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〔翻訳〕昭和20年3月14日大阪空襲編(一部¥)

▼このページでは、管理人が持っている政治思想の左右や価値判断、余計な軍事知識の披歴はせず、「管理人が和歌山の空襲に関する見識を深めました」という立場で翻訳に徹します。また、意訳をしているところが多々あるので、この翻訳を使用される場合は原本と対照させ、納得なさった上でご使用下さい。
▼当該作戦任務は和歌山を目標としたものでないため、この報告書では、「和歌山」の文字は出てきません。
▼一部を除き、時刻表示は日本時間に換算しています。

この日の空襲後に米軍機が撮影したもの。

1.作戦指令書

ⅩⅩⅠ BOMBER COMMAND
FIELD ORDER No. 45
Mission No. 42
1945年3月13~14日

FROM:第21爆撃集団司令官

TO:
第73爆撃航空団
第313爆撃航空団
第314爆撃航空団

第21爆撃集団
グアム
1945年3月13日08:00K

作戦指令書45号(改訂)PEACHBLOW#1
地図プロット:日本飛行チャート1:218,880

1.
省略

2.
第21爆撃集団は「D」デイに最大戦力をもってPeachblow(訳注:大阪市のこと)の都市区域を爆撃する。
位置 34.39N 135.30E(大阪市)
照準点 第21爆撃集団リトモザイク90.25大阪都市を参照。

3.
a.第73爆撃航空団:

(1)離陸:
最初のパスファインダー機:ゼロ時刻の10分前
最初の主力機:ゼロ時刻
(2)エンルート高度:2,000ft
(3)爆撃高度:6,000~6,800ft
(4)照準点(MPI):
(a)098122:
028070(OAP)の北側1,000ydを照準点として使用する。
爆撃経路軸:真方位061度
必要な戦力:戦力の1/2
(b)091099
028070(OAP)の南側1,000ydを照準点として使用する。
爆撃経路軸:真方位062度
必要な戦力:戦力の1/2
(5)
第73爆撃航空団は、ホーミング信号を送るため無線ホーミング機3機を出撃させる。これらの機は、パスファインダー機の上陸と同時刻に33.49N 134.45E及び34.00N 134.38Eを周回飛行する。無線ホーミング機は、所定の位置に到着したら割り当てられた周波数で送信を始め、燃料が許す限り2時間送信し続ける。無線ホーミング機には、最も有能な機上無線員が搭乗する。
b.第313爆撃航空団:
(1)離陸:
最初のパスファインダー機:ゼロ時刻の10分前
最初の主力機:ゼロ時刻
(2)エンルート高度:1,000ft
(3)爆撃高度:5,000~5,800ft
(4)照準点(MPI):
(a)064083:
028070(OAP)の南側1,000ydを照準点として使用する。
爆撃経路軸:真方位062度
必要な戦力:戦力の1/3
(b)090079:
056059(OAP)を照準点として使用する。
爆撃経路軸:真方位063度
必要な戦力:戦力の2/3
c.第314爆撃航空団:
(1)離陸:
最初のパスファインダー機:ゼロ時刻の45分前
最初の主力機:ゼロ時刻の30分前
(2)エンルート高度:3,000ft
(3)爆撃高度:7,000~7,800ft
(4)照準点・爆撃経路軸・必要な戦力:
064083:
028070(OAP)の南側1,000ydを照準点として使用する。
爆撃経路軸:真方位062度
必要な戦力:全機
(5)
第314爆撃航空団の5機は最後に目標に侵入し、各機がM46写真閃光弾とK-19Bカメラを搭載する。写真閃光弾は焼夷クラスター弾投下の18秒前に投下する。
x.
(1)爆撃方法:
各機が最小間隔を保って爆撃する。爆撃計画ではレーダー爆撃を予定しているが、可能ならば目視爆撃も行う。
(2)ルート:
基地
25.00N 143.00E
27.15N 140.53E
33.49N 134.45E
34.1930N 134.4130E(IP)
目標
34.30N 136.30E
23.00N 144.00E
基地
(3)搭載する爆弾:
(a)パスファインダー機:
M47爆弾。ヒューズは頭部瞬間作動とする。B-7シャックルに懸架する。
(b)主力:
M69爆弾を含むE-28、E-36、E-46各焼夷クラスター弾。E-36クラスター弾のヒューズは目標上空2,000ftで開放、E-46クラスター弾のヒューズは目標上空2,500ftで開放する。
(4)パスファインダー機の搭乗員:
各爆撃航空団はT19クラスターアダプターを使うM47タイプの爆弾、さらに最低9名のパスファインダー機搭乗員を搭載するが、パスファインダー機は主力機の搭載重量+追加搭乗員と同じ重量で出撃する。これらの機には、最も有能なレーダー爆撃チームが搭乗する。
(5)爆撃行程での較正対気速度は250mphとする。
(6)爆撃の指示:
搭乗員は、爆弾投下前に、その位置に注意するよう指示される。さきの作戦任務では、目標の外側で発生した火災の場所に爆弾を投下してしまった。指定区域内に火災を集中させなければならない。
(7)投下間隔制御器の設定:50ft
(8)この作戦任務では、離陸前にピンとCAR-O-SEALワイヤーをヒューズから取り外す。
(9)全機は、投下間隔制御器が一通り作動した後に速やかに一斉投下する。ボムベイタンク搭載機は、変更がない限りA2及びA4投下装置の展開バーを使用する。
(10)弾薬の搭載:
第73、第314各爆撃航空団は、尾部砲塔のみに弾薬を搭載する。第313爆撃航空団は、尾部に加え下前と下後各砲塔に弾薬を搭載する。砲塔当たり最大100発を搭載する。
(11)射撃の指示:
尾部機銃手は、空中目標に対してのみ、また撃たれたときのみ発砲するよう指示される。第313爆撃航空団の側面機銃手のみ、目標区域に限って地上対象物を下砲塔から射撃することが許される。爆撃手は下前砲塔を制御できない。
(12)レーダー装置は、他機の爆撃行程を邪魔しないように、目標離脱直後から45分間は切っておく。
(13)レーダーが故障した機は、所定の高度で爆撃を行う。天候不良の場合は臨時目標を爆撃する。
(14)ゼロ時刻:13日18:00K(訳注:K時刻のため原文ママ)

