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職人さんの紹介

こんにちは。寺院営業部のK池です。
先日、新カタログ発行のご案内と共に、お仏具の彩色をピックアップした特集記事を西日本の真宗寺院さま向けにお送りさせていただきました。(・・・ご覧頂けましたでしょうか?)

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その中で、お仏具の製作に欠かす事のできない様々な職人さんの紹介ができないかと、以前から思うところもあったので、今回『若林通信』という職人さんの紹介記事を編集させてもらいました。

お仏具には多種多様な職人さんたちが携わっています。
大元になる木地を製作する『木地師(きじし)』、下地を整え漆を塗る『塗師(ぬし)』、漆を塗った表面に金箔を押す『箔押師(はくおしし)』、漆を塗った箇所をさらに艶を引き出し磨き上げる『蝋色師(ろいろし)』。
ほかにも彫刻を専門とした『彫師(ほりし)』、金具飾りを製作する『錺師(かざりし)』、そして岩絵具や泥絵具などを用い彩色を施す『彩色師(さいしきし)』などがあります。

今回は彩色特集という事で、その『彩色師』にスポットを当てインタビューしました。わたしたちも今まで知らなかった職人さんの経歴や、その人柄など、普段とはちがう表情も見る事ができました。
短い記事ですが、ぜひ多くの方にお読みいただきたいので、こちらに転載させていただきます。

若林の職人さん、おもしろい人まだまだいます!今後も若林通信にご期待下さい!

~若林通信~
第一回 中嶋美術制作所


京都市北区、世界遺産としても有名な上賀茂神社を更に北に行くと、中嶋美術制作所の工房がある。

「幼少期から絵を描く事が好きで、小学3年生頃からほぼ毎日4~5時間は机に向かって絵を描いていました。」

そう話してくれたのは工房の代表の中嶋正起氏(50)。若林佛具製作所での仏具彩色や障壁画等を手掛けている。
仏具彩色の仕事に就く前は、香港での貿易関係の仕事にも就いていたという。

「そこからの縁で、ヨーロッパ向け家電のデザインをする事もありました。その際にデザインした家電がラスベガスでのショーに出展され、ハリウッド映画で使用したいという依頼があり、感動した覚えがあります。」

デザインの仕事の経験後、京都に戻り、幼少より好きだった絵描きの腕を活かした仏具彩色の道に進む。

「近年の世情を鑑みると、物に溢れた時代を過ごしてきた世代の高齢化に伴い、物質主義から脱却し、より強い精神性を求められる時代が来るような気がします。」

今年で工房を立ち上げ20周年を迎え、印象に残っている事を尋ねる。

「彩色(障壁画)が完成した時に、坊守様が感動して涙を流されたり、お納めした作品の前で、ご住職がじっと絵を眺めていられたりというお話しを聞いた時などは達成感がありますね。
また、同じお客様から次のお仕事を頂いた時は、自分達の仕事が評価されたと素直に嬉しいです。」

そんな中嶋氏の工房には、女性の姿が多く見られる。美術学校の卒業生を採用すると必然的に女性が多くなるという。

「工房内ではお互いに笑顔でいられるように、ニックネームで呼び合うようにしています。」

仕事もプライベートも含めて楽しむ事を大切にしているという中嶋氏。息抜きや趣味について楽しそうに答える。

「仕事を終えた後の晩酌です。出張時にスタッフや仕事関係の方々とその地域の美味しいものを頂きながら呑むお酒は格別ですね。」

最後に今後については。

「伝統も守りつつ、変化に対応していく事も大切だと考えています。彩色の新しいスタイルなど、ご要望があれば提案していきます。」

お客様の好みに合わせた提案力も、豊富な経験を持つ中嶋氏の魅力である。

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営業部 K池




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