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東芝の経営戦略(2020年6月発表)

皆さん、こんにちは。
記念すべき初投稿が10スキ以上頂けたので、
とても嬉しいRです。
#そんなに数字は求めてない
#でも気になる

前回三菱電機だったので、今回は東芝で行きます!
三菱電機、東芝ときたら、次は日立ですかね~。
#あえて別の企業を選ぶかも

東芝というと、あまり良いイメージがないですよね。
不正会計に、WH買収による巨額損失。

だからこそ、業績回復に向けた経営戦略って、
重要になります。

それでは内容を見ていきます!
リンクはこちら↓

1.東芝グループの目指す姿

東芝は2019年度から5ヵ年計画で、企業価値の最大化を通じて
株主価値向上を図るための中期経営計画「東芝Nextプラン」を策定しています。

主な柱は下記の2つ。
・基礎収益力の徹底強化
・成長分野への集中投資

そして東芝が掲げているスローガンは下記になります。

「世界有数のCPSテクノロジー企業を目指し東芝NEXTプランで
 収益力を確かなものに」

CPSテクノロジーって言葉はあまりなじみがないと思います。
簡単に言えば、今話題のIoTと似ています。

東芝がこれまで培ってきた製品を通じてデータを収集。
それをインターネットの世界で分析。その結果を製品に生かすことで、
付加価値を高めるということです。

具体例として挙げられるのが、発電所のオペレーション最適化。
電力の重要予測、燃料費などの運用コスト、突発的な事象に関する
データを分析し、最も効率の良い発電所の運用をしていく。

また前回投稿した三菱電機の鉄道のメンテナンス同様、東芝も
エレベーターのメンテナンスでこのようなデータ分析・効率的な
監視・保守を行おうとしています。

今の時代、付加価値を生み出すためにはデジタル技術が必要不可欠なんですね。だからエンジニアとかも重宝されるんですね。

ただ、今回の東芝の経営計画書で特筆すべきなのは、地に足のついた
財務戦略にある
と思います。

結局、新しいサービスを生み出していくためにも、お金を稼ぐ必要があるので、業績を向上させなければいけません。

ある意味、今の東芝の経理・財務の方は重要な役割を担っています。

では、その財務戦略、そもそも東芝って何やってるの?って所を見ていきますね。

2.東芝の事業

東芝の事業領域としては、以下の7つになります。
・エネルギーシステム(発電、送配電、粒子線治療装置など)
・インフラシステム(上下水道、道路、鉄道交通、モータ/ドライブなど)
・ビル(エレベータ、エスカレーター、家電、照明器具)
・リテール&プリンティング(コピー機、インクジェットなど)
・デバイス&ストレージ(半導体製造装置、パワーデバイスなど)
・デジタル(業務ソリューション、AI・アナリティクス、セキュリティなど)
・電池事業(リチウムイオン二次電池など)

思ったよりも色々やってますね。
皆さんがなじみのあるものは、家電やエレベーターぐらいでしょうか。

特に中核事業と据えているのが、インフラサービスです。

戦略として掲げられていたように、デジタル化・データ活用を通じて、
保守・更新、製品の差別化を目指しています。

加えて、精密医療(がん、生活習慣予防)や、暗号鍵供給サービスなどの
新規分野の開拓も目指しています。

まあ、前提として強みであるインフラサービスでいかに安定した収益を
確保できるか次第ですね。というわけで財務戦略を見ていきましょう!

3.東芝の財務戦略

まずは業績から見てみましょう。
・売上高:2019年実績 33,899億円(2018年度 36,935億円)
・営業利益:2019年度実績 1,305億円(2018年度 354億円)
連結最終損益:2019年度実績 ▲1,146億円(2018年度 10,133億円)

あえて、連結最終損益を記載したのは、東芝は今過渡期にあるという
ことを伝えたかったからです。

基礎収益力の強化として東芝か掲げている4本の柱が下記になります。
・構造改革(非注力事業からの撤退、人員最適化、子会社削減)
・調達改革(原価率の低減、主に材料費)
・営業改革(営業コスト、プロジェクト受注審査)
・プロセス改革(製品モジュール化、IT刷新)


このうち注目すべきが構造改革。

非注力事業から撤退するので、東芝は2019年度にLNG(液化天然ガス)事業を売却しました。

ちなみに液化天然ガスというのは、動物や植物の死骸が分解されることで生成された天然ガスを冷却することで液体化したものです。

火力発電所の燃料とかに使われますが、石油や石炭といった化石燃料と比べて燃焼時の二酸化炭素排出量が少ないので、クリーンなエネルギー源と呼ばれています!

LNG事業は最大1兆円の損失が懸念されていたとのことなので、今回手放したんですね。(なんか輸送方法とかで莫大な費用支出が懸念されたとか)

業績の悪い事業を売却したので、結果的に損失のほうが大きくなり、
2019年度の業績に大きく響きました。
(売却なのに赤字になる理由は、簿記で言う「負ののれん」と話しがつながってきます。)

また半導体事業でも大きく赤字を出しています。

このような事業売却も含めて、東芝の構造改革は以下のような流れで進んでいると考えられます。

非注力事業の撤退

規模が減るので、人員などの固定費削減

さらにIT化による業務プロセス改革によりさらなる固定費削減

原価低減による注力事業の収益力向上

企業価値の向上、積極的な投資

このような流れで基礎収益力を向上させています。
その結果、固定費は2018年度の11,150億円から650億円ほど削減予定です。
結構削減してますね。

業績の推移を見ると、営業利益は比較的安定して稼げているので、
成果は表れていると思います。


4.コンプライアンス

不正会計の問題もあったので、ここの強化についても経営計画書には
詳細に書かれています。

・数字だけでなく行動評価も重視した人事制度の確立
・ITシステム整備による人員ミスの防止と見える化
・社外の目で牽制機能を強化するための有識者会議の新設

その他にもコンプライアンス教育投資の拡大なども行っています。

二度と不正を犯さないために必要なのって、従業員の意識だと
個人的には思っています。

ダメなものはダメだと言える雰囲気、そういった体質を変えていかない限りはまた同じような過ちが起きるのではないかと思っています。

とまあ、内部事情をよく知らない一社員からのコメントでした。

5.まとめ

まずは基本的な収益力の向上がどれくらいできるか。

これは、経営者と経理・財務の腕の見せ所だと思っています。
かつて日立がV字回復をしたように、改革を実行できるかどうか。

その意味で、定期的に東芝の業績見通しや、経営計画書などを見てみるのも
面白いと思います。

一応僕も経理なので、読んでいて面白かったです。

簿記を勉強していると、色々繋がってくるので、ぜひ3級でも良いので
勉強してみてください!

最後まで読んでいただきありがとうございました。

P.S 現在休職中なので、ブログ書いてます。心理学や生活習慣、読書レビューを書いてます。↓










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