4.
a.変更なし
b.これは第21爆撃集団作戦任務番号42である。

5.通信:
a.
(1)無線封止は、極端な緊急時を除きエンルートから目標まで実施する。
(2)無線ホーミング機は、予備のホーミング送信機とリエゾン発電機を各1台搭載する(第21爆撃集団規則100-37を参照)。無線ホーミング機に指定される高度、周波数、識別信号は以下の通り:
高度25,000ft 380kHz 識別信号F
高度26,000ft 437kHz 識別信号G
高度27,000ft 565kHz 識別信号D
(3)敵の妨害があるかもしれないが、これら3つの周波数のうち最低1つを開局しておくことが望ましい。
(4)接敵報告は、エンルートから目標までは行わない。接敵報告は復路の北緯28度以北でのみ送信する。
(5)各爆撃航空団は各爆撃中隊の1機を爆撃報告送信機として指定する。
(a)特別爆撃報告の内容は、目標上空到達時刻(GMT)、爆撃方法、雲量、爆撃成果、敵機と敵対空砲火の反攻からなる。
時刻 ― 目標上空(GMT)
目標の爆撃
P ― 主目標
V ― 目視
R ― レーダー
N ― 航法
雲量 ― 1~9/10で10/10はX
爆撃成果
A ― 広範な大火災
B ― いくつかの大火災
C ― たくさんの火災
D ― ところどころ火災
E ― 観測できず
敵戦闘機の反攻
A ― 強い
B ― 中程度
C ― 弱い
D ― なし
敵対空砲火の反攻
A ― 強い
B ― 中程度
C ― 弱い
D ― なし

LEMAY
第21爆撃集団司令官

MONTGOMERY
D/OPNS

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