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エッセイ

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2015年3月の記事一覧

合コン二十年やりました(2)

三十歳を過ぎた頃、職場が変わった。環境が変わって合コンの頻度は減るどころかさらに加速していった。いつの時代も、どの場所に行っても、私の周りに集まる女性たちはみな、恋人を欲しているのだ。「類は友を呼ぶ」ということわざがあるくらいだから、最もな現象なのだろう。ここでは私の転職歴の多さを特権に、昔の会社、その取引先、従兄弟、考えつく限りの合コンやってくれそうな人脈という人脈をフルスロットルに活用し、尽く

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「アイドルになりたくて…」

 子供の頃の夢はズバリ「アイドル」。綺麗な衣装を着て、人前で歌って、声援を受け、同年代の男性アイドルとコントでイチャイチャし、時々水大会で水着姿を披露する。皆にチヤホヤされ、脚光を浴び、毎日が楽しくて仕方ないであろうその存在に果てしなく憧れた。本当はアイドル達の笑顔の裏に隠された血のにじむ苦労などあるのだろうが、片田舎に住む女児には知る術もなく想像もしない。

 私の小学生時代花のアイドル全盛期だ

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合コン二十年やりました(1)

 合コン…それは男女合同の飲み会(=コンパ)、つまりは「男女合同コンパ」は、略称「合コン」と呼ばれ、その文化は一九七〇年代から始まったといわれている。すでに四十年近くの時を経て、若い男女の間で形を変えながら夜な夜な楽しまれてきた「合コン」。近頃では、高齢化社会に比例してか、この合コン実施平均年齢も高齢化しているように思われる。

 私が長きに渡りこの年齢までおこなってきた合コン。どれだけの場数を踏

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「日々新たなり」。

「日々新たなり」。これは、実は私のじいさんの自叙伝のタイトルだ。

父方のじいさんは実は生前に、自費で自叙伝を出版していた。

じいさんの自叙伝「日々新たなり」は、こう始まる。

人生の過ぎ去ったひと齣ひと齣を思い起こすと、その時その場所、その人との哀感が時の隔たりを感じさせず実感となってよみがえる。。。。

現職をおえ、余生を送るようになってから書き始めたらしいこの自叙伝の「まえがき」を読んだと

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