見出し画像

日常を発信する素敵な人たち

今さっき銀色夏生さんの『1日1個川原にパンを拾いに行く。つれづれノート38』を読み終えた。38って本当にすごい。わたしが中学1年生の頃、つれづれノート1が出て、田舎の本屋で買って「こういう大人の生活憧れる〜」と思ったものだ。それ以降、折にふれて読んでいる。

銀色夏生さんは詩人、エッセイスト、写真家、作詞家。『これもすべて同じ一日』『君のそばで会おう』など写真と詩の本を出している。中学生の頃から大好きな本。

そんな銀色夏生さんのエッセイは淡々とした日常を書いたエッセイ。ところどころに素敵な言葉がちりばめられている。今回のつれづれノートでは、以下の言葉がよかった。本の最後の最後。

どんなことが起こってもパニックにならずに2年(本当は3年と言いたいところだけど3年は長すぎると思うかもしれないから)とりあえず2年、生き延びる覚悟で気をしっかり持ってほしい。何が起こっても、そこで悲観せずに「あと2年、生きればどうにかなる」と念じて、自暴自棄にならずに落ち着いて過ごしてほしい。

なんだかわかる気がする。わたしの場合は娘の不登校がまさに晴天の霹靂で、でもそんなにことは簡単じゃなく時間もかかるって1年経ってやっとわかった。本当は3年くらい腰をすえて付き合わなきゃいけないんだろうな。

いろんな人のおかげで自暴自棄にならず、仕事も続けながら付き合えているとおもう。

そして、こんなふうに淡々と日常を描きながら、何年も何年も読ませ続けるのって本当にすごいなとおもう。だから、また読みたくなるし、忘れてても思い出してしまう。

あ、今思い出したけど、前に書いた記事の田中みな実さんはきっとこういうふうになりたいんだよね。でも銀色夏生さんは田中みな実さんみたいに、自分を苦しめて努力してるのでは決してなく、ものすごく自然体にみえる。夜家で泣いたりもしてないだろう。持続可能な自分でいなければいけないということかなあ。

とにかく、またしばらく銀色夏生さんを読む日々になりそう。近日発売予定の詩集も予約してしまった。

それから、もう一人日常を発信する素敵な人がいる。
Youtuberのharaさん。

見始めたのは最近なのだが、大阪で暮らす韓国人主婦の日常と題して、スーパーでの買い物や、料理などを本当に淡々とvlogにしている。

実はこのかたはご主人もYoutuber。旅行系Youtuberとして有名なおのださん。

最初はおのださんの動画をよく見ていたのだが、そこからのつながりでharaさんの動画を見るようになった。最近は逆転してharaさんの動画を見るほうが多いくらい。またお二人で行かれた旅行などをそれぞれに動画にして流ので、それぞれの視点で見るのもおもしろい。

淡々とした日常を発信している人は少ない。この記事を書くにあたって思い出してみたけど、なかなか思いだせなかった。そして、日常発信が素敵になる唯一の方法は長く続けることだ。

銀色夏生さんはそれこそ20年以上、haraさんも3年以上続けている。そうやって続けてこそ、日常の中にひそむその人なりの考え方や生き方が見えてきて興味がわく。自分との違いや共通点も見えてくる。そして好きになる。

わたしは続けることがもっとも苦手。「がんばる」よりも「たのしむ」という方向でこのマガジンもやっていきたい。


ここから先は

0字
日本語教師でライターが日常をみつめるエッセイです。思春期子育て、仕事、生き方などについて書きます。

ことばとつばさ

¥500 / 月 初月無料

さらにもっととおくに飛ぶためのエネルギーエッセイ

サポートよろしくお願いいたします。 サポートいただけたら、大好きな映画をみて、 感想を書こうと思います。