関係性とアワビの話
関係性で愛さない
先日、素敵な言葉を目にした。
ウェブメディア「Palette(パレット)」編集長AYAさんの「関係性で愛していない」という言葉だ。
その記事はこちら。
該当の言葉は記事の中盤に登場する。
この記事は「人の可能性が広がる瞬間を捉え、伝えていく」をコンセプトに活動しているNPO法人soarによって運営されているメディア「soar」のもの。
「『こうあるべき』を、超えてゆく。」をテーマにLGBTQやフェミニズム、多様性について、読みやすい漫画やインタビューを通して発信しているウェブメディア「Palette(パレット)」の編集長、AYAさんをsoarがインタビューした記事となっている。
「Paletee」さんの自己紹介はこちら!
soarの記事の中で、AYAさんが自身のパートナーとの関係を話している部分があり、それが特に印象に残っている。
(https://soar-world.com/2019/07/04/palette/)
「(パートナーのことを)関係性で愛していない分、逆にすごく労力がかかる」と話す一方で、関係性のラベルを剥がすことで、一緒にいられる幸せに感謝の念を持っているというAYAさん。
この部分を読んだとき、私は「人をどう愛するかは自分で決めていいし、決めることでより相手を大切にできるのかもしれない」と感じた。
彼氏だから彼女だから、親だから子だから、ではなく、自分と相手がどんな関係でありたいかを自分たちで考える。本当はずっと人と一緒にいるのは苦手なのにパートナーだからという理由で一緒に旅行にいこうとしたり、子どもだから親の介護を自分でがんばらなくてはいけないと無理をしたり。
関係性のラベルに縛られて人を愛しても、それは主体的に愛することにはなってない。本当に自分はそれでいいのか?と考えるきっかけをくれた記事だった。
アワビもらいました
突然だが、ここで「パートナー」と「クリスマスプレゼント」という話題に関して、関係性概念に縛られない人間をご紹介したい。
結論から言うと私のパートナーの話だが、その人物は私に毎年クリスマスプレゼントをくれる。
互いに20代半ばの若者なわけだが、彼が最初に私にくれたクリスマスプレゼントは、アワビだった。
読み流されてしまっていそうなのでもう一度繰り返すと、アワビ、鮑、あわびだった。
ちなみに、過去にもらった他のクリスマスプレゼントは
・馬刺し(熊本産)
・川棚牛(高級和牛)
・今思い出せないけど魚
である。
確か最初の年は、「恋人同士ってアクセサリーとかプレゼントするんじゃなかったっけ」という戸惑いを感じた気がするが、もう遠い昔に思えてあまり記憶がない。
彼のコンセプトは「わかこさんにおいしいものを」だそうで、毎年冬が近づくと「今年は海の幸にしようか山の幸にしようか」と悩んでいる様子が見受けられる。
我が家では「お歳暮」と呼んでいるが、彼は「クリスマスプレゼント」と強調する。そうなんだ。そうだよね。ありがとう。
言うまでもないが、私は彼に出会ってから、パートナーに関する概念がガラリガシャンガシャンと変わった。年の瀬に生きたアワビをクール便で送ってきて、慌てた私が電話すると「どう?おいしそうでしょ」と喜び、泣きながらアワビをさばく私を電話口で励ます人間なのだ。
パートナーだからこういうものを、ではなく、この人にはこういうものを。
AYAさんのお話とはだいぶ方向性が変わってしまったが、要は「関係性ラベルではなく自分自身、その人自身のことを大切にしよう」ということが言いたかったのである。
まだまだ先だが、私は今年もパートナーからのクリスマスプレゼントを楽しみにしている。
【鮑】
しまった、
【完】
読んでくださってありがとうございます!