暖炉からの暖かい空気、夏はエアコンからの冷たい空気がシーリングファンと各室の換気扇によってフロアをまたぎながら各室へ緩やかに送り込まれる。いずれ作ろうと思っている暖炉の煙も、吹抜けに煙突を通すことができるので簡単に真直ぐ最短距離で外に排気することができる。さらに、階段を掛けることでリビングを中心とした無駄のない動線を作り出した。

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プランのもう一つの大きな特徴は、階段を上がると現れるの2Fホール(青色部分)。このスペースは、リビング同様吹き抜けに接しているので開放感があり、眺めが良く、日当りもあって暖かく、居心地を良くする条件が揃っている。この空間を各部屋への動線、空気や光の通路のためだけの空間としておくのは勿体ないので、敢えてボリュームを持たせて共用のスペースを作った。セカンドリビングともいえるこの共用スペースは、実際、遊び場、運動、演奏、物干し、グリーンなど様々な用途にとても重宝している。リビングの気配を感じられる安心感からか、子供達はこの場所におもちゃを広げ遊ぶことが多く、犬にとってもお気に入りの場所になったようだ。

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これらリビングダイニングと2Fホールを合せると家の面積の約半分を占めることになる。対して、各個室は4.5〜8畳と大きくない。共用スペースを大きく快適に作ることで使い勝手を良くした分、各個室は個人の私用に特化させることができると考えたからだ。快適な空間を作れば、リビングに滞在する機会と時間は自然に増える。快適なリビングを作り上げることは、結果的にリビングを中心とした生活を促すことになるはずだ。

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