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長野県 佐久穂町への移住をきっかけに築100年弱の古民家を購入。 東京との2拠点生活を…

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長野県 佐久穂町への移住をきっかけに築100年弱の古民家を購入。 東京との2拠点生活を送りながら、人生初のマイホームを、地球環境に配慮しながらフルリフォーム中。 株式会社SLOPE 代表 http://www.slopeworks.net

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  • 古民家を高性能住宅へ

    築100年弱の古民家フルリフォーム体験記。 資金調達からデザイン、メソッド、その思考まで、インテリアデザイナー自らが、地球環境に配慮しながら、古民家を現代の高性能住宅にリノベーションしていく過程を綴る。

最近の記事

プラン_高気密高断熱

古民家を新築住宅のような高性能住宅へと生まれ変わらせることは、このプロジェクトの最も重要な課題の一つだった。家を『住むための道具』としての側面からみた場合、良い雰囲気に改装された古民家再生住宅であっても、そこで無理なく快適な生活を送ることができなければ本当の意味での再生とはいえない。さらに、地球環境からみれば、エネルギー消費を抑えることができる燃費のいい家へとアップデートすることは、住宅をフルリフォームする上では必須の課題に思えるからだ。 家のエネルギーの消費を抑えるには、

    • コンセプト

      リフォームとこれからの住宅の在り方について自分なりに考えた上で、以下をこの古民家リフォームする上での基本的な考え方=コンセプトとしました。 ・使えるものはできるだけ活用する ・高性能住宅を目指す ・現在の暮らしにあった家 ・less is more ・手間を惜しまず、自ら手を動かす ・使えるものはできるだけ活用する モノを大切に長く使うことこそリフォームの真意であり、環境負荷を減らすことができるという考えのもと、建築、家具、設備、残置物はでき

      • プラン_ゾーニング

        コンセプトとリフォームの方向性を踏まえながら、プランニングを進める。 我が家の家族構成は小学校低学年の娘と妻の3人。購入した民家は3人だけにとっては充分過ぎる面積があり、先にも書いた通り蚕室造りのシンプルなラーメン構造であるため、既存の構造を残しながらも自由に平面レイアウトができる。コストを抑えるために水回りの場所はそのままにし、家の中心となるリビングを居心地のいい空間にすることを一番に考えプランを組み立てた。 結果的にリビング・ダイニングは41.5㎡(約25畳、赤色部分)

        • 建物の特徴

          リフォームする上で、建物の特徴、特に、良いところと悪いところを把握することは、プランに取り掛かる上で重要な作業になる。建物の特徴を捉えた上で、活かすものは活かして変えるべきものは変えることがリフォームの醍醐味であると同時に、既存を無視したドラスティックな変更は当然コストアップに繋がってしまい、既存物件を再利用するメリットが薄れてくるからだ。 ホームインスペクションは、建物のコンディションの中でもどちらかというと問題のある部分に焦点を当て状況把握するものなので、建物をできるだ

        プラン_高気密高断熱

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        • 古民家を高性能住宅へ
          12本

        記事

          竣工写真

          Instagramに投稿した、第1段階完了後の竣工写真。

          竣工写真

          物件と購入理由

          以下が、空き家バンクに掲載されていた物件情報。 ・所在地 長野県南佐久郡佐久穂町大日向 ・賃貸・売買区分 売買 ・価格 260万円 ・間取り 木造2階建て 8K ・延床面積 233.05㎡ ・築年 木造2階建 築年数不明 ・設備状況 電気/プロパンガス/上水道/浄化槽/トイレ(水洗)/駐車場1台/庭/テレビアンテナ設置要 ・補修の要否 補修必要 ・スーパー 6.2km ・保育園 5.5km ・小・中学校 5.9km ・茂来学園大日向小学校 1.2km 既に何組かが契約を諦

          物件と購入理由

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          空き家バンク掲載 物件資料

          空き家バンク掲載 物件資料

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          物件探し

          移住先として選んだ長野県南佐久郡佐久穂町は、2005年に佐久町と八千穂村が合併してできた町で、戦後をピークに2万人弱人あった人口は1万人辺りまで減少。過疎化が進む山間部の美しい田舎町だ。 半分弱にまで人口が減っているのだから当然家は余っているはずだと、点在する空き家を眺めながら始めの内はそう思っていたが、実際はその逆だった。他の過疎化地域も同様なのではないかと思うのだが、田舎町にある家はきちんと相続されていないケースも多く、家主が既に亡くなられていたり所有権がはっきりしなか

          物件探し

          家の燃費

          僕の実家は札幌市にあって、外の寒さは厳しくても家に帰れば暖かい…というのが子供の頃の冬の当り前だった。大学で長野に出ると、家からその当たり前の暖かさはなくなっていた。住んでいた安アパートでは、朝起きると蛇口から氷柱がたれていることもしばしば。実家暮らしの友達の家にお邪魔しても、局所的にこたつで暖を取る家が多く、部屋全体が暖かい北海道のような家には出会わなかったような気がする。古い家は特にだが、比較的新しい住宅で比べてもその傾向は変わらず、長野では冬の寒さは耐えるものだった。北

          家の燃費

          リフォームの意義

          リフォームすることの意義は、「使えるものは使う」ことだと思う。 既存のものをどこまで再利用するのかによって程度は変わってきますが、少なくとも再利用する分だけ生産コストを下げ、新しく作った場合に必要なエネルギーの使用を抑えることができる。当り前の話で、作るエネルギーと使う資源を減らすことが出来るので、家に限らず、ものを長いこと大切に使う方が地球環境にとっては負担が少ない。 ここで、家が建てられてからどのくらいの期間使われているのかを国別に比べてみると、日本の住宅の利活用期間

          リフォームの意義

          家を持つということ

          昨年、生まれて初めて家を持った。 場所は長野県南佐久郡佐久穂町。娘の進学のため、急速に過疎化が進む集落へ移住することになり、そのタイミングで古民家を購入した。 瓦屋根と白い漆喰壁の四角い素朴な古民家は、大正か昭和初期頃に建てられた農家で、100年弱もの間その土地に存在し人々の生活をずっと支え続けてきたということになる。その状態の良さに、伝統的木造建築の強さと職人の技術に改めて感銘を受けるとともに前オーナーのこの建物に対する愛情を感じ、購入を決意した。 家を持つということは

          家を持つということ

          プロフィール

          若松 義秀(Yoshihide Wakamatsu) 株式会社SLOPE 代表 1976年北海道生まれ。 信州大学工学部社会開発工学科建築コース、 同大学博士課程前期修了後、2002年より(株)IDÉEに入社。空間設計を中心に、店舗・オフィス・住宅・イベント・プロダクトの企画・ 設計・施工・監理等、数々のプロジェクトに参加。 2008年独立。SLOPEとして空間設計を中心に活動をスタートさせる。 一児の父。 東京との2拠点生活を送り始めて現在6年目。

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