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母親になって後悔してる?


『母になって後悔している』の英語版、『Regretting Motherhood』をあまりにストレートなタイトルに衝撃を受け、読んだ。
辛い。ページをどんなに先に進めても、この辛い感じが抜けない。何故かと言うと、自分が母親業真っ盛り中にもやーっと感じていたことががっつりと言語化されていた本だから。ページをどんなにめくっても、どの章に進んでもそんな箇所が必ずある。
自分は母親になって"後悔"はないが、母親業は違和感満載だったので、登場する母親達の言ってることの多くは痛い程分かり、ついつい頷いたりしながら読んだのだ。
著者は大学教授でこの本は彼女の研究の一部なので、人によってはサンプル数が少ないとか、レポートとしての説得力はどうなのか、といった感想もあるようだが、個人的にはこの切り口で研究に臨んだこと自体が目から鱗だ。
経済的にサポートがあれば、後悔しなかったか?
パートナーとの関係が安定していたら、後悔しなかったか?
理由は人によって違うし、一つじゃあない場合もある。子供が複数いたり、孫がいても、後悔している人はしているのだ。
興味深いのは、多くが、母親にならなかったとしても、バリキャリ指向があるわけではないこと。
そうなの、型にはめないでよね。自分の好きにしたいだけなんだから。

本書は結婚を決めた女性のみならず、カップルで読んで欲しい本だが、特に、子供が欲しいのかどうかぼんやり感じているカップルには読んで欲しい。その感じていることが、より明確になるかも知れない。

ともかく結婚関係は解消できても母親であることは一生解消できないものだから。

母親になる気はなくそれを実現させている著者の筋の通り加減が眩しい。


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