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生徒の相談に乗っていると、こちらも落ち込んでしまいます。どうすればいいでしょうか。

こんにちは。
*産業カウンセラーと日本語教師をしています。ワカです。

*産業カウンセラーとは:一般社団法人日本産業カウンセラー協会が認定する心理職の資格です。落ち込んだ状態が続いている、仕事に行くのが辛いなどの精神的な悩みを抱える働く方のカウンセリングや、省庁・企業のメンタルヘルス対策の支援などを行っています。(*カウンセリングの相談内容によっては医療機関や社労士を紹介することがあります)

11/23に「日本語教師のためのメンタルヘルスケア」オンライン講座を開催しました。ご参加くださった皆様、ありがとうございました。勤労感謝で休みの日なのに、勉強しようと思って講座を受けるのは本当にすごいことなんですよね。「自分は働いて、さらに勉強して、頑張ってるな!」って自分を褒めてあげてほしいです。褒めると脳も気持ちもちゃんと反応しますから。

さて、その講座で最後に受講者からの質問コーナーがあったのですが、急だったのできちんと答えられず、すみませんでした。ここに改めて回答させていただきます。参考にしていただければ幸いです。

学生の相談に乗っていると、こちらまで落ち込んでしまう。そんなときどうすればいいでしょうか。

カウンセリングでは「共感」して聴くことが大事だといいます。「共感」とは、まるで相談者の中に入ったかのように感じることです。カウンセラーがカウンセリングを行うときは、自身の感情はオフにして相談者の言葉を聴いて返答します。(*カウンセリングの経過段階によっては変わります)

例A
相談者:「むしゃくしゃして、怒鳴ったんですよ」
カウンセラー:「むしゃくしゃして、怒鳴ったんですね」

例B
相談者:「むしゃくしゃして、怒鳴ったんですよ」
カウンセラー:「むしゃくしゃして、怒鳴っちゃったんですね」

小さな違いですが、Bはカウンセラーの感情が入っている例になります。カウンセラーは「怒鳴った」に対してそれは失敗だな、やりすぎだなと思っているので「怒鳴っちゃったんですね」と返答しています。
Aは、カウンセラーが自分の気持ちを入れずに「んですね」で返答しています。言ったことをそのまま返しているだけですが、相談者は自分と話しているような感覚で自己探求できる。これが心理的なカウンセリングとなります。

私がカウンセリングをするときは「自分の感情」のスイッチをオフにして、終わったらオンにする。そんな感じです。なので、終わった後に重い気持ちになって引きずることはあまりないです。

しかしこれにも訓練が必要です。
ついつい「できることはないだろうか」「これでいいのだろうか」と思考して、自分のふがいなさに気持ちが落ち込むこともあります。

そんなときは「自分は無力だ」と脳に言い聞かせて開き直ります。
相談をする方だって相手に全てを解決してもらおうと思っていないんです。
いろいろ聞いてもらっても、どんなに素晴らしい解決策を示してもらっても、最後に決めて行動するのは相談者自身です。

「私にできるのは聞いてあげるだけ。でもそれが相手の役に立っている」
「他人を変えることはできない。自分は無力である」
「今後を決定するのも行動するのも相談者自身である」と思うことで、あれこれ考えて落ち込んでしまうことは少なくなるかもです。


・「日本語教師のためのメンタルヘルスケア」
ストレスを感じた時にケアする方法や、ストレスを受けても立ち直る耐性(レジリエンス)を身につけるための講座です。お申し込み受付中です。
2023/11/29(水)20:00~21:00pm オンライン開催
受講料:1500円


・オンラインでカウンセリングをしています。こちらはプライベート・カウンセリングです。ご都合がいい時に予約して受けることができます。
*相談状況によっては、医師や社労士など専門家を紹介することがあります。


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