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【6歳】ドレミじゃない音

これまで日本舞踊以外にも、さまざまな習い事に通いました。

ピアノ、お絵描き教室、幼児教室、書道、料理教室、塾、水泳、英会話、空手...

中でも3歳から小学校3年生まで習ったピアノ教室が最も長くお世話になった習い事です。

小さい頃から、よく音あてゲームをしながらドレミを教えてもらい、

これは「ド」、これは「ファ」がわかるようになりました。

いつしか街中や、話し声、ディズニーのビデオのセリフも

いつもピアノで弾いている音より高いけれど「ソ」の音だとか、

考えるようになりました。

ドレミファソラシド がピタッと認識できるようになり、

その音が聞こえると、しっくり聞こえた感触ができたころ

もう一つの発見がありました。

いつも聴いている日本舞踊の音楽はドレミと少し違う...

三味線やお唄、太鼓、鼓、笛

国立劇場の舞台を観に行く時などに、意識して聴いてみると

ドレミでは表現できない音だということにはじめて気が付きました。

客席では騒がない、ママに話しかけない、の暗黙ルールでしたので

じーっと音楽に耳を傾けながら、その発見を自分で探っていました。

子供ながらに「ド」がきこえた!という感覚を

ピンときた感覚と捉えていたならば、

街の騒音などでドレミではない音を耳にすると、

なんだかピンとこない、スッキリしない音だなと思いました。

一方で邦楽はどのように聴こえていたかを思い出すと、

とても心地のいい感覚だったような気がします。

ピアノで習った音ではない、けれどもとてもホッとするような

落ち着く音楽でした。

今考えると

それは幼い頃から、両親のおかげで邦楽に慣れ親しんだということも理由かもしれませんが、

にっぽんの音楽には、わたしたちの身体に根本的に近いリズムを奏でているのかもしれないと感じるようになりました。

邦楽のリズムに身を委ねて、ほわーっとする時間は

日頃どうしてもせかせかと目の前の頃に集中してしまう自分の心や

身体をほぐして、もとあった状態に一旦還るような力をもっているのかもしれません。

にっぽんの古来から伝わる音階やリズムには、そんな非日常のようで最も日常に近い、素晴らしい力が隠れているのかもしれないです。

これからは、そんな幼い頃に発見した気づきを応用させながら

このなんとも言えない素敵な邦楽の力を、皆さまにも体感してもらえるように考えていきたいです。

日本舞踊家 有馬和歌子




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