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小さな旅

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記事一覧

日和佐の駅にて  (小さな旅シリーズから)

【小さな旅】

日和佐の駅にて  (1992年夏)

あれは暑い暑い夏の夜でした。湿った空気が首筋の汗をドロドロにしていくような蒸し暑さです。初めての四国でひとりぼっちの野宿をしたのは、徳島県の日和佐というJRの駅でした。朝から剣山付近を走り回って海に辿り着きました。そこは何の変哲もない寂れた猟師町です。駅前の食堂で食事をしていると、南方の海洋で台風が発生して日本に向かって来るというニュースが流れ

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「儚き出会い」1992年  (小さな旅シリーズから)

小さな旅

 

「儚き出会い」1977年

 

田辺君という立命館大学の学生さんに出会った.彼はバイク(バイクツーリスト)で1977(昭和52)年の夏の北海道を旅していた.当時、北海道を旅していた私は、本誌の新年からの連載に書いたように、ヒッチハイクと徒歩の旅だったので、田辺君と出会った(というか縁が出来た)瞬間は、バイクでの旅に関して冷めた感覚というか無関心に近い印象だったと思う。

 

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あじさいの寺(鎌倉)  (小さな旅シリーズから)

小さな旅

 

あじさいの寺(鎌倉)

 

締め切りが迫っている。そう言ってもIMFのメールマガジンが復活した嬉しい悲鳴です。これからも読者の皆さんに少しでも旅好きになっていただける種のようなものをほんの少しでいいから蒔いていきたいので、どうかよろしくお願いします。

 

…ということで、枕を胸にあてがい、ノートとボールペンを持ってうつ伏せになってあれこれと考え始めた。しかし、活字になって何

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ひとり旅、下北の衝撃 (小さな旅シリーズから)  @2000

小さな旅シリーズから 名作選

ひとり旅、下北の衝撃 (小さな旅シリーズから)

小さな旅

「ひとり旅、下北の衝撃」

何故、人はただひとりで旅に出るのだろうか。風に吹かれることにロマンを感じるようになったのは、いったい、いつ頃からなのだろうか。そういう遠大な自問を、恥じらいも照れもなくさらけ出すようになると、同じことを感じていた仲間たちがコメントをくれます。ひとり旅仲間がどれだけ増えても、やは

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「儚き出会い」1992年  (小さな旅シリーズから) @2001

立命館出身の田辺くん(和歌山の子)、一生懸命探したけど 見つからなかった・・

「儚き出会い」1992年  (小さな旅シリーズから) 小さな旅

「儚き出会い」1977年

田辺君という立命館大学の学生さんに出会った.彼はバイク(バイクツーリスト)で1977(昭和52)年の夏の北海道を旅していた.当時、北海道を旅していた私は、本誌の新年からの連載に書いたように、ヒッチハイクと徒歩の旅だったので、田

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